ターゲット別コマーシャル戦略

 日清食品の販売するカップヌードルは、「ブランド・ジャパン」2016において2015年の24位から7位へと大幅に順位を上げた。岩野(2015)によると、日清食品の調査ではカップヌードルを一番食べない世代が18〜22歳であり、この理由として、「自分達の商品だと思っていないからではないか」と社長が述べている(水野・河原・松浦・染原, 2016)。このように、日清食品の社内では「カップヌードルが時代と共に年を取ってしまい、今の若者には自分たちのブランドという認識がなくなってきている」という危機感が広がっている。そういった危機感から、日清食品は橋本環菜をテレビコマーシャルのモデルに起用するなど若者向けのコマーシャルを開始した。日清食品のズナイデン取締役は、「大人には理解できなくても、若者の心に響くコマーシャルを作れば支持されると思った」(水野・河原・松浦・染原, 2016)と述べている。特に最近の橋本環菜が出演しているテレビコマーシャルは、本人が制服を着た姿で出演しており、学校の教室のような場所で撮影がされている。つまり、明らかにその世代の人々をターゲットとしていることがわかる。

 このような若者向けのコマーシャルが成功する前提として、コマーシャルが良いものでなければならないと私は考える。良いコマーシャルとは他のコマーシャルとの間に差異が存在するもの(土田, 2007)であり、また、効果のある広告である(百瀬, 2009)。効果のある広告とは、キャンペーンを通して訴求対象にメッセージが理解され、好感をもたれることによって売上増に結びつき、利益の拡大に貢献する広告のことである(百瀬, 2009)。当たり前のことだが、他のコマーシャルと似たようなものになってしまっては、差別化ができず消費者に対してインパクトが残せない。また、そのコマーシャルが消費者から好意を抱いてもらえることも重要である。仁科・田中・丸岡(2007)によると、コマーシャルへの好意度は、ブランドへの好意度・消費者の感情喚起・ブランドへの購買意欲と相関関係があるという。つまり、若者に好感を抱かれたカップヌードルのコマーシャルは、ブランドへの好意度やカップヌードルを購買しようという意欲にも影響を及ぼすことができるのである。日清食品のカップヌードルのコマーシャルにおいては、若者という対象に「カップヌードルは自分たちの世代も食べる商品だ」というメッセージを伝えるために、若者に人気のあるタレントを用いた。そのことによってその世代の人々にカップヌードルが自分達の身の回りにある商品だという好意を抱かれた。その結果、若者の購買意欲の向上、さらに売り上げの増加にもつながったと考えられる。したがって「効果のある広告」、つまり良い広告であったと言えるだろう。

 私は、このような若者にターゲットを絞り、そのターゲットに人気のある人物を用い、その人々の生活とリンクした環境を設定したコマーシャルの戦略は有効であると考える。なぜなら、若者がそうした人気のあるタレントも自分達と同じような環境に置かれていると感じれば、親近感が沸き、ブランドや商品に対して好感を抱くと考えるからである。この結果、自分達の身の周りにない商品だと感じていた人たちが、その商品を身近にある商品だと認知することによって、購買行動時におけるその商品の選択可能性が高められると私は考える。

 実際、消費者は自分達がほとんど知らないような商品の安全性や品質に、不安を抱くこともある。このように、商品やサービスに対する良いイメージであったり、悪いイメージとしての認知が広まることにより、消費者はそれらに対して「態度」を持つようになる(杉本, 1997)。その態度は「なんとなく嫌だ」といったような気分的なものや、「理屈じゃなく、目にすると買ってしまう」という行動的要素も含んでおり、消費者の購買行動にも関係するものである。このことから、その商品に対する「態度」が良い方向へ形成されれば、消費者は商品に好感を抱くのだ。つまり、商品に好感を抱いてもらうことによって、消費者の購買意欲を向上させることができるのである。

 しかし、本当に若者向けに作成したコマーシャルの影響のみでこの戦略が成功したのであろうか。私は、コマーシャルの影響に加えてSNSの影響が強くあったのではないかと考える。総務省(2015)によると、20代以下のフェイスブック利用率が49.3%、ツイッターが52.8%であり、おおよそ2人に1人がSNSを活用しているということになる。若者向けのインパクトある広告を打ち出し、それがSNSによって急速に広まる。この流れにうまく乗ることができたからこそ、日清食品のコマーシャルは成功したのだと私は考える。実際にツイッターのツイートを調べてみたところ、橋本環奈が出演していたコマーシャルの反響は大きく、「橋本環奈が出ているカップヌードルのCMかわいい」「カップヌードルの橋本環奈のCMマジで癒される」などといったものが数多くツイートされていた。この事例のように若者に人気のあるタレントを用いることによって、そのコマーシャルの話題性は上昇し、さらにそれがSNSを通してコマーシャルを見ていない同世代の若者へ認知されていったのである。確かに、最近若者はあまりテレビを見ないと言われているが、その状況の中でもSNSという媒体を通してコマーシャルを見た人々の感想が広まっていくのだ。

 これらのことから日清食品のコマーシャルが成功した理由を3点にまとめた。1点目は日清食品がターゲットを絞ったことである。若者にターゲットを絞ったことによって、その世代の人々に理解されるコマーシャルを作成することができた。2点目は日清食品が良いコマーシャルを作ったことである。橋本環奈を用いることにより、ターゲットの世代に好感を抱かれ、幅広く認知された結果、売上の増加につながった。3点目はそのコマーシャルを見た消費者たちがSNSで話題にし、同世代の共感を得たことである。SNSにおいて、橋本環奈の出演するコマーシャルについての感想が話題となり、同世代の人々から注目を集めた。この3つの条件がそろったからこそ、日清食品は商品の認知を上げ、「ブランド・ジャパン」において昨年よりも大幅に順位を上げることができ、売上も向上させることに成功したのだと私は考える。

 以上のように、ターゲティングを行い、そのターゲットに効果のあるコマーシャルを作り、SNSで反響を呼ぶという日清食品が行った戦略は、他の日用消耗品を取り扱う企業においても用いることができると考える。「ターゲットを絞る」と「良いコマーシャルを作る」は、どの世代に向けても実行可能である。そのターゲットに好感を抱いてもらえるような撮影環境の整備や、その世代の人々に人気のあるタレントを用いて、売上の増加につながるコマーシャルを作成すればよい。しかし、SNSにおいて反響を呼ぶというのは必ずしもすべての世代において成功するとは限らない。そこで、若者以外のターゲットの場合にはどのような形で反響を呼ぶことができるのだろうか。

 ここでは一例として、高齢者世代をターゲットとした場合を考える。NHK(2015)によると、50歳以上の人々は休日になれば9割もの人が一日に4時間以上もテレビを見ている。そのため高齢者にとってのTVコマーシャルは、他の世代よりも高い効果が得られる。高齢者世代をターゲットとしたコマーシャルは、その世代特有の体の悩みや生活習慣病などを解消できるということをアピールし、その世代に人気のあるタレントを用いて作成することで、好意を抱いてもらえる可能性がある。消費者にとって体の悩みが解消されることはもちろん好ましいことである。それに加えて、高齢者世代に人気のあるタレントがその商品を宣伝していれば、あの人が使っているなら私も使ってみようという気を消費者に起こすことができ、さらに好意を抱いてもらえる可能性があると私は考えた。高齢者の間で反響を呼ぶためには、会話の中でそのコマーシャルが話題とならなければならない。そういった会話が、高齢者の集まる場、例えば病院などの場所で行われることにより、反響を呼ぶことにつながる。つまり、その場が若者の利用しているSNSと同様の効果をもたらすのである。

 ここで、ただただ商品名を連呼したり、商品の機能だけを伝えるコマーシャルでは、反響を呼ぶことは難しいと私は考える。なぜなら、どの世代においても自分自身の体に不自由を感じている場合、そのことを他人には話そうとはしないと私自身考えているからである。たとえ他人に話すことがあっても、それはごく一部の信頼できる人であり、大勢に打ち明けることはないだろう。したがって、普通では話題に出しづらいようなテーマを重苦しくなく話すことができるように、綾小路きみまろのようなタレントを用いたコマーシャルにすることを提案する。彼の芸風である、あえて高齢者世代特有の体の不自由な点を皮肉り、笑いにつながるような言い方をすることにより、話にくさの軽減につながる。その結果、高齢者の集まる場においてそのコマーシャルの内容についての会話を行う可能性が上がると私は考えた。

 このように、年代別にセグメントを分け、その世代をよく把握し好感を抱かせるような昔から利用されているマーケティングの手法は、どのように反響を呼べるのかを考え実行すれば、現在でも利用可能である。ただし、世代ごとに反響を呼ぶ手段は異なっていることを忘れてはならない。作成者が、消費者の反響を呼ぶ手段を理解した上で、消費者がその内容を周囲に広げたくなるようなコマーシャルを作ることができれば、それはどの世代においても売り上げを上昇することができるような、よい広告となるのである。全ての年代において反響を呼ぶ手段が理解できれば、どんな日用消耗品でも消費者にアプローチすることができ、企業全体の売り上げを増加させることにつながるのである。

【参考文献】
岩野孝祐 (2016) 「カップヌードル、6年ぶり「なぞ肉」復活で若者開拓』日本経済新聞. http://www.nikkei.com/article/DGXMZO86181750X20C15A4000000/ 2016年5月25日閲覧.
国土交通省 (2010) 「鉄道の利用状況」『大都市交通センサス 首都圏報告書』 172. http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/daitoshicensus/h22cencus-shuto.pdf 2016年7月11日閲覧.
百瀬伸夫 (2009) 『良い広告とは何か』 ファーストプレス.
NHK (2015) 『2015年国民生活時間調査報告書』 8-9. http://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/pdf/20160217_1.pdf 2016年7月6日閲覧.
水野孝彦,河野紀子,松浦龍夫,染原睦美 (2016) 「サービスの進化と深化でアマゾンが初の首位」『日経ビジネス』. 1837, 50-55.
仁科貞文,田中洋,丸岡吉人 (2007) 『広告心理』 電通.
日清食品 (2016) 「連結財務データ 連結業績の推移」 https://www.nissin.com/jp/ir/financial/consolidated/ 2016年6月1日閲覧.
杉本徹雄 (1997) 『消費者のための心理学』 福本出版.
総務省 (2015) 「ソーシャルメディアの普及がもたらす変化」『情報通信白書 平成27年度版』 194-214. http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/pdf/n4200000.pdf 2016年5月25日閲覧.
土田米一 (2007) 『効告。 企画をヒットさせるために広告クリエイターたちが考えること』 インプレスジャパン.

はらざき (2年)

「フェースマスクは毎日使える」を常識に

 島津(2016)によると、グライド•エンタープライズの販売するスキンケア用フェースマスク「ルルルン」シリーズは2016年、発売から5年目にして累計販売が3億万枚を超えた。2011年、あまり需要がなかったフェースマスクという商品に目を付けた同社社長山口道元氏は、もっと手ごろな価格の商品があれば一般消費者向けにさらに売れると考え、低コストで生産できる委託先を探した。結果、フェースマスク本体とそれに浸す化粧水を作る工場に生産を委託することができ、42枚入りで1,500円(税別)、1枚あたり36円という安さで発売することが可能となった。

 ここでフェースマスクの利点を挙げていこう。最も大きな利点は、長時間肌の上に浸透させることである。フェースマスクは顔の形に切り抜かれており、通常洗顔をし、化粧水をつけた後に型に沿って顔に貼り、10〜15分使用する。これによって肌の角質をふやかすことにより、成分の肌なじみがよくなるので、ただ化粧水や美容液を塗るよりも浸透しやすい状態を作り上げることが出来るのである。

 同社のフェースマスクが人気を誇る理由は2つあると島津(2016)は指摘している。1つは市場そのものを拡大させる戦略を掲げたことである。市場拡大戦略に関しては、フェースマスクを毎日使ってもらえることを目的とし、購入する1回目を大切にした。価格が安価であることはその1回目を大切にするための戦略である。その結果、市場拡大は成功し、コーセーやクラシエホームプロダクツなどといった大手化粧品メーカーも同種製品の発売を開始している。もう1つの理由は、ギフト需要を発掘したことである。一般にスキンケア商品はこだわりが強いので、ギフトには適さないとされてきた。しかし、フェースマスクに関してはまだ商品も少なく、嗜好性はそこまで強くない。そこでギフト用として地域限定商品等を展開したのである。その結果、旅行者の心をつかみ、グライド・エンタープライズの売上高の12%を占めるまでになった。

 このように島津(2016)は、上記の2つをフェースマスクが人気を上げた理由としている。しかし私は、日常生活の中で使用することを重視していない「ギフト需要」よりも、「市場拡大」をしたことが大きな理由だと考える。当初から発売されている「ルルルン」は、毎日使えるように基礎化粧品として考えられ作られている。つまり、安価な価格で毎日使うことのできる基礎化粧品として市場拡大をしていったことが、人気を上げた理由ではないだろうか。

 実際に私自身、2015年からルルルンのフェースマスクを使用している。ルルルンを購入した一番の決め手は、値段の安さであった。仮に肌に合わなかったとしても許容範囲内だろうと思ったのだ。また、例え1枚当たりの値段が500円以上するフェースマスクで良い効能が出たとしても、本当に特別な時にしか使用ができない。しかし、ルルルンは1枚あたり40円前後といった値段設定がされており、価格が抑えられている。

 だが、「フェースマスクが毎日使えるもの」ということはあまり認知されていない。そこで私は、「毎日使えるフェースマスク」という新常識を当たり前のことにし、化粧品を使う多くの人に広げるため、商品をより手に取りやすくすることを提案したい。

 まず、「値段が高くフェースマスクに手を出しにくい」という常識をなくすため、1,500円(税別)の42枚入りよりも300円(税別)の「ルルルン7枚入り」シリーズを増加させる。現状、42枚入りで1,500円(税別)、1枚あたり36円という驚愕の値段で購入、使用することができるのは確かだ。しかし、自分の肌の状態に対し良い効能があるのか分からず、場合によっては肌を痛めてしまう可能性がある商品に、この商品のターゲットだと思われる女子大学生やOLなどが、いきなり1,500円(税別)を費やすだろうか。実際私は、初めてルルルンを買う前まで、フェースマスクには抵抗があった。その原因は4年ほど前の失敗が大きく関わっている。当時、興味本位から試しに1枚入りのフェースマスクを購入し、使用した。「肌が潤い、多少美白になる効能がある」と記載があったので期待していたのだが、付け始めて1分経ったかというくらいで肌に沁みてきてしまったのだ。これがきっかけで、1枚しか封入されていないのにもかかわらず、500円以上もし、しかも自分の肌に合わないものがフェースマスクだと決めつけてしまったために、もうフェースマスクは買わないと思ったことを覚えている。

 だからこそ7枚300円(税別)という手を出しやすい値段、枚数で販売することが重要となってくる。この手を出しやすい価格で7枚、つまり1日1枚なら1週間試して使えることが、次のルルルンシリーズ商品への購入動機となるのである。結果、手を出しやすい状態になったルルルンは、今までのフェースマスクとはさらに異なる、安価で毎日使うことのできる点を顧客へ伝えることができる。

 フェースマスクのように、肌に合うかどうかが重要になってくる商品を長期にわたって消費者が購入する時は、一か八かであることが多い。例えばシャンプーは、購入時に試すことが出来るわけではない。実際に使ってから頭皮に合う、合わないが分かるものである。実際に合わなかった時には、頭皮へのダメージや髪自体へのダメージが大きくなってしまう。このように肌に使うものを長期にわたって使用してもらうには、試供品のように一度きりで使い切ってしまうものではなく、お試し期間として効果が出る期間分用の商品を手に取って使ってもらうことが重要となる。そうすることにより、消費者にとっては商品の効き目が出るまでの期間を安価に試せること、企業にとってはまず商品を手に取ってもらうことで、将来の購入にも繋げることができるため、お互いに不利益を被ることが少なくなる。肌に使う商品をまとまって販売するだけではなく、効用が出る期間分を少量に分けて販売することで、手に取りやすくする。それこそが、肌に用いる商品にとって大切な1回目の購入動機を顧客に抱かせるうえで重要なものであると私は考える。

【参考文献】
グライド・エンタープライズ(2016) 「商品一覧」『フェイスマスクルルルン公式サイト』 http://lululun.com/product/ 2016年8月16日閲覧
グライド・エンタープライズ(2016) 「ルルルンの化粧水のお話」『フェイスマスクルルルン公式サイト』 http://lululun.com/labo/?p=106 2016年8月31日閲覧
島津翔(2016)「3億万枚売れた美顏マスク」『日経ビジネス』1850,68-69.


いいむら(2年)

認証保育園のすすめ

 「保育園落ちた日本死ね!!!」。最近、このようなタイトルで始まる、子供を保育園に入れられなかった女性が書いたブログが話題となり、待機児童問題が注目されるようになった。厚生労働省(2015)によると、2015年4月現在、認可保育園に入れていない待機児童が2万3167人おり、さらに潜在的待機児童という保育園に入れないだろうと最初から諦めている児童数を含めると170万人もいるとされている。

 日本の保育園には、認可保育園と認可外保育園が存在する。認可保育園とは、国によって定められた施設の広さや職員数などの設置基準を満たした保育園のことである。対して認可外保育園とは、設置基準を満たしていない保育園のことである。認可外保育園に入園させることは認可保育園よりも容易であるが、多くは民間で運営されているため金銭面や安全面では不安が残る。そのため保護者は子供を認可保育園に入れたがることにより、待機児童問題が起きているのである。

 これまで、待機児童問題の対策が全くされてこなかったわけではない。水野・広岡(2016)によると、2015年4月時点の認可保育園(幼保連携型認定こども園含む)の数は、前年同月比4.3%増の2万5464カ所で、利用児童数も2.8%増の6万3845人と、どちらも増加していることがわかる。しかし、このような新たな保育園の開設は、結婚や出産を理由に一度仕事を辞した若い女性の就労意欲を向上させる。その結果、保育園への申し込みが増加し、再び待機児童が増加するという循環に陥っているのである。

 しかし、人口が集中し広い土地の確保が困難な首都圏等においては、認可保育園の開設は容易ではない。それでは、首都圏等ではどのようにして保育園を増やせばよいのだろうか。私は、東京都が独自に定めた設置基準である認証保育園を増加させるべきであると考える。

 東京都福祉保健局(2016)によると、東京都の待機児童数は8466人と全国の中で最も多い。東京都に待機児童数が多い原因は、人口の一極集中によるものである。しかし、東京都区部では国の設置基準を満たせる大きさの保育園が設置できるような土地を確保することは困難である。したがって、独自に新たな設置基準を設けたのである。例えば認可保育園では0歳児・1歳児一人につき3.3屬量明僂必要であるが、認証保育園では2.5屬泙粘墨造靴討い襦このように認可保育園ほど厳しくはないが、安全面を十分に考慮した設置基準を満たしている保育園が認証保育園である。満員のため認可保育園に入れない児童を認証保育園が受け入れれば、待機児童問題は緩和するだろう。

 しかし、認証保育園にも問題点は存在する。その問題点とは、保育料が高額だということである。認証保育園の保育料は保育園側が自由に設定できるため、園によっては家賃以上の保育料がかかるなど高額になりがちである。したがって、保護者は認証保育園を敬遠してしまう。しかし、認証保育園には認可保育園にはないメリットが主に二つある。一つ目は13時間以上の開所が義務付けられているということ、二つ目は事務的ではない自由な保育が行われていることである。一つ目の開所時間は、認可保育園では保護者の就労時間によって利用可能時間が11時間または8時間と定められているが、認証保育園では保護者の就労時間にかかわらず13時間以上の開所が定められている。このような開所時間の差は、働く保護者にとっては大きな差となる。例えば急に長時間預ける必要が出た時には、認可保育園よりも融通が利きやすい。また二つ目の事務的ではない保育に関しては、認可保育園は公営で行われているのに対して、認証保育園は民営なので、自由な保育を行うことができるのである。例えば、パン作りや絵を描くことなどの保育を行うことで、子供に様々なものを触れさせ、豊かな感性を育むことができる。このようなメリットが保護者に伝わると、保育料が安くなりさえすれば入園させたいと考える人も出てくるであろう。

 では保育料の問題をどのように解消していくべきか。私は、認可保育園の保育料に充てられている補助金の一部を、認証保育園に給付するということを提案する。現在、認可保育園に対しては国や都道府県などの自治体から保育料として補助金が給付されている。一方で、認証保育園や認可外保育園に対しては一部自治体から多少の補助金が給付されてはいるものの、それだけでは運営費を全て賄うことは不可能である。そのため、認証保育園や認可外保育園の保育料は自然と高額になってしまうのである。認証保育園の場合は、土地の広さという点では認可保育園に劣るが、広さ以外の点では認可保育園にも劣らないため、国や自治体からの補助金を認可保育園同様受け取るべきであると考える。

 しかし、国や自治体の予算にも限界がある。そこで、世帯年収によって補助金の額に差をつけることを提案する。現在、国の定めにより世帯年収に応じて保育料の徴収額は異なる。しかし、東京都などの一部自治体は独自に補助金を給付し、保育料の上限を抑えているというのが実態だ。例えば、世帯年収が1130万円以上の高所得世帯からは月額10万円程度徴収することが国により定められているが、自治体からの補助金があるため、実際は月額4〜5万円程度に抑えられている。この認可保育園に通う高所得世帯への補助金を六割程度減額し、その分を認証保育園に通う低所得者層に給付するべきである。こうすることで、認可保育園と認証保育園の実質的な金銭負担の差が少なくなるため、認証保育園に通わせやすくなるだろう。

 今までは認可保育園の保育料だけが異様に安かったため入園の希望が殺到していたが、この提案によって保育料に縛られずに多くの保育園から希望を選べるようになるため、認可保育園のみに希望が偏ることもなくなる。したがって、認証保育園に入園させたいと考える保護者も出るため、うまく双方に分散されるのではないか。

 東京都などの人口過密地域を中心に待機児童問題が起こっている昨今の日本において、東京都では認可保育園の数を増やすにも土地が不足しているため限度がある。しかし、上記の提案によって認可保育園と認証保育園の金銭的負担を実質的に縮めることによって、入園させたい子供の認可保育園への集中を緩和できるようになるのではないか。補助金負担の軽減による認証保育園と認可保育園の両立こそ、待機児童問題の緩和に一役買うと私は考える。


[参考文献]
普光院亜紀 (2014)「保活のナゾ「保育短時間」って何?」『プレジデントオンライン』http://president.jp/articles/-/13712 2016年08月24日閲覧.
猪熊弘子 (2010)「認可保育所と認可外保育所の違い」『All About』http://allabout.co.jp/gm/gc/303197/ 2016年08月24日閲覧.
厚生労働省 (2015)「保育所等関連状況取りまとめ」http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Hoikuka/0000098603.pdf 2016年06月27日閲覧.
厚生労働省 (2016)「保育士などにおける関係資料」 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/s.1_1.pdf#search='%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%A3%AB+%E7%B5%B1%E8%A8%88 2016年06月13日閲覧.
周 燕飛 (2002)「保育士労働市場からみた保育待機児問題」http://www.jcer.or.jp/academic_journal/jer/PDF/46-7.pdf#search='%E5%BE%85%E6%A9%9F%E5%85%90%E7%AB%A5+%E8%AB%96%E6%96%87 2016年07月03日閲覧.
とうきょう福祉ナビゲーション (2016)「認可保育所と認証保育所の違い」http://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/contents/tokushu/ninsyo/ninsyo_02.html 2016年07月11日閲覧.
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東京都福祉保健局 (2014)「東京都保育士実態調査報告書」http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2014/04/DATA/60o4s201.pdf#search='%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%A3%AB%E5%AE%9F%E6%85%8B%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8 2016年06月13日閲覧.
東京都福祉保健局 (2016)「都内の保育サービスの状況について」 http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2016/07/20q7j500.htm 2016年08月28日閲覧.
水野孝彦, 広岡延隆 (2016)「待機児童問題への提言」『日経ビジネス』 1842, 44-47.



きたはら(2年)

チェーン店のタッチパネル方式導入を〜人手不足解消のために〜

 最近、大手外食チェーンで客数が減少し、店舗の閉鎖が相次いでいる。その原因として、河野・武田・須永・水野(2016)は、チェーン店が抱える「3大疾病」を挙げている。1つ目は、検索サイトの普及で個店の勢力が拡大し、「つまらない」、「楽しみがない」という理由で客足が遠のいている点だ。客は、飲食店の情報が気軽に手に入るようになったので、それまで足を踏み入れたことのない個店などを利用することへの心理的なハードルが一挙に低下した。その結果、客自身飽きが来ないように様々な場所に行く機会が増えたので、チェーン店の「どこへ行っても同じメニューで同じ味である」という安心感が相対的に低下してきた。さらに、チェーン店では店舗の画一化により、店づくりの個性や創造性を発揮できなくなった。その結果、客離れを招いたのだ。2つ目は、店舗拡大に伴い原材料の調達量を増やし、それによるスケールメリットによってコスト比率を下げる、というチェーン店が追求してきた成功の方程式が通用しなくなった点だ。例えば、牛肉のショートプレートの例でいうと、かつての大口顧客といえば日本だけだったが、最近では、中国や東南アジアでそれを上回るスケールの買い手が現れてきている、という。その結果、高い値段で牛肉を買うようになった中国や東南アジアの買い手に競り負けたり、思うような値段で牛肉を調達できなかったりする事態が起きている。3つ目は、労働環境の悪化や採用難によって働き手が確保しづらくなり、人手不足に陥った点が挙げられる。例えばすき家では、深夜帯を1人の従業員で切り盛りする「ワンオペ」のような過重労働が問題化し、一時は6割の店舗が深夜営業停止に追い込まれた。このように過重労働がメディアに取り上げられたことによってチェーン店の印象が悪化したので、バイトなどの応募が激減するようになったのだ。
 
 この3つの問題の中でも、私は人手不足が一番深刻だと考える。「メニューに新鮮味がない」「どこへ行っても同じでつまらない」という消費者の意見は、メニューの改善によってある程度解決することができるだろう。また、チェーンの成功の方程式が通用しなくなったことは、ゼンショーグループのように異業態会社をM&Aすることによって、自社で規模を拡大したり、機能を拡充したりできる(河野,2016)ので、ある程度改善できるだろう。しかし、人手不足は、その結果として営業時間を短縮させるので売上が減少するだけでなく、それを補うために行う時給の上昇が商品値上げに繋がるので、消費者のチェーン店離れをさらに引き起こすのだ。そして、この問題は飲食店業界全体の問題ではなく、チェーン店固有のものである。リクルートジョブズ(2016)によると、ファーストフードの平均時給は935円で、これはフード全体の平均時給954円と比べて低い。つまり、チェーン店は一般の飲食店と比べて時給が低いので人材が集まらないのである。

 それでは、この人手不足を解決するためにはどのようにしたらよいのか。私は、タッチパネルを用いたオーダー機器の導入を提案する。タッチパネルの導入には、確かに初期費用が掛かる。しかし、人を雇うよりもランニングコストは安価なので、人件費削減に加えトータルコストも低くなるからだ。このタッチパネル導入によって、人が少なくても店が回せたり、面倒な注文やレジ打ちの作業がなくなったり、オーダーミスがなくなったり、人が直接お金を扱わないので衛生的であったり、店員もオーダー以外の別の仕事に専念できる、といったメリットが生まれるのである。

