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センスメーキング イン オーガニゼーションズ(序文・第一章)

【要約】
 センスメーキングとは、「ある種のフレームワークの中に異なるものを置くこと」「共通理解などのために相互作用すること」といったことである。センスメーキング的思考とは、形式的に決まった方法(アルゴリズム)で物事を考えるのではなく、自己発見的に事象を類推するような形での物事の考え方に関する心の持ち方であると本書では述べられている。信じ難い事象が起こった時にまずその事象にどのようにして気づくのか、そしてどのようにして回顧し、推測し、周りに浸透させていくのかといった際の思考法がセンスメーキング的思考であると言えるだろう。しかし、周りに異なる事象を浸透させていくまでには中心性の誤謬が発生してしまうということも本書にて述べられている。これは、共通認識が強い組織や専門性の高い組織において、組織的な例外に気付きにくかったり、異端な事例は信じ難かったりすることによって、組織的にセンスメーキングが受け入れられないことを指している。

 また本章ではセンスメーキングの特徴から、解釈との違いについて述べている。解釈の定義は「需要可能で近似した翻訳」である。つまり解釈という営みは、既に世界のなかに存在しているテクストに対して行うものなのである。既に存在しているテクストが発見され近似されるのを待っている状態であり、これを見つけて理解することを本書では「発見すること」と表現している。一方本書においてセンスメーキング的プロセスは「発明すること」であると言われている。解釈では普通、解釈の必要性と対象が明確になっているが、センスメーキングにこのような前提はなく、そもそもものごとを所与として扱っても良いのかといった疑問からセンスメーキングはスタートしているのだ。そして異端な事象に関して明らかにするために過去起こったことを振り返っていくという回顧的要素も、センスメーキングの特徴と言える。センスメーキングは自分の解釈するものを自分達で生成していくことだと本書では述べられている。このように解釈に先立つ発明に焦点を当てているという点や、より高次の社会参加を暗示するという点においてセンスメーキングは価値があると言われている。

 本章の中で筆者は「センスメーキングはメタファーではない」という主張をしている。Morganは、テクスト、言語ゲーム、センスメーキングの3つをメタファーであると論じており、これら3つがすべて有意味な行為の創造について理解することに関わっているということを述べているのだ。しかし筆者は、センスメーキングという行為を解釈的活動とは別次元の行為として分離することによって、この論理階型上の混同を分離している。センスメーキングとは起こっている状況を異なる言葉にして表すことではなくて、状況をその状況の言葉のまま意味あるものにしていく活動であるということを述べている。

【ディスカッション】
 本書では、「実際の現実世界では、問題が所与として現れることはない」「もともと何もない不確実な状況に意味を付与しなければならない」「リーダーとは意味を付与する者である」と述べられている。このように、センスメーキングにおいては、不確実な状況から問題設定を行うことが重要であるようだ。しかし、ここではリーダーや自分自身が、不確実な状況のなかから「問題」に気付くことが暗黙の了解となっている。では、どのようにしたら問題に気付く(見つける)ことができるのだろうかという疑問をもった。

 そこで、「ゼミ生として不確実な状況下でどのように問題設定力を鍛えられるか」というディスカッションテーマを定めた。このディスカッションでは、チーム研究でのインタビューを例に行った。私たちはチーム研究で企業にインタビューを行うが、聞きたいことが聞けなかったという問題が起きたことがあるだろう。では、事前に我々はどうすれば有効な回答を得ることが出来たのだろうか。条件として、発表まで1ヶ月しかなく、その期間内で出来ることを考えてもらった。

 今回の議論では様々な意見が出たが、ゼミ生からの意見は大きく三つに分けることができると考える。第一に、普段のゼミでの努力である。インタビューで相手がポロっと言ったことに気付くようにするために相手の話をよく聞く力・それを自分の中で解釈する力を身に着ける、聞けない中でも粘る力を身に着けるために普段のゼミの場で当事者意識持って発言しておく、などが挙げられた。

 第二に、事前準備である。事前に他の研究の方向性を準備しておく、解釈に関する問題を減らすために質問を考える時点で回答まで考えておく、事前にそうならないように精緻化しておく、質問だけでなく相手への聞き方も考える、事前に様々な資料読んでおく、広い視点で見ておく、インタビュー内容についてチーム内でしっかり話し合う、解釈が違った場合にどう動くのかについてまで考えておく、などが挙げられた。

 第三に、周囲の人との協力である。指針や目標を設定するために先輩に鍛えられ方を聞く、先生などに前もって模擬インタビューをしてフィードバックを得る、などが挙げられた。

 このように本ディスカッションでは、普段のゼミでの努力・事前準備・周囲の人との協力が重要であることが分かった。これらは、短い時間であっても事前に行うことができることであるため、インタビューを行う前にしっかり行っていく必要があるだろう。中野ゼミ生は必ず企業にインタビューする機会があるので、今回のディスカッションを活かしてインタビューを行っていこう。

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