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世界標準の経営理論(第20,21章 p.359-396)

【要約】
 20章では、認知バイアスの理論について述べられている。まず、個人レベルの認知バイアスとしては、ハロー効果や利用可能性バイアス、対応バイアス、代表性バイアスがある。続いて、組織レベルの認知バイアスとしては、社会アイデンティティ理論や社会分類理論がある。また、ダイバーシティには、タスク型とデモグラフィー型の2種類がある。タスク型は、「知と知の新しい組み合わせ」が進み、組織パフォーマンスにプラスの影響を与える。一方、デモグラフィー型は、イングループ・バイアスが生じて、組織パフォーマンスにマイナスの影響を与える場合もある。そして、認知バイアスを克服する方法としては、組織で乗り越えるABVの視点や、個人の内面から克服するマインドフルネスの視点が期待されている。

 21章では、意思決定の理論について述べられている。まず、規範的な意思決定論としては、期待効用理論がある。この理論の骨子は、「自身にとって最大の期待効用をもたらす事業を選んで投資すべき」というものだ。続いて、この理論を改訂した行動意思決定論には、プロスペクト理論、フレーミング効果、二重過程理論がある。このような理論は、概ね「人はできるだけ直感による意思決定を避けるべき」というスタンスだ。しかし現実として、優れた経営者のなかには直感を大事にする人が多い。そして近年の研究では、「不確実性の高い環境では、直感は熟慮に勝る」という研究成果が次々と挙げられている。

【ディスカッション】
 本書では、「不確実性の高い環境下で、認知バイアスなく周囲の環境をとらえ、小さな失敗にも意識を払い、それを乗り越えていくという意味でのマインドフルネス」が現実のビジネスで求められると述べられている。そして、このマインドフルネスは、ビジネスだけでなく、チーム研究においても求められるものだと考える。そこで、「チーム研究において、各メンバーがマインドフルネスを高めるにはどうすればよいか」という内容でディスカッションを行った。マインドフルネスの定義については、エリック・デーンの整理に基づき、「いまその瞬間への意識の傾斜」が高く、「アテンションの幅」が比較的広い状態とした。また、チーム研究における大きな失敗は研究テーマやプラン提案のピボット、小さな失敗は本ゼミで発表の際に指摘される部分(問題提起の前提にバイアスがある、前後でロジックがつながっていない、データの引用元が正しくない、など)であると設定した。

 「いまその瞬間への意識の傾斜」を高める方法としては、議論の時間を明確に決める、リラックスする、目標を決める、チーム内で役割分担をする、他の人からの指摘をまとめる時間を設ける、などの意見が挙がった。一方、「アテンションの幅」を比較的広くする方法としては、他の人からの指摘をまとめる、チーム内で指摘をさらに深掘りする、指摘された部分に対して、なぜそれを自分たちはできていなかったのか考える、という意見が主に挙がった。

 このディスカッションの結論として、まず「いまその瞬間への意識の傾斜」を高めるためには、集中力を高めたり、モチベーションを維持させたり、チーム内に客観的な視点を持たせたりする施策が必要であると分かった。続いて、「アテンションの幅」を比較的広くするためには、他の人からの指摘を深く分析する施策が必要であると分かった。また、今回ディスカッションを進めていく中で、「具体的な目標は持つべきか否か」という議論が起こった。その結論としては、モチベーション維持などのために具体的な目標は持つべきだが、その目標にこだわりすぎることは良くなく、臨機応変に柔軟な目標を設定していくことが重要だ、というものである。

 チーム研究は、3年生は10月のインナー大会まで、2年生は12月の経営学会まで続いていく。今後チーム研究の質をより高めていくためにも、今回のディスカッション内容をぜひ参考にしてもらえればと考える。

たかはし(3年)

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