起業の科学 Chapter3-1

【要約】
 
 本章では、プロダクトやサービスのプロトタイプを作成し、インタビューなどでカスタマーが痛みを感じる課題を解決できるかを検証していく手順を紹介している。

 まず初めにプロトタイプカンバンを使用して、ペルソナとカスタマージャーニーの検証結果を踏まえたソリューション仮説を磨きこんでいく。このプロトタイプカンバンを使用することで、ヽ悗咾筝‐撻廛蹈札垢明確になりメンバー間のコミュニケーションが活性化する、適切なタイミングでカスタマーからのフィードバックを得るプロセスを担保する、ボトルネックの部分がわかり適切にリソース配分ができる、といった3つのメリットを享受することができる。
 
 次にカンバンボードを使用して課題を設定し、価値提案・ソリューションを考えていく。そしてソリューションを実現するためのフィーチャー(構成要素)をいくつか挙げて、それが本当にカスタマーの課題を解決できるかどうかを問うインタビューを行う。このインタビューでは対象者に、「Must-have」、「Nice-to-have」、「Don’t need」の3段階に分けて評価をしてもらい、それを基にフィーチャーの順位付けを行っていく。
 
 インタビューで実装すべきMust-haveのフィーチャーがわかったところで、UXブループリントを作成していく。まず初めにエレベーターピッチを作る。これを作ることで課題とその解決方法、他のサービスとの異なる点をカスタマーにプレゼンできるようにしておく。またエレベーターピッチを作ることで、自分たちのやろうとしていることを明確にすること、チームの意識をカスタマーに向けること、核心を捉えることを可能にする。このようなソリューションインタビューやエレベーターピッチで頭を整理し、Must-haveのフィーチャーを基にUXブループリントを作っていく。ここで重要となるのが、UX全体を想定することである。たとえ優れたビジネスモデルであっても顧客を定着させるには、利用前と利用後までの包括的なUXが必要なのである。


【ディスカッション】
 
 P143の図3-1-2によると、失敗するスタートアップはプロダクトの検証が終わる前にプロダクトを最適化してしまうと言われていた。ここでいう最適化とは、プロダクトの製造コストやサービスのコストを下げたり、Nice-to-haveの機能を加えることでプロダクトの制度を高めることである。この段階の最適化に価値がないとは言えないが、まだプロダクトの検証が済んでいない段階で最適化をしてしまうのは早すぎるだろう。しかし、本章では最適化をしてしまう理由については書かれていない。ではなぜ失敗するスタートアップはプロダクトの検証が終わる前に最適化をしてしまうのかをディスカッションポイントとした。
 
 ディスカッションの流れとしては、まず各々が考える最適化に走ってしまう原因を述べてもらい、その中で最も最適化をしてしまうと考えられる原因を一つに絞り、その解決策を述べてもらった。意見としては、最適化をしないとそのプロダクトが売れない、先走って最適化をしてしまう、起業家は確証バイアスが強いため我流で進めてしまう、もうすでにプロダクトの検証が終わったと思い込んでしまっている、カスタマーの本当のニーズを把握せずに進めてしまうといったものが挙げられた。この中で最も最適化をしてしまう原因を、最適化をしないとそのプロダクトが売れないという意見とした。そもそもMust-haveのフィーチャーだけでは魅力がなく、Nice-to-haveを加えて最適化をしないとカスタマーに必要とされないと考えてしまうのだ。そしてその解決方法としては、カスタマーにインタビューをしてそのプロダクトにつけるMust-haveとNice-to-haveを見極めるしかないという意見が挙がった。つまり、スタートアップ自身が最適化をしないと売れないと考えてしまっているだけなので、無駄に要素を付ける前にインタビューで本当に必要なものを聞き出し、まずプロトタイプを出すということを心がけるべきなのである。
 
 今回のディスカッションでは「誰目線でどのような状況なのか」という部分で前提があやふやとなってしまい、個々人の価値観で意見を述べてもらう結果となってしまった。そのため、最も最適化をしてしまう原因に個人差が出てしまい、全体での意見の統一が困難となった。しかし、今回のディスカッションによって、何かを提案する際に先にあれこれ要素を盛り込むのではなく、まず自分たちのプロダクトが本当に必要とされているものなのかを検証する大切さを理解することができた。この先、誰かに向けて何かを提案するということがあれば、是非活用してもらいたい。

やくら(3年)

起業の科学 Chapter2


【要約】
 前章でリーンキャンバスを用いた課題仮説を練り上げた。そこで。本章ではカスタマーとの課題の一致を目的に、課題仮説を磨き上げる方法を紹介している。
 
前の章で作り出したPlan Aはあくまでユーザーと話す前の「仮説」である。そのため、課題を磨きこむ必要がある。実際に、失敗したスタートアップの74%は課題の検証を十分に行わずにいきなりプロダクト開発を行っていた。これが、プレマチュア・スケーリングと言われるスタートアップが死んでしまう一番の理由なのである。このような重要であるはずの課題の検証をスキップする原因の一つに思考のバイアス、思い込みがある。これは誰にもあることだが起業家は特に確証バイアスが強い人が多い。そこで、この思い込みの罠にはまらないために自分自身が物事や課題をどう認識しているかについて客観的にとらえ、それを可視化・言語化する「メタ認知」の視点が必要になる。自分の考え方を可視化・言語化するツールとして、ペルソナ分析・カスタマージャーニーなどいくつかの方法を本章で取り上げている。

 課題を検証するときの最初のステップは、マーケティングの定石であるペルソナの想定だ。このペルソナを想定する3つの目的があり、1つ目がプロダクトの設計プロセスを人間中心、課題中心にするためである。2つ目に、特定の人に刺さるサービスを考えていくアプローチを取ることで、スタートアップが陥りがちな「あらゆる人に気に入られなくてはいけない」という無駄な考えを拭い去るため。3つ目に、チーム内でイメージを共有するためだ。そして、このペルソナ像をさらに深堀する時に使えるのがエンパシーマップである。これは、対象となるペルソナの心理状態を深堀する時に活用できるフレームワークである。しかし、ペルソナやエンパシーマップを使っても、ペルソナのみだと柔軟すぎることがある。そこで、それを回避し、よりリアルなカスタマー像を浮かび上がらせるためにはカスタマージャーニーを考えてみることが重要である。カスタマージャーニーとは、現在カスタマーがどのような心理状態でどのようなステップを踏み、ある行為を完遂しようとしているのかをカスタマーの動きに沿って明らかにしていくものである。

 ここまでで、課題仮説はより臨場感あふれるものになってきた。この見えてきた課題仮説をさらに深堀する手段として「ジャベリンボード」が薦められている。ジャベリンボードはカスタマージャーニーで出てきた複数の課題をどの課題の痛みが強いのか、代替案は役に立たないのかなど要素を絞り込むものである。そして、これらによって検証すべき前提条件が洗い出され言語されてきたら、カスタマーと直接対話することになる。その時には、どのようにインタビューの相手はどう選定すればよいのだろうか。そこで薦められているのが「エバンジェリスト」や「アーリーアダプター」と呼ばれる、流行に敏感な人達である。実際にこのような人たちにコンタクトすることが出来たら、インタビューに移る。その際の心得として5つのポイントが述べられている。
 そして、このインタビュー結果をベースにして課題の真因を言語化する手段として有効なのがKJ法である。KJ法では、インタビュー内容を分析して、建前やリップサービスなどのノイズの奥から本音、潜在的課題、現象の裏側にある真因を引き出せるかがフォーカスである。


【ディスカッション】

 本書P130にあるプロダクトの全体設計を受け持つファウンダー自ら、カスタマーの本当に欲しいものが何かを深く知っていることが、大企業に対するスタートアップの最大の競争優位性になると述べられている。
しかし、私達はスタートアップの最大の競争優位性は他のところにあるのではないかと考え、ゼミ生が考える大企業に対するスタートアップの最大の競争優位性は何かについてディスカッションした。

 まず挙がった意見としては、本書で述べられていることこそが最大の競争優位であるという意見である。実際大企業でもカスタマーが本当に欲しいものを知っているが、スタートアップの場合、その情報をファウンダー自らが持っているため、直接製品に活かすことが出来る。もしくは、大企業の場合知っている情報は、N数だけ多い情報で、実際にインタビューまでは行っていなくて、そこまで深い情報を得ようとしてはいないのではないかという意見だった。

 しかし、当初考えていたように本書で述べられている競争優位以外にも様々な意見が挙がった。多く挙がったのが、組織の小ささからくるものだった。組織が軽い分、意思決定のスピードが速くなることや、組織が小さい分、情報の共有がしやすいなどである。その他にも自分がやりたいことを持っている人が集まるためパワーをもって仕事をすることが出来ること、ステークホルダーが少ない分、しがらみがないので様々なことに挑戦することが出来るなどの意見が挙がった。しかし、競争優位はもちろん1つではないため、それぞれの考え方が挙がり、最大という1つに集約することは出来なかったが、課題検証の点においては本書で述べられている意見が最大の競争優位性になるのではないかと結論付けた。

つばき(4年)

起業の科学 Chapter 1-4 PlanA (最善の仮説)を作成する

[要約]
1.リーンキャンバスの書き方
 前回までの章では、主にアイデアをブレストするときのヒントになるものが書かれていたが、本章ではそのアイデアを形にしてく方法が述べられていた。
 アイデアを形にしていく方法の一つとして、事業計画書が存在する。基本的にはこれが使われているが、作成するための時間がかかりすぎるため、スタートアップ企業には向いていないと筆者は述べている。そこで推奨しているのが「リーンキャンバス」である。「リーンキャンバス」はホワイトボード一枚で10分程度で完成させることができる。
 「リーンキャンバス」とは、アッシュ・マウリャ氏が著書の『Running Lean』で提唱していたスタートアップのビジネスモデルをビジュアル化するためのツールのことである。これに近いものとして、ビジネスモデルキャンバスというものが存在する。しかし、これはリソースがある大企業が新規事業を検討するときに、最適なフレームワークのため、スタートアップには不適切であるという。ちなみに「Lean」とは無駄のないという意味があり、そのようなスタートアップにとってはあまり関係のないリソースの部分を削り、⑴カスタマー⑵課題⑶プロダクトという、スタートアップにとって重要な部分に焦点を当てて作られたのが「リーンキャンバス」である。
 「リーンキャンバス」は9つのブロック(_歛雖顧客セグメントF伴の価値提案ぅ愁螢紂璽轡腑鶚ゥ船礇優覘収益の流れД灰好塙渋き┝舁彁愽賢圧倒的な優位性)に分けられており、それぞれの項目をうめていく。誰のどんな課題を解決するのか、ということがスタートアップの土台になるため、〜をしっかり考えるべきであり、それ以外は〜が変わることでガラリと変化することがあるので、そこまで深掘りする必要はないという。
 近年はAirbnbやメルカリなどのツーサイデッド・マーケット市場が拡大してきている。供給サイドと需要サイドにカスタマーがいるビジネス市場であるため、供給側が増えれば需要側が増え、需要側が増えると供給側が増えるというサイクルになっている。そのため、両者にとって高いバリューを提供する必要がある。なので、供給側と需要側の二つにわけてリーンキャンバスを書き込む必要があるという。

2.リーンスタートアップ型モデル
 代表的な二つのビジネスモデルがある。
 一つはウォーターフォール型モデルである。これはプロダクトの要件を最初に磨き込んで仕様書通りにリリースするモデルである。そのため、時間がかかり、学習タイミングが遅くなることや使わない機能が発生する可能性がある。
 もう一つは、リーンスタートアップ型モデルである。これは、プロダクトの完成形を作らず、検証目的の最小限のプロダクトをリリースするモデルである。早い段階からカスタマーのフィードバックを得られるため、顧客目線で軌道修正を行うことができ、早い段階での学習をすることができる。近年、プロダクトの移り変わりが早くなってきたので有効な手段であるという。

