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プラットフォーム企業のグローバル戦略(第3章)

【要約】
 本章ではプラットフォーム企業の中でも戦略的標準化に着目しながら、プラットフォーム企業の競争戦略がなぜ新興国の成長につながるのかを探る。また、コンセンサス標準化に焦点を当て、産業進化に与える影響を明らかにする。今回はGSM携帯電話システムの中国市場導入を事例にしている。結果として、プラットフォーム企業の戦略的標準化が製品アーキテクチャをオープン領域とクローズ領域に二分してしまうことが分かった。オープン領域では技術情報がオープン標準として広範囲に解放されるため、新興国産業にとっては新規参入の絶好の機会である。一方で、クローズ領域では、このようなメカニズムが働かないため新規参入は進まないが、オープン領域が拡大するにつれて、クローズ領域の市場も拡大していくのだ。このため、クローズ領域向けに製品・サービスを提供しているプラットフォーム企業は高い競争力を維持しながら事業拡大が可能になっていくのである。

【ディスカッション】
 P112ではプラットフォーム企業の戦略的標準化に対して、共存企業・ユーザー企業も対応を迫られるときがある。自社の事業領域が標準化対象のオープン領域になった場合である、と述べられていた。しかし、既存の共存企業・ユーザー企業がどのような対応をとるかまでは述べられていなかった。そこで、私たちはこのような企業がどのような対応をとっていくべきかに疑問を抱き、今回のディスカッションポイントにした。

 今回のディスカッションを行いやすくするために、私たちが仮想の事例を用意した。今回は2017年の携帯端末(アンドロイド)産業におけるユーザー企業A社について議論することにした。A社は1994年に創立した。主な事業内容はプロダクトビジネス(携帯端末の開発や設計)とサービスビジネス(携帯端末の保守や運用)である。A社には携帯端末だけでなく、他の機械製品を作ることができる技術力も持ち合わせている。製品としては7種類の端末(携帯電話も含む)を扱っていて、高齢者層に向けた製品まで取り扱っている。また虹彩認識などの研究開発にも力を入れている。
 さらに、私たちはディスカッションを行いやすくするために時代背景も以下の通りに設定した。2010年におけるA社の国内携帯端末の出荷台数は13.4%であり、国内3位である。一方、2017年のA社の国内携帯端末の出荷台数は5.4%の国内5位に低下した。さらに、2015年より、海外の格安スマホメーカーが台頭してきた。そして国内の格安スマホの2015年の利用率は3.7%であったのに対して、2017年は18%にまで増加した。つまり、海外企業の進出により、格安スマホメーカーの利用率が増加したことにより、携帯端市場はさらに激化したのである。
 しかし、これだけでは設定が少ないという指摘をフロアから受けた。そこで、私たちはA社が今後の利益拡大のためにどのような対応をとるかを考えること。対応については、携帯端末事業を完全にやめる場合は撤退、携帯端末事業に加えて、何か新しい事業を行う場合は事業シフトを行うということにした。
 
以上の設定のもとディスカッションを行った。大きくわけると以下の意見が挙げられた。
‥餌
前提条件から考えると、A社のシェアが10%以上下がっているため、今後の成長が見込めないから。携帯端末事業がPPMで表すとm将来的に負け犬になる可能性があるため、撤退した方がよい。また、完全に撤退するのではなく、どこかの企業に売却してその企業の傘下に入るべき。
∋業シフト
A社は虹彩認識に力を入れているため、既存の事業に加えてこの技術を生かしていくべき。そして、最終的には特許を取れれば利益は拡大できる。現在、IoTデバイスが普及していることから、長年の携帯端末事業のノウハウを生かして、IoTデバイス事業も始めるべき。キャッシュレス化が進んでいるため、携帯端末事業に加えて、キャッシュレスの据え置きを作るべき。
8従維持
前提条件より、A社のシェアは下がってはいるものの業界5位であるため、このまま事業を続けても利益を得ていける。そもそも、新しい事業を始めることはA社にとってリスクなのではないか。A社は高齢層に向けて製品を販売していて、今後高齢化が進んでいくため、A社の製品を買う人が増えると考えるから、現状維持のままではいいのではないか。この意見に対しては、高齢化が進めば、消費者が必ずしも高齢者向け製品を買うかは分からないといった反対意見も多くでた。
す睥霄垳け製品のみを開発し続ける。
今後、高齢化が進み、もし高齢者向け製品が売れるのであれば、それ以外の6種類の製品は撤退してもいいのではないか。そして、その資金と虹彩認識などの技術をもとに新たな事業に取り組んでもいいのではないか。

 ディスカッションを行ったところ、様々な意見が挙げられ、4つの分類に分けることができた。事前準備の際に私たちは主に撤退か事業シフトの意見が出ると考えていた。しかし、ディスカッションを行ってみると、新しい事業を始めずに今までの事業を行う現状維持や一部製品を売り、高齢者向け製品だけを行うなど予想外の意見が挙げられた。その結果、4つの意見が均衡してしまった。これは発表者である私たちが前提条件として、A社の事業内容を詳しく提示したり、A社以外の企業の詳細を提示すれば結果が変わったかもしれない。今回のディスカッションの結論として、意見は均衡してしまったがフロアから出た意見の数を考えると、撤退よりも既存の携帯端末事業と新規事業を行う意見が多く出た。以上より、今回のディスカッションにおいて、A社は今後の利益拡大のために携帯端末事業に加えて、新規事業を行うべきであるという結論に至った。

 議論を終えて、ケーススタディでディスカッションを行うためには、事前準備がいかに重要であるかを学んだ。中途半端な設定をしてしまうと、フロアに混乱を与えて意見が出なくなってしまうからである。次回以降ケーススタディでやる場合、詳細をさらに決めて事前準備をした上でディスカッションに望みたい。

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