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プラット・フォーム企業のグローバル戦略(第7章:P249〜288)

【要約】
 本章では、ミクロ的視点から共存企業と同様に重要とされている、ユーザー企業との関係マネジメントについて扱っている。ここでは、自動車の中核部品であるエンジンECUに焦点を当てながら、中核部品企業2社(ボッシュとデンソー)の中国市場での企業行動を比較事例分析している。

 その結果、プラットフォーム企業に近い戦略をとっているボッシュは、簡明アプローチの企業間関係構築を行うことで、民族系自動車メーカーを含む広範なユーザー企業層を形成し、高い市場成果をあげていることが分かった。


【ディスカッション】
 本章では、ユーザー企業との関係マネジメントとして、2つのコミュニケーション・パターンが挙げられていた。それは、簡明アプローチ型と濃密アプローチ型である。簡明アプローチ型とは、国際的なオープン標準の頻繁な形成が背景としての産業環境変化である。これは、本章の中でボッシュが対象企業であり、プラットフォーム企業に近い。一方で、濃密アプローチ型とは、旧社会主義国や海外直接投資の自由化が産業環境変化として背景にあり、デンソーが対象企業となっている。このコミュニケーション・パターンは、製品企業(製品重視の戦略)に近い。

 これらの2つが企業間関係として、挙げられていた。しかし、これらはあくまで企業間でのコミュニケーションであり、細分化された1対1のコミュニケーションまでは議論されていなかった。簡明アプローチ型であれば、戦略としての形式上、プラットフォームを形成し易くはなる。しかし、この形でコミュニケーションを行った場合個人としてのコミュニケーションにはどのような影響が出るのか、私は、ディスカッションする意義があると考えた。

 そこで、ディスカッションポイントを就職活動を行う上で、簡明アプローチ型と濃密アプローチ型のどちらを取れば、業界を絞ることができるのだろうか、とした。ディスカッションを行う上で、大学3年生の1月初旬と仮定し、2月初旬までに業界を定めたいケースを想定した。また、今回はコミュニケーションをする場として、インターンシップを想定した。その内容とは、10時から18時まで行われるインターンシップであり、6人でグループワークを行う内容となっている。さらに、インターンシップは週3回行くと仮定し、設けた期間中である5週間に15回行くことを想定してディスカッションを行った。具体的なイメージとしては、簡明アプローチ型は、学部、目指している業界などの情報を収集することができ、当日中でしかコミュニケーションは行われない。割合としては、6人中3.4人とコミュニケーションが取れると想定した。一方で、濃密アプローチ型は、連絡先を交換し、インターンシップ後も連絡を取り合う関係性を指している。割合としては、6人中1人とコミュニケーションをすることができる。ディスカッション上、簡明アプローチ型か濃密アプローチ型かどちらかのアプローチしか取ることができないとする。

 ディスカッションを行う前に、フロアの意見を集計した。簡明アプローチ型は、17名、濃密アプローチ型は、10名であった。

 続いて、フロアの意見をそれぞれ挙げていく。簡明アプローチ型は、幅広い情報を得ることができ、数をたくさん得ることで自分なりに就活生目線での統計をえるこもができるという意見が目立った。そこから、資料やインターネットを通じて自分で情報を深めていくやり方が業界を定めるためには有効であるという意見である。さらに、濃密アプローチ型のデメリットとしては、個人個人のバイアスがかかってしまい情報に信頼性がなくなってしまうが、簡明アプローチ型であれば、そのようなことはなくなり、バイアスが少ない状況で情報を収集することができる。

 一方で、濃密アプローチ型は、情報の質が高く、業界を定めるための的確な情報を得ることができるという意見が多かった。また、業界を定めるプロセスとして、浅く広い情報を自分で収集した上で、インターンシップで就活生の情報を得た方が自分が収集したいことを収集したい人に聞くことができ、業界を絞るためには有効であるとの意見もあった。

 このようなディスカッションを行った上で、再度フロアの意見を集計し直した。すると、簡明アプローチ型は、17名から11名に減少し、濃密アプローチ型は、10名から16名に増えた。

 以上のディスカッションを踏まえ、本章のまとめを行う。今回のディスカッションでは、まだ就職活動を経験していない2年生と既に就職活動を終えている4年生が混在した議論が行われており、学年での差異が見られるのではないかと考えていた。しかし、経験に基づいた差異は特に見られず、個人のスタイルによって就職活動に対する考え方は異なるという示唆が得られた。また、情報を自分で収集してからフェイストゥフェイスで情報を得るのか、フェイストゥフェイスで情報を得てから取捨選択するのか、業界を定める上で2パターンの考え方があることも分かった。

 最後に、ディスカッションとして、学生とのコミュニケーションではなく、企業の人事というインターフェイスにすればより、より深く違う示唆があったと考えられる。しかし、このような議論は、インターンシップやその企業の質によって依存してしまうことは否定できない。つまり、その企業のインターンシップに参加する上で、何を得るのか目的を自分の中で設定して、達成できるよう主体的に動かなければいけないのである。


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