3.ピボッドの重要性と留意点
 ピポッドとは、「ビジョンを変えずに戦略を変えること」である。ピポッドを行うことは、スタートアップ全体の方向転換にあたる非常にインパクトのある行動である。そのため、メンバーの納得感がないまま、ピポッドを行うと組織崩壊につながる可能性がある。また、ピポッドは積み上げてきたものを捨て去る行為なので、時間も資金もないスタートアップが気軽に行うべきではない。
 このようなことにならないためにも「リーンキャンバス」を使用すべきだという。リーンキャンバウを使い、見える化することでメンバー内でブレストし、みんなが納得するビジネスモデルを構築していくべきである。
 しかし、ピポッドしていいのはあくまで戦略だけであり、ビジョンをピポッドしてはいけない。ビジョンをピポッドしてしまうと全く違う企業になってしまうし、自分ごとから離れていってしまうからである。
 スタートアップ企業がPMFを達成するまでの道のりはかなり険しいという。それは資金が尽きるまでにピポッドを繰り返し行い、軌道に乗せなければならないからである。「スタートップは”Hard Things”の連続であり、”Hard Way”を歩んだものだけが成功する」というベン・ホロウィッツの言葉通り、スタートアップ企業は険しい道を乗り越えていかなければならないのである。

[ディスカッション]
 本章で取り上げられているリーンスタートアップ型モデルが提唱されたのは、2008年である。この時期と比べると大きく外部環境の変化が起こったと考えられる。
 そうすることで、リーンスタートアップ型モデルに対する否定的な意見も見受けられるようになってきた。それでもなお、本書で取り上げられていたり、企業に使われている実態がある。
 しかし、これは代替案がないため使われているのではないかと考えた。
 そこで、『その欠点を企業はどのように対応して、利用しているのか?』ということを議題に今回はディスカッションを行った。

 まずは、みんなに欠点だと思うことを挙げてもらい、それにどのように対応しているのだろうかということを議論していった。
 まず挙がった欠点として、最小限でも早く市場に商品を出すためプロダクトの情報が漏れてしまい、模倣される可能性があるのではないか?という欠点が挙がった。これに対応するために企業は、口止め料を払うや特許を取るという対応策が挙がった。資金が少ないスタートアップが口止め料を支払うだけの余裕がないので、大企業にとっては有効な策であるのではないかと議論された。特許を取るということに関しては、両者にとって有効的な対応策なのではないかとなった。
 次にニーズが多様化してきたため、フィードバックをもらったときにどの課題が本質的な課題なのかを判断するのが難しくなっているのではないかという意見が出た。それに対して、企業はアーリーアダプターに聞くこと、自分たちがターゲットにしようと考えている層にアプローチする、AIに学習させて検証を行う、という意見が挙がった。AIに学習させて検証を行うというのは、技術が発達してきた現代だからこそできる対応策であり、ユニークな意見が挙がった。
 次に大企業に関しての欠点として、未完成品を出すことでブランドイメージが傷つく可能性があるのでは?という意見が挙がった。これに対して、大企業はウォーターフォール型モデルを使うべきではないか、ペルソナ像をしっかりと想定し、そこの課題を解決できるような商品を作る、自社の名前を使わずに他の会社に作ってもらうorそういう会社を作る、という意見が挙がった。実際に様々な大手企業が自社の名前を隠しPBを作るなどの策を利用しているため、有効的な対応策なのではないかとなった。
 最後に近年はSNSが広まり簡単に情報が拡散される時代になったため、スタートアップにとっては未完成な商品を出すことで、企業の第一印象が悪くなってしまうのでは?という意見が挙がった。これに対して企業は、逆に改善された時も情報が拡散されやすいのでイメージアップにつながるのではないか、逆に炎上することを狙って少しでも注目してもらうことを狙っている企業もあるのではないかということが挙げられた。

