<< プラットフォーム企業のグローバル戦略(第2章:p34〜) | main | プラットフォーム企業のグローバル戦略(第4章後半 P149〜173) >>

プラットフォーム企業のグローバル戦略(第4章:P117〜148)

【要約】
 本章では、プラットフォーム企業の競争戦略の有効性について、半導体製造装置企業の取引データを用いて実証分析を行った結果が示されている。半導体製造装置産業は、以前は製品の品質等での差別化を図る戦略がとられていたが、2000年前後の300mmオープン標準化をきっかけに、プラットフォーム戦略を取る企業が出現するようになった。本章では、その300mm標準化前後の取引データをもとに、「ハブ=媒介中心性の高いポジションへの位置取り」「オープン標準対応製品の販売率」「新興国市場向け販売比率」といった戦略間の関係について定量的な実証分析が行われた。

 その結果、「ハブへの位置取り」「オープン標準対応製品の販売率」「新興国市場向け販売比率」は強い交互作用を持っており、「新興国市場向け販売比率」が一定以上高くなければ、グローバルエコシステムでプラットフォーム戦略が効果を発揮しないことがわかった。

【ディスカッション】
 P119では「300mm標準は、ウェーハ口径・形状のような材料の標準化にとどまらず、自動輸送システムの標準化、ファクトリーデザインの標準化、CIMソフトウェアの標準化など生産工場に関して広範な標準化が行われた」と書かれていた。しかし、3章でプラットフォーム企業は、オープン領域とクローズ領域を決め、クローズ領域の部分で他社との差別化を行っていくとも書かれていた。そこで、今回私たちは「オープン標準化している中で、標準化に対応する企業は、どのようにすれば持続的競争優位をえることができるのか」というディスカッションポイントを立てた。
 このディスカッションを行うために、私たちは架空の事例を設定した。今回は国内シェア2位(18%)の半導体製造装置企業を事例にし、この企業をBとして戦略を考えていくことにした。他の国内企業はシェア1位のA(20%)、シェア3位のC(15%)とその他(48%)を想定した。この市場は半導体製造装置の部品の中でもっとも重要な部品を取り扱っている部品であり、最近標準化したばかりである。また、標準化してからまだ日が浅く、取引先の半導体企業は、このタイミングで今までの取引先とは違う企業も試してみたいと思っている。さらに、AとBはほぼ同時に標準化しており、Cとその他は少し遅れて標準化したということにする。そして、違う半導体製造装置の部品の市場でシェア3位の企業に自社の社長の幼馴染がいるという設定にした。これに加えて、企業の規模も設計した。Aは従業員数100人で資本金5億円、Bは従業員数90人の資本金4億円、Cも従業員数90人の資本金4億円とした。また、扱っている製品は、各社とも対象の半導体製造装置の部品のみとした

 以上の設定を踏まえたうえでディスカッションを進めていった。意見としては主に3種類の意見が出てきた
‖召糧焼蛎寮渋ち置の部品とのバンドリングを行う
 標準化すると製品での差別化は難しいという点で、他の半導体製造装置の部品とのバンドリングをして自社の製品に付加価値つければ、差別化ができるという意見が出た。この意見には、自社で自社の取り扱っている部品と関連性の高い部品を手掛けるか、関連性は薄いものの、社長の幼馴染がいて交友のある別の半導体製造装置部品企業と提携してバンドリングするかの2つの意見が出てきた。その中でも自社は資本金も少ないので、自分たちですべて手掛けるよりは、他社と協力したほうがいいという意見から、関連性は薄いが交友のある企業と提携してセット売りするという方法が有効なのではないかと考えられた。
工場の稼働率を上げ、大量生産し、コストを下げる
 標準化してからまだ日も浅く、取引先の半導体企業は、このタイミングで今までの取引先とは違う企業も試してみたいと思っているということから、取引先に付け入るスキがあるため、ひたすら生産して習熟度をあげてコストを下げ、どんどん営業をかけて販売していくというものである。こうすることで主にその他の48%の企業の取り引き先を奪うことができ、圧倒的なネットワークを構築できるので、他社との差別化ができるのではないかと考えられる。
自社の信頼、安心、イメージを向上させる
 製品で差別化できないのならば、サービスや売り方を工夫して、自社のイメージを向上させることができれば差別化できるのではないかという考えである。具体的にはアフターサービスを行って信頼や安心感を取引先に感じてもらうという意見や、まず国内ではなく新興国に向けて製品をうり、世界的な企業であるということをアピールするという意見が出た。これらができれば、企業の信頼にもつながり、差別化ができるのではないかという意見である。

 以上のような意見が出たが、議論のまとめとしては、コストを下げるという面では,鉢△篭δ未靴討い襪、△和腓な投資が必要で、資本金4億円の企業ではできることが限られてしまうという点から、他社と提携してバンドリングし、セット価格で半導体企業に提供する策が、コストを下げるなら有効なのではないのかという意見に集約された。次に、,鉢のどちらが有効か比較検討した。その結果、イメージを向上させて信頼を獲得する施策は時間を要するので、できたころには他の企業にシェアを奪われているのではないかということで、より早い段階で着手でき、効果も見込めそうな,痢関連性は薄いが交友のある企業と提携してセット売りするという方法が今回の議論では1番有効な方法であるという結論に至った。

とみざわ(3年)

calendar
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>
selected entries
categories
archives
links
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM