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プラットフォーム企業のグローバル戦略 (第1章&第2章:p3〜p34)

【要約】
 本書は、新しい産業環境下でなぜプラットフォーム企業が抜きん出た競争力を持つことができるのかを解き明かそうとしたものである。そして、そのような驚くべき競争力を持つプラットフォーム企業の台頭が、国際的な産業構造にどのような影響をもたらすのか探ったものである。本書で言う新しい産業環境下とは、「オープン化」のことである。これは企業間で情報を共有することで、「標準化」とも言う。この標準化には3つの種類がある。それが、.妊侫.ト標準化、▲妊献絅衂現牴宗↓コンセンサス標準化である。特に、コンセンサス標準化は欧米や欧州の標準化政策の変化によって生まれた新たな標準化なのだ。また、標準化はしばしばビジネス・エコシステムという概念によって分析が行われている。ビジネス・エコシステムは、産業構造を生態系のアナロジーで捉えたものである。この概念から、産業進化を主導するような企業を「プラットフォーム企業」と呼び、それらを取り巻く補完財企業を「共存企業」と呼んでいる。この2つの関係は運命共同体である。また、プラットフォーム企業の特徴は、複数の市場間を結びつけてネットワークを構築している。そこにはネットワーク効果が発生しており、そのネットワーク効果を用い、複数の市場間の関係を利用して戦略を行うことをプラットフォーム戦略という。この時において、プラットフォーム企業は複数市場の橋渡し役、つまりハブとしての機能を持っており、情報を操作し競争優位を確立することができるのだ。

【ディスカッション】
 今回のディスカッションは「デファクト標準とコンセンサス標準のどちらを選択すれば、自社(A社)が市場において今よりも多く利益を獲得することができるか」を議論した。なぜなら、本書ではオープン標準化には3つの種類が存在すると述べている。その中でも、コンセンサス標準は他のデファクト標準とデジュリ標準を組み合わせたハイブリッド的な標準化であり、他の標準化を選択するよりも、コンセンサス標準を選択した方が市場全体の拡大を促すことが可能である。しかし、私たちは情報の共有を行うことから自分たちが得られる利益は他の標準よりも少ないだろうと考えたからだ。その際のプレイヤーとして、自社(A社)とその子会社a社、a社の競合であるB社がいる。自社(A社)はゲーム用ハードディスクを生産・販売しており、ゲーム業界の中でシェア1位に位置している。また、自社(A社)にはa社というDVDディスクを生産・販売している子会社を抱えている。業界の状況として、自社(A社)は売り上げ強化のため、a社のDVDディスクも使用できるゲーム用ハードを作るため、DVD市場内のDVD規格を変更しようと考えている。つまり、自社(A社)はDVD市場内で、デファクト標準かコンセンサス標準を行うのだ。

 まず、デファクト標準化の意見は、自社で開発・資金繰りができることや特許を取得してフィーを得るなどの意見が出た。一方でコンセンサス標準化の意見では、コンセンサス標準化の利点であるネットワーク効果拡大を生かせるや市場利益拡大ができる、といった市場の拡大が自社利益の拡大に結びつく意見が出た。ここでは、コンセンサス標準化を選択する意見が多かった。しかし、フロアから「市場シェアがどのくらいかによって自社(A社)が取る選択が変わるのではないか」という指摘を受けた。

 そこで、今までの前提に市場シェアを加えて議論を行った。市場シェア率は以下の通りである。ゲーム市場シェアは、自社(A社)が1位(50%)、2位(30%)、その他(20%)とした。市場シェアの情報を加えたことで、デファクト標準化の意見が多く出るかと思ったが、依然コンセンサス標準化有利であった。デファクトの意見は、市場シェア50%ということで根強いファンがいると予想できる。その際に、DVDディスク規格を変更したとしても売り上げが下がることはない、であった。反対に、コンセンサス標準化側からすでにDVDハードの規格があるからわざわざ新たな規格製品を買う必要がないという意見も出た。また、コンセンサス標準化は、DVDディスク規格を統一することで規格が変わったとしても他のDVD規格で使用することができることやDVDシェア1位のB社と同じ規格ならB社の顧客も取り込める可能性があるといった意見が出た。しかし、依然としてコンセンサス標準化優勢のままであった。私達はデファクト標準化の意見をもっと出してもらって議論の活性化を図りたいと考え、新たにDVD市場シェアのデータを加えた。

 DVD市場シェアは、a社30%、B社20%、その他50%とした。DVD市場とゲーム市場のデータを出して状況を細かくしたことで、デファクト標準化に意見が傾くかと考えたが、むしろコンセンサス標準化の意見が多く出た。その中には、自社(A社)だけ規格を変更しても、他の70%は今までの規格によるかもしれないや他の企業も同じ規格にすれば自社(A社)がとるリスクは少なくて済む、失敗する確率が少ないなどがあった。

 以上から、今回のディスカッションにおいてはコンセンサス標準化を選択するほうが望ましいという結果になった。なぜなら、コンセンサス標準化の方が市場拡大を見込めるため、企業の利益もデファクト標準かより得られるという考えがあったからだ。また、他社も同じ行動をとることで、自社が取るリスクを軽減することもできる。しかし、設定条件をより詳細にすることで意見が変わったのではないかと考える。今回の議論では、企業の位置関係しか定義しなかったため、市場内の強さや競合との関わりなども予め設定していればより議論が深まっただろう。また、今回はDVD市場とゲーム市場を例にとってディスカッションを行ったが、フロア側にイメージが伝わり切っていなかったため意見の幅を広げることができなかった。さらに、今回のディスカッションに無かった視点として、市場内のステークホルダーとの関わりが挙げられた。補完財企業でも独自で動いていたり、抱えている著作権や版権が異なる。この補完財企業の行動を議論に加えることができれば、ネットワーク効果での議論を行うことが可能であっただろう。

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