 2008年と比べると、SNSやAIなどの技術が発展し、それを含んだ意見が多く挙げられた。AIを使って検証させることや、SNSを逆に利用し戦略を考えることなどユニークな意見も多く見受けられた。
 ここ10年で外部環境が大きく変化し、企業の取り巻く環境が変化してきた。そうすることで、より、プロダクトの変化も激しくなってきたのではないか。従来通りのやり方では乗り遅れてしまう企業も多く出てくると考えられる。しっかりと、時代の流れを読むことが大切であり、リーンスタートアップ型モデルで学習をいち早く行い、検証を繰り返すことの重要性が、より一層感じられる議論となった。
 今後、SNSなどの外部環境を含めたリーンスタートアップ型モデルに代わる、新たなモデルが提唱されていくのではないか。

うすくら(4年)

起業の科学 Chapter1-3


【要約】
本章ではスタートアップの肝でもあるアイデアの蓋然性を検証する方法を紹介している。つまり、自分がやろうとしているアイデアが、自分の人生を懸けてまで取り組むに値するかに判断を下すということだ。その判断において、なぜ今やるのかが非常に大切であると述べている。市場は常に変化するため、自分のアイデアが“今”受け入れられるのかを検証する必要がある。ベストなタイミングを見つける方法の1つとして、プロダクトの進化が止まっている領域を探すことが良いという。進化がとまっている原因は規制であるかもしれないし、市場がリーダーによって寡占されている場合など様々であるが、いずれにせよプロダクトの進化が止まっている領域に、その市場を再定義できるようなアイデアを投入することが有効な方法であると述べている。
 
この例のように市場の流れを読むことで自らのアイデアの蓋然性を検証することができる。このように市場の流れを読む際には、ミクロな視点ではなくまずマクロな視点で全体像を見る必要がある。そのために本書ではPEST分析が紹介されている。PEST分析とは4つの項目の頭文字をとっていて、それぞれP=politics(政治)、E=Economy(経済)、S=society(社会)、T=Technology(技術)である。政治について、法律や政治、規制の動きによってチャンスが到来することがある。例えば、一般住宅での旅行者宿泊を認める法案が2018年に施行される見通しだが、これは民泊事業関連のスタートアップには追い風である。経済について、アメリカの富裕層と貧困層の平均所得の格差拡大が進む中、貧困層を対象にした教育サービスなど、経済的な変化にもチャンスは隠れている。社会について、最近の健康志向などがまさにそれだろう。人々の嗜好の変化に合わせたアイデアが受け入れられるのだ。技術について、インターネットやスマートフォンがそうであったように、この先のテクノロジーの変化にもスタートアップのチャンスがある。技術の流れを把握したい場合は、『<インターネット>の次に来るもの 未来を決める12の法則』をぜひ参照して頂きたい。このようにPEST分析によってアイデアの蓋然性を検証することができる。
 
次にスタートアップのアイデアを検証する際、大企業と競争にならない事を確認しておきたい。大企業の戦う市場は競争が激しく、毎年、各社前年度の自社製品や他社製品を超えるべく活動している。そのため、大企業は持続的なイノベーションを行っているといえる。しかし、リソースで劣るスタートアップが持続的なイノベーションの中で戦うことは自殺行為である。スタートアップは、持続的イノベーションを壊す破壊的なイノベーションを起こさなくてはならない。破壊的なイノベーションに繋がる市場は、小さい場合やまだ誰も気づいていない可能性が高いが市場の成長性は高く、これをスタートアップが「組織の中心」に据えた組織デザインができれば、対企業に勝つための数少ない強みになる。
 
以上のようにアイデアの蓋然性を検証するには、まずアイデアが市場の流れを読んだ結果のものであるか。そして、大企業の持続的イノベーションを壊す破壊的イノベーションになりうるかを検討する必要があることを学んだ。