 例えば日本のマクドナルドにタッチパネルを導入するというケースを考えてみよう。常盤(2015)によると、マクドナルドは、異物混入騒動などでブランドイメージや業績の悪化により人材確保が難しくなったことを一要因として大量閉店に追い込まれている、という。そこで、アメリカやフランスなど世界各国で導入されているタッチパネル方式を、日本のマクドナルドでも導入することを提案したい。Horovitz(2014)によると、アメリカのマクドナルドでは、もちろん普通のハンバーガーやドリンクの注文も出来るが、その目玉はマクドナルドが打ち出している自分の好みのバーガーが作れる事である。つまり、バンズ、チーズ、野菜の種類などを自由に選ぶ事が出来るのだ。このように、日本のマクドナルドにもタッチパネル方式を導入することによって、人件費削減だけでなく、自分でカスタマイズしてハンバーガーを作れるという楽しさも付加することができる。これにより、メニューに新鮮味がない、という理由でこれまで足が遠のいていた客を、リピーターにすることも可能かもしれない。また、Martin(2016)によると、アメリカのマクドナルドにおけるタッチパネル導入のコストは、一時的な費用はかさむものの1台3万5,000ドルとなっている。これは、時給15ドルを従業員に支払う場合と比べて1年1ヶ月で回収できる導入コストに過ぎない。以上のように、タッチパネル方式を導入すれば、人手不足解消に加え、将来的な人件費削減にもつながり、客へ新たな楽しさも付加することができるのではないか。

 確かに、誤入力や客と従業員のコミュニケーションが少なくなるというタッチパネル導入のデメリットもある。しかし、誤入力は、最後に確認画面を設けるなどの工夫で解消できるだろう。また、客と従業員とのコミュニケーション不足については、タッチパネルの近くに従業員を配置して、客の分からないことや要望に応えられるようにすれば解消できるだろう。

 このように、チェーン店が人手不足を解消するためには、オーダーの際、タッチパネル方式を導入することも1つの策である。人が少なくても店が回せ、人件費も削減できるので、最大の問題である人手不足解決に繋がる。また、タッチパネルの導入は、メニューのカスタマイズの可能性を高めるので、リピーターに新鮮さ、楽しさを与えられることもできる。人手不足を解決せず工夫も行わなければ、チェーン店は崩壊し続けていくに違いない。タッチパネル方式の導入による人手不足解消が、チェーン店再生の第一歩に繋がるのではないだろうか。


[参考文献]
河野紀子 (2016)「ゼンショー小川社長が語った今後の成長と後継者」『日経ビジネスONLINE』 http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/281481/062400021/ 2016年8月16日検索.
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ほそだ(2年)

ドーナツの潜在ニーズとは

 クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン(以下クリスピー・ドーナツ)は現在、運営の抜本的な改革を行っている。岡本(2016)によると、多店舗化の結果、立地や人材の問題により現状全ての店舗において、顧客に「かわいく、おいしい商品を、温かみのある接客を受けくつろげる店舗空間で食べてもらう」という「Joy」の価値を創造するという使命が実現できていない。そこで、各店舗の質向上と運営効率の向上を目的とした、店舗エリアの集約と店舗の閉店、リニューアルを行っている。

 そこで、私は実際どのように運営の抜本的な改革が行われているか、2016年7月12日にリニューアルオープンされたクリスピー・ドーナツ北千住ルミネ店のリニューアル前とリニューアル後に客として行ってみた。確かに、くつろげる店舗空間の構築ということで、一人掛け用の座席がポール形状の腰が痛くなるタイプから、人一人がゆったりと座ることのできる通常のものに変わっていた。しかし、複数人で座るための机や座席は変化を見て取ることはできず、内装などの色彩や雰囲気を変更しているわけでもなかった。また、レジ前での会計の並び方などにも変化は見られなかった。

 このように運営の抜本的な改革といっても、客として見た場合あまり変化を感じることのできないものであるならば、私は岡本氏の戦略よりも優先してやるべきことがあると考える。有馬(2016)は、なぜクリスピー・ドーナツが不振になったかについて、甘すぎる味がネックとなり、顧客が魅力を見出せなくなったと指摘している。多店舗化を行う前のクリスピー・ドーナツは、店舗数が少なかったため並ばなくてはならず、現在より簡単に購買することができなかった。たまにしかお目にかかることのできないドーナツであったため、ある意味その甘さがプレミア感の証であったのだ。しかし、多店舗化によって比較的購買しやすくなった現在ではそのプレミア感が薄れてしまった。むしろ、顧客はチェーン店を選ぶ際、メニュー、料理の内容を最も重視している(河野・武田・須永・水野 2016)ので、その甘さが、「甘すぎる、くどい」などといった顧客の飽きを引き起こしてしまったのではないだろうか。

 では離れてしまった顧客をどのようにして再び引きつければよいのか。確かに、運営の抜本的な改革も重要なプロセスではあるが、私は甘さ控えめなドーナツの提供を提案したい。なぜなら、現在、顧客のドーナツへの「潜在ニーズ」として、甘さ控えめなドーナツが求められていると考えるからだ。

 ここで、日本とクリスピー・ドーナツの生まれ故郷であるアメリカの砂糖消費量を比べてみよう。2013〜15年度の両国の年間砂糖消費量の平均は、日本が2,157トンで、アメリカの平均が10,882トン(農畜産業振興機構 2016a)と、日本はアメリカの砂糖消費量の約5分の1である。これは、アメリカの人口が日本の人口の約2.5倍ということを加味しても少ない。さらに、2015〜2016年の日本人の年間砂糖消費量予測は17.2kg /人で、アメリカ人の年間砂糖消費量予測は33.0kg /人(農畜産業振興機構 2016b)である。つまり、日本人の砂糖消費量はアメリカ人に比べると少なく、甘いものを消費していないことが分かる。したがって、既存の甘いドーナツを販売していても多くの日本人の好みに合わないのではないだろうか。

 さらに、Beck & Schatz(2014)によると、アメリカ人のカロリー摂取量も減少し、食生活がやや健康的になってきている。この健康志向の表れを考慮すれば、現在、欧ファンドに身売りするなど決して経営良好ではない(河内 2016)米クリスピー・ドーナツの経営の再建にも、この甘さ控えめなドーナツが一役買うのではないだろうか。なぜなら、アメリカのクリスピー・ドーナツのメニューを見てみると(Krispy Kreme Doughnuts Corporation 2016)、9割以上の商品がカロリーの高そうなトッピングでテカテカになっており、いかにも不健康そうに見える。したがって、健康志向が高まりつつあるアメリカでも、甘さ控えめなドーナツの需要があるのではないか。これは、ゼロカロリーコーラを売り出していながら通常のコーラも売り出しているコカ・コーラの戦略と通ずる部分もある。既存のいかにも不健康そうなドーナツを売り出しつつも、「いつもは甘さ控えめのドーナツも買っているから、たまにはこれ(いかにも不健康そうな既存のドーナツ)も買っていいわよね!」という甘いもの好きの「甘え」を誘発することにつながるのだ。こうすることによって、日本のクリスピー・ドーナツにも、アメリカのクリスピー・ドーナツにもさらなる売上を生み出せるのではないか。そして、仮に甘さ控えめなドーナツのアメリカへの導入が難しいとしても、日本とアメリカ両国間のクリスピー・ドーナツのメニューには違いがあるので、日本独自に甘さ控えめなドーナツを提供することは可能である。
 
 現在クリスピー・ドーナツの顧客は、多店舗化により購買しやすくなったクリスピー・ドーナツに魅力を見出せていない。しかし、潜在ニーズを探りそれにマッチした商品・サービスを提供することで、企業は長期的に競争優位を確立できる(川上 2005)。クリスピー・ドーナツにとって、甘さ控えめなドーナツを提供することは顧客の潜在ニーズに応えることのできる商品だ。甘さ控えめなドーナツがマスコミに取り上げられることで、顧客に再びクリスピー・ドーナツに関心を持ってもらい来店してもらう。甘さ控えめなドーナツに加え、既存のドーナツもついでに購買してもらうことでさらなる売上を生み出すことにもつながるだろう。そこで、甘さ控えめなドーナツの提供により競合他社に対して競争優位を確立できれば、クリスピー・ドーナツは再び日本に根付いていくことができるはずだ。


【参考文献】
有馬賢治 (2016) 「クリスピードーナツ、なぜ客離れで閉店の嵐?甘すぎ&割高感が浸透した戦略の失敗?」 『Business Journal』http://biz-journal.jp/2016/05/post_15173_2.html 2016年7月6日閲覧
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http://sugar.alic.go.jp/world/data/wd_data.html  2016年6月1日閲覧
岡本光太郎 (2016) 「大量閉店は再挑戦への布石」 『日経ビジネス』1839, 88-89.


ちば (2年)

京都市が財政難を脱却するには〜富裕層の呼び込みを強めるバックパッカーの役割〜

 京都は現在、米国で発行されている観光雑誌の一つ『Travel+Leisure』で観光人気都市世界1位を2年連続で獲得するなど、外国人観光客に人気である。京都市(2014a)によると、「平成26年の(外国人観光客の)宿泊客数は、前年より70万人増え、183万人となった。日本全体の宿泊客数が1,341万人なので、7人に1人が京都に宿泊している。」という計算になる。
 
 この結果から分かるように、現在、京都の観光はとても活況である。しかし、これほど観光が活況なのにも関わらず、京都市の税収は伸びていない。その理由として、飯田(2016)は、「宿泊施設や飲食店といった観光業で働く人の75%が非正規雇用であることが無関係ではない。」と指摘している。そこで京都市では正規雇用者を増やすため、観光客の中でも富裕層をターゲットにする戦略を考えている。実際に2014年には高級ホテルのザ・リッツ・カールトンがオープンし、2016年の秋には、フォーシーズンホテルなどのオープンも予定されている。その理由として、門川(2016)は、「一泊5万〜100万という高級ホテルや旅館があったとする。従業員は付加価値の高いサービス提供を求められますが、その見返りとして正社員として雇われたり、高い収入が増えたりします。こうした施設が増え、正規雇用者も増え、回りまわって市の税収増にもつながる。」ということを挙げている。そもそも、なぜ高級ホテルを増やし、正規雇用者が増加すると、京都市の税収は増えるのか。京都市の市税の中には個人市民税というものが存在する。この税の仕組みに所得金額×6%の金額を税金とする所得割という制度があるので、所得が増えれば増えるほど税収入も増えるのである。このように、高級ホテルを誘致することで市の税収を増やす、というのが京都市の戦略である。

 わたしはこの戦略が有効であると考える。現在、京都にはたくさんの文化財が存在する。また、京都市内には橋が2900ヵ所あり、その99%を市が管理していて耐震補強もしなければならない(飯田2016)。したがって、これらを保護し維持していくためには莫大な資金が必要である。実際に京都市(2015)は、「本市の大都市特例事務に係る経費は170億円、一方これに対応する税制上の措置済額は51億円で、措置不定額は、実に119億円である。」と述べている。このように京都市は財政難なのである。これを解消するためには、富裕層をターゲットにした観光客の増加により税収入を増やすことが必要である、と私は考える。

 しかし、私は観光客の中でも富裕層だけに目を向けるのではなく、バックパッカーのような観光客にも目を向ける必要があると考える。なぜなら、バックパッカーにはSNSを通した情報拡散力があるからである。新井(2013)は、「バックパッカーのスマホ所持率は約8割と高い割合である。そして、スマホ利用のメインとなっているのはSNSの使用である。」という。なぜ、彼らはSNSを利用するのだろうか。バックパッカーのSNSの利用意識について、新井(2013)は4つの象限があるという。第1象限は必要情報の受信・発信である。これは、グーグルで検索を行ったり、ブログをアップして他者に情報を発信することである。第2象限は情報消費(情報へのアクセス)である。いわゆる暇つぶしのように情報にアクセスすること自体を利用目的とすることである。第3象限は表出コミュニケーション(特定他者へのアクセス)である。これは、Twitterなどで他者との場の共有やコミュニケーションを目的とすることである。第4象限は伝達コミュニケーションである。これは、第3象限と似ているが、違う点としてはメールのやり取りなど他人に公開されずに身内との情報交換などを行うことである。今回、私はバックパッカーの情報拡散力を考えたうえで、第1・3象限に注目した。なぜこの二つに注目したかというと、バックパッカーは旅行に行く際、あらかじめ情報を得るために他のバックパッカーのブログを閲覧するだろう。また、バックパッカーは比較的長期に滞在をするため、メジャーな観光地だけでなくマイナーな場所に訪れる可能性がある。そのような場所はInstgramなどのSNSで写真がアップされることによって、それが拡散していき話題となる可能性が上がると考えるからである。それは単にバックパッカー内だけの拡散ではない。そのような場所がNile’s NILEやAgoraのような富裕層向けの雑誌に取り上げられることで、さらにそれらの雑誌を見た富裕層にも情報が拡散していく。そして、他の観光客がまだあまり行ってない中で、そのようなマイナーな場所に自分は行ったぞという優越感を得たい富裕層が京都に訪れるのである。そうして、多くの富裕層が来京し、彼らが京都にお金を落とすことで、税収が増え、回りまわって京都市の税収が増え、財政難脱却につながっていく。これが京都市にバックパッカーも呼び込む必要があると考えた理由である。

 だが、バックパッカーは比較的長期滞在者が多いため、リッツ・カールトンのような高級ホテルだけでなく、低予算で泊まれる施設も必要である。そこで、低予算でも宿泊できる施設を整えるにはどうしたらよいのだろうか。飯田(2016)は、「現在、京都市には旅館が5000室ある。その内、旅館の稼働率が約7割と、まだ余裕がある。そこで、稼働できていない旅館を利用していく。」と述べている。たしかに旅館を利用していくことも有効だが、旅館の稼働率も約7割とそこまで低くないので、限界がすぐにきてしまうと考えられる。そこで、私はまだあまり使われていない民泊を利用していくべきだと考える。民泊を利用する行政側のメリットとしては、年々増え続ける空き家など使われていない施設や建物を利用できるということが挙げられる。実際に京都市の空き家は、2008年は110,290戸、2013年は114,500戸(Kyotobnb 2014)と5年間で4,210戸増えているという現状がある。そこで、これらの空き家を利用し民泊に使うことで空き家問題の対策にもつながる可能性がある。そしてバックパッカーの民泊を利用することでのメリットとしては、仝獣呂琶襪蕕垢茲Δ並攤澆できる、現地の人や旅人との交流ができる、I當未任惑颪泙譴覆い茲Δ文沈的な場所に泊まれる、じ獣呂梁慮海できる(Travel.jp 2016)ということが挙げられる。しかし、一番のメリットは値段の安さである。大半の民泊では、かつて寮として使われていたものを利用しているため、比較的値段がリーズナブルで低予算でも泊まれるものとなっている。実際に民泊を提供しているAirbnbのサイトを見てみても平均して4000~5000円程度の価格帯となっている。以上のことから、空き家にも活用でき、またバックパッカーにも多くのメリットがあるので、私は民泊の利用を提案したい。

 しかし、民泊にも安全性の問題が存在する。京都新聞(2016)によると、「京都市は(2016年1月16日)に民泊実態調査を行った。最大手の仲介サイトに2542件が登録されているが、所在地を特定できたのは679件にとどまり、その大半が旅館業法に基づく市の許可を受けていない。」という。このような状況があると旅行者は安心して民泊を利用できない可能性がある。そこで京都市は、観光や衛生、消防などの担当職員でプロジェクトチームを作り、2015年12月から8つの仲介サイトに掲載された情報を調査し始めた(波多野 2016)。そして、京都市は認可した民泊の営業だけを認める方針であり、旅館業法上の許可がない違法なケースが見つかった場合は営業を中止させ、悪質な場合は刑事告発も視野に入れる(波多野 2016)という。また、安全性の問題を解決していくためにホームページで市が認可した民泊の情報を掲載し、より安全に宿泊できるための情報を提供している。さらに、通報専用窓口「民泊通報・相談窓口」を開設(2016年7月12日)し、民泊のトラブルに早急に対応できるように備えている。このように着々と民泊の安全性を解決する取り組みが行われ始めているので、バックパッカーのような低予算で旅行を考える観光客も安心して宿泊できるのではないだろうか。

 現在、京都市は財政が厳しい状況である。そこで観光客の中でも富裕層をターゲットにし、京都市の税収を増やしていこうとしている。現在は観光人気都市世界1位だが、いつこの人気が落ちてくるかは分からない。そこで、さらなる観光客を集めるためにはバックパッカーの呼び込みも必要だと考える。バックパッカーの情報拡散力を利用し、世界の富裕層の観光客をさらに呼び込んでいくことで、一人一人の所得が増え、回りまわって京都市の税収も増えていく。このような正のスパイラルを回すことで京都市は財政難から脱却していけるのではないだろうか。

【参考文献】
Airbnb (2016)「京都の民宿を探すなら−現地に溶け込む旅を体験」 https://www.airbnb.jp/s/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%B8%82--%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%BA%9C/?          af=6968636&c=search_d_jpn_jpn_dom_p2_txt_irep&dclid=CPWQ2YL80s4CFcEcvAodONkDYg&s_tag=XZVzGRXd 2016年8月21日閲覧.
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うすくら(2年)

ソニーフィナンシャルホールディングスの介護事業戦略

 ウォークマンやポータブルラジオなどで一世を風靡したソニーが、生命保険、損害保険、銀行に続き、介護事業に参入した。宗像(2015)によると、ソニーが60%出資する金融持ち株会社ソニーフィナンシャルホールディングス(以下ソニーFH)は、2013年に神奈川県横浜市にあるぴあハート藤が丘という介護施設を買収し、介護事業への本格的な参入を表明した。さらに2015年に老人ホームなどを運営するゆうあいホールディングスへ資本参加し、2016年に東京都世田谷区に介護付き有料老人ホーム「ソナーレ祖師ヶ谷大蔵」をオープンしているといった形で、介護事業の拡大を進めている。

 ソニーFHは新たに展開している介護事業を生命保険、損害保険、銀行に次ぐ「第4の柱」と位置づけ、まずは10〜15年をかけ銀行事業と同等の規模にする見込みである。

 ソニーFHは新事業を展開する際に、既存事業者では出来ない古い慣習の打破を試みている。ソニーFHが行う介護事業では2つの点で新たな試みが行われている、と宗像(2015)は指摘をしている。まず一点目に、「ソニーらしい介護」として高品質、安心感を提供していること。二つ目に、介護施設に必要なケアマネージャーに加え、「ライフマネージャー」と呼ばれる役職の人材を配置することである。これは既存の介護施設にはない、入居した老人のライフプランを考える専任人材のことであり、彼らのサポートによって、入居者に対しより充実した生活を送ってもらうことが狙いとしている。

 私はソニーFHの介護事業参入に対して経営戦略の面から賛成である。賛成の理由は2点ある。まず1点目の理由は、他社にはない新たな試みを行っていることである。また、2点目の理由として、金融事業とのシナジーを生み出せることである。まず、1点目の新たな試みの点としては、ソニーFHは独自の「ライフマネージャー」という役職を配置している点である。将来何が起こるのかわからない不安と戦う入居者にとって、一般の介護施設にはケアマネージャーしかいないが、ソニーFHの介護施設に入居すればともに今後のライフプランを考え、有意義な老後人生を送るために頼るべき存在である「ライフマネージャー」がいるのである。彼らの存在によって、資産面などでも安心感をもたらすことが出来る。

 また、他社にはない新たな試みの重要なポイントとして、「ソニーらしい介護」がある。ソニーFHのHPによると、生活面においては、入居者の一人一人に合わせた居室を設計するというものである。例えばトイレやベッドの位置など身体状況に応じて入居者に合った居室を提供し、ドアは遮音性が高いなど睡眠やプライバシーにも配慮している。食事も入居者の方が時間を自由に選択でき、入浴も個浴なのか大浴場で他の方と入るのかが選択できるシステムになっている。また、入居者の方の体を配慮し、腰痛予防としてリフト等の福祉機器を導入し、「持ち上げない介護」を推進している。ケアの面においても、上記の「ライフマネージャー」に加え、看護職の24時間常駐体制を採用している。このような取り組みによって、医療依存度が高くなっても安心して長期間住み続けられる「終の住居」として、他社の介護施設よりも選択される可能性が高まるだろう。

 上記のように他の介護施設にはない高品質な製品・サービスを取り入れることで、便利さや快適さを入居者の方に提供することが出来る。これらの「ライフマネージャー」の存在や、「ソニーらしい介護」といった高品質なサービスを提供することによって、顧客の需要をしっかりと満たし、また他社との差別化が図れるのではないだろうか。
 2点目の理由として、介護事業がソニーFHの強みである金融事業とのシナジーを生み出せる、ということが挙げられる。ソニーFHのコア事業は金融である。したがって、介護事業は一見全く関係のない非関連多角化ではないか、と消費者は疑問を抱くかもしれない。しかし、介護事業は他の事業としっかりとした繋がりを持っている、と私は考える。ソニーFHが狙う顧客層は、生命保険、損害保険、銀行などの金融事業すべてに渡り富裕層である。生命文化センター(2012)によると、実際に介護を受けたことがある人の月々の介護における支出は、平均7.7万円である。それと比較し、ソニーFHが展開する「ソナーレ祖師谷大蔵」は、前払い約1500万円に加え、月々の利用料が約23万円となっている。全国の支出平均を3倍以上も上回っていることから、ソニーFHが狙う介護事業の顧客が富裕層であることが明らかであろう。従って、介護事業を展開し、ソニーFHが運営する介護施設に老人が入居した際に、入居者の方、もしくはその家族が富裕層である可能性は高い。その場合、ソニーFHとして比較的高価格帯の介護保険の加入などを、本人だけでなく家族などに対しても勧められるだろう。つまり、入居している老人だけではなくその家族に対しても、グループサービスである生保・損保の加入を勧めることが出来るのである。このように、介護事業を起点に顧客に提案する商品を増やすことが出来るので、グループ全体の売り上げを上げることにつながるのではないか。

 では、今後ソニーFHにおける介護事業の発展には何が必要か。私は、金融事業以外の事業とのシナジーの創出が必要であると考える。その中で私は、ソニーグループ全体として介護事業と美容事業のシナジーに注目した。なぜなら、松崎(2013)によると、「企業グループの最大の目的は、グループシナジーの創出であり、単体や関連のない事業の集合体ではなく、企業全体に付加価値を与える事業を連結しなければならない。」とあるからだ。一見、美容と介護はシナジーが起きないと思うかもしれない。一般に高齢者は介護施設に入居することで、美意識が低下したり美しさを保てなくなったりというイメージをもたれているが、現在では老人の家に直接出向いて散髪する訪問美容師という職業や、またそれを専門とする企業も存在する。そこで、介護施設で高齢者の美容のニーズを満たすビジネスを展開することで、介護事業と美容事業のシナジーが創出できるのではないだろうか。

 そのシナジーとは何か。それは双方の事業の需要拡大である。例えばソニーの美容事業では、小型肌測定器を製造・販売している。これはソニー本体が強みをもつ画像解析技術を用いているので、他社製品と比較し高品質であり、使い方もシンプルでわかりやすい。これをソニーFHが開設している介護施設に導入するのである。そうすることで、ソニーFHの介護施設の入居者は、毎日自分の肌が若返るのを感じることによって、楽しみを持つ事が出来るのではないだろうか。また、それを見える化することで、美しくなろうという気持ちをもち、体を動かしたりといった機能の向上にも繋がる可能性がある。このようなことで、入居者の満足度を高められるのではないだろうか。また、このような測定器を導入することによって、介護と美容という一見何の関係もないものを同時に行なう取り組みが、メディアなどの注目を浴び、ソニー自体のブランドイメージが上がり、介護や美容の認知度も向上することにつながる。そうすると、ソニー本体の美容事業の認知度も高まるので、化粧品店やエステ店といった新たなに販路を拡大することができる。これらの取り組みにより、多くのサンプルデータを蓄積することが出来るので、新たな肌測定器の開発にも役立つだろう。

 近年、介護事業に多くの企業が参入してきている。その中で、ソニーFHの介護施設をより多くの人が利用し、利益を拡大していくためには、現在取り組んでいる新たな試みや金融事業とのシナジーを求めることが必要である。しかし、更なる事業の展開のためには、グループ本体の他事業とのシナジーも創出することが求められるだろう。一般的に、うまくいかないとされる非関連多角化の中で、どうシナジーを創出するのかが、事業の成功につながる可能性を秘めている。その意味で私はソニーFHの介護事業の展開に期待したい。

参考文献
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さとう(3年)

地域における図書館の役割とは


 本、CDやDVDを貸し出しているTSUTAYAを運営しているCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が新しい形の図書館を展開している。CCCのホームページの情報によると、最初は2013年に佐賀県武雄市が、「武雄市という5万人の町に、『代官山 蔦屋書店』を持ってきてほしい」という依頼をしたことがきっかけである。さらに、2015年に神奈川県海老名市にもオープンしている。そして、山下(2015)によると、今回新たに愛知県小牧市の駅前にもツタヤ図書館を建設しようとしている。小牧市に新図書館を建設する目的として、老朽化した図書館を駅前に移転新築することで小牧市の賑わいを創出することが挙げられている。また、駅前に図書館をただ新しく建設しただけではこれまで図書館を利用してもらえなかった人々に来てもらうことができないと考え、従来のように静かに本を読む場所ではなく、お茶を飲みながら本を読んだりコミュニケーションをとったりというような、新しい図書館の使い方を提案したいと考えていた。そのため、今回CCCに指定管理者を委任したのである。しかし、2015年10月14日に小牧市で住民投票を行なったところ、建設反対が過半数を占める結果になり、CCCとの新図書館計画が事実上白紙になった。

 その要因として、市民の考えと市の意向がすれ違ってしまったことが挙げられる。日経アーキテクチュア(2016)によると、2013年4月13日に行なわれた山下市長と市民とのタウンミーティングで図書館計画については「まだ白紙である」と市長が発言していたにもかかわらず、その二週間後には、新図書館を駅前に新築し連携民間事業を公募型プロポーザルで選定する方針であることが、中日新聞によって報道された。このことがきっかけで、市長の提案は市民に強い不信感を与えることになった。そして、急ピッチに図書館計画を進める市に対しての不信感は次第に肥大化し、結果として住民投票での賛成票を十分獲得することができなかったのである。

 私も現状のまま図書館を建設することに反対である。理由は、市民の意見を十分に取り入れずに計画を進めてしまったやり方を見直すべきであるからだ。上記で触れた要因を踏まえた上でも、まずは市民が小牧市に対して抱いている不信感を払拭し、市民の意見や考えをもっと取り入れていく姿勢を市は整えるべきである。小牧市に図書館を建設した時一番利用するのは市民であり、その市民が不信を抱くような図書館を建設すべきではない。

 また、市民が抱える不安は、小牧市のやり方だけでなくCCCに指定管理者を委任することにもある。例えば、すでに運営をしているツタヤ図書館での追加で購入した書籍が古本であったことや、コアなニーズにしかないような余分な本を追加購入しているという選書問題だ。小牧市でツタヤ図書館を建設した際にも、このような問題が浮き彫りになり、小牧市の図書館のイメージが悪くなるならば、CCCに指定管理者を委任したくない、と考える市民も少なくないだろう。さらには、CCCの提案する図書館は公共施設としての役割を逸脱する恐れもある。彼らが提案する図書館は、書架が階段状にセットバックし吹き抜けるというつくりである。確かに魅力的な空間であるが、小さい子どもや体が不自由な人が本をとりづらくなり、転落や事故の原因にもなりかねない。本来、図書館は特定の市民にとってではなく、あらゆる市民にとって快適な空間とサービスを提供することを目指さなければならない。そのため、特定の人にとってよい施設であっても、それによって一部の人が不便に感じるような施設は作るべきではないと私は考える。したがって、上記のように問題や懸念点が多く生じるならば、CCCに委任する必要性がないと考える。

 しかし、山下(2015)が述べていたように、今までのやり方通り図書館をただ新しく建設しただけでは、これまで図書館を利用してもらえなかった人々を集客できず、賑わい創出につなげることができないのも確かである。また、CCC(2015)によると、すでに運営されている武雄市のツタヤ図書館は、2013年4月からの2年半ほどで図書館の来館者数は延べ200万人を超え、9月の調査では利用者の85%が「大いに満足」「満足」と回答している。このことから、CCCが提案するカフェのような居心地のよい空間やサービスのやり方は、これまで図書館に魅力を感じていなかった人々を呼び込み、新たな利用者を開拓しているのも事実である。

 ただし、新しい形の図書館を建設する際にも考慮しなければならないことは、図書館の本質的な役割であると私は考える。永浜(2016)によると、慶応大学文学部糸賀教授は、公共図書館が担う本質的役割とは利用者が問題や課題を解決し、社会的な価値を得る学びの場であると述べている。また、図書館法によると、図書館とは図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査、研究、レクリエーションに資することを目的とする施設である。つまり、地域の発展と住民の暮らしを支えるために基本的な業務を努め、住民の学びを後押しし、人々が趣味などを楽しんだり問題を解決できたりできるような情報を提供する必要がある。確かに地域の賑わい創出をするために新たな利用者を獲得しなければならないことはもちろんであるが、今まで図書館を利用していた人々が図書館から離れてしまっては意味がない。本来の図書館の役割やサービスを重視した上で、更なる利用者を獲得する努力をしていかなければならないのだ。よって、CCCのように既存の図書館から大きく飛躍する提案ではなく、本来の役割を果たした上で新たな来館者を獲得することを目指した図書館を建設すべきであると私は考える。

 その点既存の小牧市図書館は、本の収集や整理、保存などの基本的な役割をきちんと果たせていたと考える。小牧市(2006)によると、所蔵している本の内容に満足している人(61%)や本の探しやすさに満足している人(67%)は多い。このことから、利用者の満足度は比較的高いことがわかる。よって、新しい図書館を建設した際にも今まで通り基本的な業務をしっかりこなすことができれば、既存の利用者は満足すると考える。一方小牧市(2006)によると、これからの図書館がどうあって欲しいかという問いに対して、「趣味に関する知識を得る場」(40%)「教養を身につける場」(37%)「いろいろな情報の収集や発信の拠点」(36%)が上位に挙げられている。つまり、既存の小牧図書館は学びや問題解決を後押しできるような情報を提供する役割を十分に果たせていないことがわかる。これを解決するためには、上記のための情報を提供することが必要であるのではないだろうか。

 そこで私は、小牧市図書館に子育て世代に対して上記が可能になるような場や機会をつくることを提案する。小牧市の人口の変化に注目してみると、年々高齢化率が上がっていることのほかに、小牧駅周辺2キロ圏内の年齢別人口は25歳〜35歳及び0歳〜4歳つまり、子育て世代の人口比率が愛知県全体に比べて高くなっていることがわかる(小牧駅周辺整備計画作成協議会,2009)。さらに、内閣府(2015)によると、子育てをする人にとって「地域」が重要であると回答するものは、9割を占めている。その内容として、「子育ての悩みについて気軽に相談できる人や場があること」(58.1%)、「子育てをする親同士で話ができる仲間作りの場があること」(54.5%)が上位に挙がっている。これらのことからも、小牧市において人口比率が高まっている子育て世代に対して悩みや考えを共有できる場や機会を提供することで新たな来館者を獲得することができるのではないだろうか。

 ではなぜこのような場や機会が図書館に必要なのだろうか。それは、図書館自体がすでに無意識的に子育て支援を行なっているからである。一般的に図書館では子どもを対象に定期的に絵本や紙芝居を読み聞かせるおはなし会を開催していたり、児童図書以外にも育児書や子育てに役立つ書籍が所蔵されていたりと専門的知識や情報はすでに揃っているはずである。もともと図書館が行っていた子育て支援の土台を活かしたうえで、意識的に子育て世代に対する支援の場や機会を提供することができれば、彼らが抱えている問題や課題に対して図書館がいろんなアプローチの解決策を提示することができるのではないか。
 
 ただし、単発的ではなく、継続的に子育て世代に対する支援の場や機会を提供することが重要であると私は考える。例えば、保育士といったような専門家を「育児コンシェルジュ」として雇い、その人を中心に子育て世代がちょっとした悩みの相談や会話ができるコミュニケーションの機会を定期的に提供するサービスを実施する。そうすることで、一度きりの開催ではなかなか見えてこなかった子育て世代の抱えている問題を一定程度解決することができるのではないだろうか。しかし、図書館は情報を収集する面では優れているものの、人々を集客するような仕組みづくりや実施・運営に関するノウハウが足りない。だからこそ、そのような部分においては民間企業のノウハウを活用することが必要なのではないだろうか。このように、子育て世代を集客することで地域の核となるような新たな図書館をつくることができるのではないかと考える。

 新しい図書館を建設しようと奮闘した小牧市であったが、市民の意見を十分に取り入れることができず結果的にCCCの提案する新図書館は事実上白紙になってしまった。確かに、地域の賑わいを創出し、地域を盛り上げるためには今までにない図書館を提案することも一定程度必要なことかもしれない。しかし、既存の図書館に求められていた本質的な役割を疎かにしてまで変革を行なうことが果たして必要なのだろうか。むしろ、小牧市が抱えている現状を見つめ直し、どうすれば小牧市の賑わい創出に繋がるのか、目の前の問題から考え検討することが必要であると考える。小牧市に限らず、全国の図書館がその地域に密着し、市民に求められている役割が何であるか考え直し、地域の核になるような図書館を目指してほしいと私は願っている。

参考文献
CCCHP「武雄図書館」http://www.ccc.co.jp/showcase/sc_004056.html?cat=life 2015年11月18日検索
CCC (2015)「武雄市図書館・歴史資料館の利用状況について 」2016年5月16日検索
http://www.ccc.co.jp/news/pdf/20151001_ccc_takeo.pdf 
小牧駅周辺整備計画作成協議会(2009)「小牧駅周辺整備計画」2016年5月16日検索
https://www.city.komaki.aichi.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/003/330/keikaku1.pdf
小牧市(2006)「図書館に関するアンケート調査報告書」 2016年5月2日検索
http://www.city.komaki.aichi.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/016/247/sanko1-1h18anketo.pdf
小牧市(2012) 「小牧市における都市交通の問題と課題」2016年5月16日検索
https://www.city.komaki.aichi.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/003/151/03-1mondai_kadai.pdf
宮沢洋,江村英哲(2016)「『住民投票』という突然の審判 戦術にたけた反対派、建設者は『なすすべなし』」
『日経アーキテクチュア』2016/2/25,40-45.
永浜敬子(2016) 「『TUTAYA』参入で波紋…あり方が問われる新しい図書館」
『日経TRENDY』 2016/02, 134-137.
山下史守朗(2015)「『ツタヤ図書館』否決も諦めず」『日経ビジネス』 1815, 138-139.

わだ(3年)

ソイレントがより多くの顧客に受け入れられるためには

 2013年創業の米国企業ローザ・ラブスは、「ソイレント」という完全食品を販売している。完全食品とは、それだけで一食分に必要な栄養素を摂取可能な食品のことである。開発したのは同社の社長であるロブ・ラインハート氏で、自らの仕事に明け暮れた生活において食事の無駄を省こうと考えたことがきっかけであった。青木(2014)によると、彼は元々シリコンバレーの地で仕事に没頭していたが、その際食事を安く済まそうとハンバーガーやピザを食べ続けるも一週間で挫折。このことから彼は栄養について勉強し、試行錯誤の末液状完全食品ソイレントを完成させた。

 Economist(2015)によると、ソイレントはかつてニッチ市場に向けて販売されていたという。消費者の時間と金を節約するという狙いの通り、食事を用意するコストと煩わしさを嫌う仕事中毒者達や、作業を止めたくても止められない環境に置かれたビジネスパーソンがソイレントの主な購買層となり、予約待ちという状況が続いていた。しかし、2015年1月時点で2000万ドルの出資金を受けた結果、製造ラインを50倍にすることとなり、その状況も解消されてきている(Temperton, 2015)。また、ソイレントは粉末から液体へと変化したことで味と風味が改良され、現在ではアメリカの一般消費者にまで受け入れられ始めている(Mims, 2015) 。つまり、かつてニッチなものであったローザ・ラブス社の獲得している市場は、今日一般消費者にまで広がったのである。

 しかし、ローザ・ラブス社の市場における期待を踏まえると、ソイレントの現状の受け入れられ方はまだまだ不充分であると私は考える。なぜならば、同社存続のためのリスクヘッジを考えなければならないためである。現在は順調なローザ・ラブス社であるが、他の競合企業がいつ追随してくるかわからない。そこで、よりアメリカの一般消費者にソイレントを受け入れてもらうために、彼らに対し新たなアプローチをかけることが必要であると私は考える。

 では、どのようなアプローチをかければアメリカの一般消費者によりソイレントを受け入れてもらえるだろうか。私は、ソイレントを非常食として売り込むことを提案したい。ソイレント2.0が非常食に適する理由は2点ある。1点目は、栄養を過不足なく摂れることである。災害発生から物資や炊き出しを手にするまでに3日かかるとして、その間たんぱく質や脂質以外の栄養素が摂れないことは健康上非常に望ましくない。体力や気力の面でも、健康な食事をとることは大切である。ソイレントは1本(約400ml)で一食分の栄養素を補うことが可能であるため、誰でも簡単に栄養補給ができる。

 2点目は、道具などを用いず容易に摂取できることである。現在販売されている非常食の中には、水を入れて調理しなければならないものや缶切りを用いて開封しなければならないものが数多くある。しかし突然の災害に見舞われてしまったら、これらの非常食が使えなくなってしまう可能性も低くない。水を持ち出せず缶切りを用意できなかったとしても、ソイレント2.0はキャップをあけるだけで栄養を摂取することができるため、災害時において効果的であると私は考える。

 このように、ソイレントを非常食として販売していくことはその完全食品という特徴を活かすことができる。また、非常食として販売したとしても、新たな製品改良は必要ないためローザ・ラブス社にとってもコスト面の負担は大きくない。先程挙げた他の競合製品にはない特徴を活かし、非常食として販売していくことで、ソイレントは現在より多くの顧客に受け入れられるのではないだろうか。

【参考文献】
青木薫 (2014) 「完全食品ソイレントが突きつけるもの 」『現代ビジネス』講談社 2015年 10月13日 閲覧 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40076
lchistoper Mims (2015) The End of Food Is Here, Finally http://www.wsj.com/articles/the-end-of-food-is-here-finally-1454302860 2016年3月7日 閲覧
James Temperton (2015) Soylent just raised $20 million The Wall Street Journal http://www.wired.co.uk/news/archive/2015-01/15/soylent-funding 2016年3月7日 閲覧
Rosa Labs, LLC (2015) soylent.com -free your body- https://www.soylent.com/ 2015年10月13日 閲覧
The Economist (2015) Food technology Liquid lunch http://www.economist.com/news/business/21665068-startup-called-soylent-wants-change-way-people-consume-calories-liquid-lunch?fsrc=scn/fb/wl/pe/st/liquidlunch 2015年10月13日閲覧参照, 訳 日経ビジネス (2015) 「注目浴びる完全食品―ソイレント」『日経ビジネス』 1809,124.

いたがき(3年)

メキシコの新車にインセンティブを

 篠原(2015)によると、世界の各自動車メーカーによるメキシコへの工場進出が増加している。トヨタ自動車は、約10億ドル(約1200億円)を投じて、年20万台を生産できる規模の工場建設を予定している。なぜメキシコにおいて自動車産業の集積が加速しているのであろうか。篠原(2015)によると、その理由は2つ存在する。1つ目は、自動車における世界最大の市場である米国に隣接しているという地理的なメリットである。米国とは陸続きであるため、航路だけではなく、鉄道やトラックといった陸路による自動車輸送も可能である。そのため、アジアやヨーロッパなどの他地域から輸入する場合に比べて、輸送日数を圧倒的に短くできるのだ。2つ目は、安価な労働力の獲得が容易であることだ。メキシコは製造業労働コストが非常に低い。ブラジルの半分程度であり、ハンガリーやポーランドなどの東欧諸国をも下回る。また賃金の上昇率も低く、上昇しても国内のインフレ分程度のものである。IMF(2015)によると、2000年代に入りメキシコのインフレ率は安定していて、2015年のインフレ率は2.5%であった。そして、労働者の平均年齢が29.9歳と若年労働力が豊富なことも魅力である。

 このように、メキシコは自動車の生産国として最適な国の一つであり、今後も大幅な成長が予想されているが、私がこの記事で注目したことは、自動車産業の集積が加速しているにも関わらずメキシコ国内における新車販売台数が少ないことである。Asociación Mexicana de la Industria Automotríz(2015)によると、2014年のメキシコの自動車生産台数は322万台であり、そのうちの265万台が北米・アジア地域に輸出された。つまり国内向けの生産台数は20%未満に過ぎない。このことから、自動車工場の進出はあくまでも北米市場をカバーするための輸出拠点という位置付けが鮮明であることがわかる。

 外務省(2015)によると、メキシコの人口は1億2233万人と日本の人口に迫る勢いである。着実な成長を遂げているにも関わらず、なぜ自動車メーカー各社はメキシコを一大市場と位置付けないのであろうか。その原因の一つは所得格差であると考えた。

 ここで、メキシコの社会階級構造に着目してみよう。苑(2009)は、「メキシコ社会の階級構造をみると、5%が上流階級、30%が中流階級、60%以上が下流階級となっており上流階級がメキシコの経済を牛耳っている」と述べている。また、OECD(2015)によると、メキシコの最低賃金は62Pesos/日(日本円で500円程度)でありOECD諸国の中でも格段に低い水準である。このため、いくら働いても下流階級にとどまったままになってしまうのだ。そのような階級層が果たして新車を購入することは可能なのであろうか。

 日産自動車がメキシコで販売している大衆車「ツル」の新車販売価格はおよそ80万円(日産自動車HPより)ほどである。対して、「ツル」の中古車は20万〜40万円ほどで取引されている。このことから下流階級の人々にとって、新車の購入は難しく、中古車を購入することがやっとの状況であることがわかる。しかし、所得格差の是正を行ったとしても新車販売台数の増加は難しい。なぜなら、メキシコにはアメリカから大量の中古車が流入してくるという問題があるからである。メキシコの中古車サイトを見てみると、比較的年式が新しい車種も、かなりの低価格で売られているため、わざわざ新車を買う必要がない状況なのである。日本自動車工業会(2013)によると、メキシコにおける2012年の新車台数が98万7,747台であったのに対して、中古車販売台数は45万8,114台に上っており、これに対して新車市場の関係者からは市場を圧迫しているという警戒の声があがっている。

 そこで、新車の販売台数を増加させるためにはどうすれば良いのであろうか。私はメキシコにおいて日本のような車検制度を導入し、製造から経過した年数に応じて車検頻度を増加させていくことを提案する。例えば、製造から10年未満は2年に1回、10年以上は1年に1回などというような規則を制定する。新車を購入すれば、製造年数は0から始まるので車検頻度も高くない。しかし、中古車を購入した場合、その車が製造から10年が経過していれば年に1回の車検義務が発生するという仕組みである。この政策を導入することで、中古車所有に対する負担を重くし、新車購入のインセンティブ向上を図ることができる。

 しかし、これらの方法には課題点も存在する。それは中古車への負担が増加したことにより、中古車しか手が出せない下流階級の人々は自動車の所有自体が困難になることである。上記の提案は、販売価格や維持費などのトータルコストの乖離を防ぐものであり、所有そのものを阻害することとなれば本末転倒になりかねない。この課題を解決するためにも、車検費用は一律に定めるのではなく、所得水準に応じて累進的に徴収する必要があると考える。つまり低所得者には安価に、高所得者には比較的高い車検費用を負担させるということだ。このような仕組みを構築できれば、中古車を使用している低所得者に対しても一定の負担をかけ、将来的な新車購入に対するインセンティブを付与することができる。また、これまで新車を購入し続けてきた高所得者に対しても、車検費用の増加は短いサイクルでの新車購入を促進するのではないだろうか。

 加えて、上記のような車検の実施は、単に新車購入のみを目的とするものではない。これはメキシコ国内で問題化している交通環境の向上にもつながるものである。日本の法律では通常、自動車は2年に1回車検を受けることが義務付けられており、エンジンルームや灯火類などについて保安基準に沿った検査が行われる。車検を受けなければ無車検車運行と判断され、道路運送車両法の規定により6ヶ月の以下の懲役または30万円以下の罰金という厳しい罰則がある。一方でメキシコには車検は存在しない。自動車の検査といえば排気ガスの検査くらいであり、これも忠実に行われているかは不透明である。そのため、耐用年数を大幅に超えた自動車や整備不良の自動車が町中を走っているという状況が必然的に作り出されている。このままの状況では、交通事故の増加や排気ガスによる大気汚染の深刻化が拡大してしまう。車検を義務化することで、走行可能と認められた自動車だけを公道で走らせることが可能となり、交通環境の向上にもつながるのではないか。

 メキシコは自動車工場の集積によって急成長を遂げてきた。しかし、その工場で作られたはずの新車のほとんどは国外向けのものである。肝心の国内市場で強い地位を保っているものは中古車であり、新車販売に対して大きな弊害をもたらしていることは確かである。
よってこのような状況を改善するためには、新車購入に対するインセンティブを車検という仕組みで付与していくことで、国内新車販売台数を増加させていくことが必要である。この取組みにより単に新車購入を促進することだけではなく、メキシコ国内の交通環境を改善し、所得による新車保有の差をも埋めていくことが可能なのではないだろうか。


【参考文献】
Asociación Mexicana de la Industria Automotríz (2015)「VENTA AL PUBLICO」http://www.amia.com.mx/ventasp.html 2015年11月19日閲覧
International Monetary Fund(2015)「World Economic Outlook Databases」http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2015/02/weodata/index.aspx 2015年11月26日閲覧
外務省(2015)「メキシコ合衆国 基礎データ」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/mexico/data.html 2015年11月12日閲覧
OECD(2015)「Focus on Minimum Wages after the crisis 」 www.oecd.org/.../Focus-on-Minimum-Wages-after-the-crisis-2015.pdf 2015年12月10日閲覧
篠原匡(2015)「仮面国家 メキシコ」『日経ビジネス』1812, 26-37.
総務省統計局(2015)「人口推計(平成27年(2015年)5月確定値,平成27年10月概算値)」http://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.htm 2015年11月12日閲覧
日本自動車工業会(2014)「メキシコの自動車産業政策と市場」『JAMAGAZINE』2014.August#48,2-23 2015年11月19日閲覧
日産自動車HP(2016)http://nissan.com.mx/promociones/tsuru/?utm_source=PromocionTsuru&utm_medium=PromocionesDesdeHome&utm_term=PromoTsuruDesdeHome&utm_campaign=PromocionesTsuru 2016年1月14日閲覧
苑志佳(2009)「連載 フィールド・アイ メキシコからー」『日本労働研究雑誌』.592 112-113 http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2009/11/pdf/112-113.pdf 
2015年11月19日閲覧



 ささき(3年)

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