【ディスカッション】
なぜ、イノベーションのジレンマの概念を知っていても大企業は過剰機能を付け続けるのかというテーマで議論を行った。要約で大企業は持続的イノベーションを行っていると述べたが、時にそのイノベーションが顧客の求めるニーズを超え、行き過ぎたものになる場合がある。大企業自身もそのことにはうすうす気がついているが持続的イノベーションから抜けることができないといい、これをイノベーションのジレンマと呼ぶ。では、なぜ大企業は持続的イノベーションから抜け出すことができないのか、という問題意識のもと上記のテーマで議論をするにいたった。

 まず、挙がった意見として競争優位のためという意見があった。大企業の戦う市場は市場規模も大きく市場の成長性も高いため、新しいものを出していかないと他社にシェアを奪われてしまう。そのため、前年より新しい機能やスペックで製品を開発し、それが結果として持続的イノベーションから抜け出せない要因ではないかということだ。他の意見として、持続的イノベーションを続ける中で破壊的イノベーションが生まれることを期待して、持続的イノベーションを続けているのではないかという意見があった。持続的にイノベーションを続けることで、実はその市場を再定義するような破壊的なイノベーションを引き起こすことを期待しているという。また、持続的イノベーションを行う市場は、企業にとって金のなる木であるために、他の事業に資金を回すためにも持続的イノベーションから抜け出すことができないのではないかという意見であった。また、技術者は自分たちが前年に開発した製品より低いスペックのものを市場に出すことに抵抗があるのではないかという意見もあった。これは、単純に自分たちが前年に開発できたものより低いスペックのものを開発することに抵抗があるのではないかという考えや、大企業ゆえに組織が縦割りに分断されていて、各部門ごとで利益を上げなくてはならない中、前年よりスペックの落ちたものを市場に投入して利益が落ちてしまった、なんてことはできるわけがないという意見もあった。これらの理由から、持続的にイノベーションを行うことに目線が向いてしまいニーズを反映できていないや、うすうす持続的イノベーションの限界に気がつきながらも続けてしまうのではないかという意見が挙げられた。

 議論はおおよそ以上の3つの意見に大別できた。これらをまとめると、大企業はその大きな組織をまとめるために、組織を分断する必要がある。その分断によって、大企業に所属する人々は組織全体ではなく自分の所属する小組織の目線から、利益、ステークホルダー、外部環境を考えるという状況に陥ってしまい、結果的には持続的にイノベーションを続けるという意思決定をとるという結論が導き出せたと考える。この結論はリアルだと感じていて、例えば自分が部を任される管理者であった場合、部が成績を落とすことに抵抗を感じるだろう。したがって、前年の自分たち、競合他社よりもいいもの、いい営業、いい企画など様々な面で持続的な改善を行ってしまうのではないか。このように考えるのもすべて、自分が“部”という縦割りされた組織を任されているからだ。正直、自分が末端の若手営業マンであれば、新しいことに挑戦し仕事に対して自分の色身を出したいと考えるが、大企業という組織の構造上、その縦割り組織のうちの1つを任されれば話は違う。本書で言われている通り、大企業が90点を取るための選択をするのと同様に、大企業の小組織である部においても90点を取る選択をすると思う。これが、大企業がイノベーションのジレンマの概念を知っていても過剰機能を付け続けてまう原因であると私たちは考えた。


ちば(4年)

起業の科学 Chapter 1

 本書では、スタートアップについて述べられている。スタートアップが成功する基準として、PMFがあり、スタートアップが成功するにはPMFの達成が鍵となる。しかし、多くのスタートアップはプロダクトを作る段階でアイデアが十分に検証されていため、失敗するケースが多い。そのような事態に陥らないためには、課題の質を高めて自分たちのアイデアが市場から求められているものなのかを検証することが重要であると筆者は述べている。課題の質を決める要素として、ファウンダー自身が高い専門性や業界の知識、市場の変化に対する理解度を持っていることが求められる。また、ターゲットとする課題が「自分ごと」であることも求められる。

 誰が聞いても良いアイデアは避けるべきだと筆者は主張している。誰が聞いてもいいアイデアは大企業が好むものであり、スタートアップがその市場で勝負するのは得策ではないと主張している。スタートアップは言語化して人に伝えられないような課題のほうが好まれる。近年では、ITの進歩で、マーケットのパラダイムシフトが高速化していることやビックデータとスマホの普及によって、ユーザーのサービスに対するロイヤルティールーブが極端に高速化していることなどの理由からクレージーなアイデアが求められている。

 スタートアップとスモールビジネスの違いについて本章では述べられている。「起業=スタートアップ」というイメージがついていることに異議を主張している。スタートアップとスモールビジネスを成長方法やターゲットの市場規模、スケールへの姿勢、ステークホルダー、対応可能市場、イノベーションの手法の項目別に比較している。スタートアップはPMFを達成すると一般企業に成長するため組織が再構築されていく。永遠にスタートアップであり続けることは理論的にはありえないと主張している。スタートアップは一般企業では良しとされていることがスタートアップに良くないとされていることがある。またスタートアップには忘れ去るべき常識がある。100点満点の解答用紙正しい答えを埋めようとすることや上司に上手く報告するゲーム、多くの人から好かれようとすることなど述べられている。

【ディスカッション】
「日本でキャッシュレス化を流行らせるためにはどうしたらいいか」ということをテーマに行いました。最初に、日本でキャッシュレス決済が流行らない理由を述べてもらい、その中で最も大学生が使わない理由を用いて、その理由を解決できる提案をディスカッションをしました。大学生の選定理由は、課題のセグメントを明確にしないと広すぎるため、自身が大学生で全員の考えが一致しやすいと判断したため今回は断定しました。
キャッシュレス化が流行らない理由として、様々な意見が挙がった。現金主義が根付いていることや、複数人で飲食店に行った際に割り勘で支払うことが多くクレジットカードや電子マネーではできなくて不便なこと、日本はATMが全国の至る所にあり、現金がなくてもすぐに引き出して使えるのでキャッシュレス決済を利用する必要がないこと、現金で支払った際にはお金を支払ったと感じるが、キャッシュレス決済を利用した場合お金を使用した感覚がないこと、請求に追われるのが嫌なこと、キャッシュレス決済の利便性を理解していないため使おうとは思わないからなどの意見が挙がった。
次に、上記で挙がった意見に対して最も大学生が使わない理由を選定しました。ここでは多数決を取り決めました。使った感覚がなく使い過ぎてしまうことを恐れて使えないことと、請求に追われるような生活はしたくないからと言った理由が中野ゼミでは当てはまった。
最後に、上記の大学生がキャッシュレス決済を使用しない課題を解決するために、両者もしくは片方の課題に対して解決できるサービスや仕組みを考えました。挙がった意見として、上限金額を3万円などの低い設定にし、使い過ぎを防止する。キャッシュレス決済をしたときにラインに通知がすぐ来るようにする。クレジットカードのような後払いではなくデビットカードを普及させる。デビッドカードの場合、大学と提携して学生証をデビッドカードと普及させて学食や生協、コンビニなどの支払いを出来るような仕組みを構築するといいのではないかという意見が出ました。しかし、デビッドカードでは口座にある分しか使えないため、好ましくないという意見も出た。その中で、学生の間は使い放題で社会人になったら支払えるようなカードが欲しいという発言があった。それに対して肯定的な意見が多く、ある一定の上限を設けることや、大学4年生で就活が終わって内定書や大学の卒業見込み証明書などを提示すれば社会人になっても支払い能力があることがわかるため、カードを作るための条件にすればいいのではないかという追加の意見も出た。
今回のディスカッションでは、大学生という視点を入れたことによりニーズはせまくなってしまったが、日本がキャッシュレス決済を活発化させるための課題の解決に成り得る意見も多々出すことができた。

(4年 軒口)

calendar
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2019 >>
selected entries
categories
archives
links
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM