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ブラックスワンの経営学(5章)

【要約】
エクセレントカンパニーが「優良企業に条件」八つの条件を導き出した。しかし、これは「必要条件」に過ぎなかった。必要条件と十分条件を確かめるためには学の手順を踏む必要がある。これらを導出する手法は主に二つである。まずは、一致法である。これは同じ結果を示す複数の事例を比較して、そこに共通する要因を探るもので、共通の結果をもたらした要因を推論する方法。これは必要条件を明らかにするのに適している。次は裁縫である。これは十分条件を明らかにするのに適しているといえる。

 そこで、最優秀論文賞に選ばれた事例研究から一致法、差異法の用い方について学ぶ。この研究は二段階で行われている。一段階目は、考えられる要因を抽出する。それを基に仮説を設定する。そして、それに当てはまると考えられる事例を選び出す。この事例を分析した結果、仮説通りの結果にならなかった。本来ならここで、大きく方向を変えることが多いが、本研究では再分析することで新しい仮説を探した。
 
次に二段階目の分析である。ここでは一段階目の分析をもとに極端な結果を示した二つの事例に対して、差異法を用いて分析を行った。その結果一段階目で設定した仮説でなく、全く別の要因が結果に影響していることが判明した。また、この結果妥当性を確かめるために、ほかの事例にあてはめることで、妥当性の向上を図った。このように、仮説の研究に不利であっても事実と向き合い本当の原因を探ることが大切である。

 本研究で注目すべき点は二つある。一つは、定説通りにいくことはない。それを疑うことが必要であるということ。二つ目は、問題意識を見失わないことが重要である。どんなに仮説通りにいかなくても問題意識を見失わなければ、立ち直ることができる。失敗してしまったときに集めたデータを基に再び仮説を導出し分析をすることができる。

 事例研究におけるポイントについて説明する。それは二つある。一つ目は、問題意識を明確にすることである。問題意識を明確にすれば、どんなに仮説通りにいかなくても折れることなく新たな仮説を導き、分析を行うことができる。二つ目は、往復運動である。分析を行った結果導き出された要因を他の事例にあてはめる。果てはまれば仮説の妥当性を高めることができる。

【DP】
中野ゼミナールで行われるディスカッションではすべての参加者が発言することができる。しかし、上の学年が意見を言い合っているとき(特に4年生)、2年生が発言しづらいのは往年の課題であると考えられる(少なくとも去年、今年はそのような状況が想起される)。本書ではイノベーションの普及には専門家集団の間にある「社会的・認知的境界」が障壁になっていたと述べられている(第二段階の調査P.185~)。しかし、この「社会的・認知的境界」は専門家集団に限らず、我々の中にも存在すると考えた。それがディスカッションにおける障壁になっていると考える。そこで、今回ディスカッションポイントを「ディスカッションにおける2年と4年の間にある社会的・認知的境界を乗り越えるためにはどうすればよいか」とし、ディスカッションを行った。

 今回のディスカッションにおける条件は以下のとおりである。

・タコツボ化
→内部で変革を促すのは得意とする。しかし、外部からの刺激を受用するのが苦手。
*内部=同期内
*外部=ほかの学年

・社会的・認知的境界
社会的境界(「社会的距離」p.192の表現を借用)=集団間の紐帯の強度
→特に学年、年齢による距離感を想定する
認知的境界(広辞苑の定義と元論文の「Knowledge Boundary」との兼ね合いより)=知ること、知識を持つこと。特に直観的でなく推理、思考に基づく。

・今回のディスカッションにおいて、発言をする意見を持ち合わせていないとなると、それで議論が終了してしまうと考えられる。そこで、あくまで言いたいことがあっても言えないときの壁の乗り越え方について議論するものとする。
・今回期待する意見として、二年生主体の意見を期待する。その理由として、ディスカッションに参加する成員は一度二年生を経験していることから、様々な意見が出ると考えるから。一方四年生側の意見は、四年生になったことのない人が多いので、非常に限られたメンバーのみが主張することになると考えるためである。また、四年生は現状ディスカッション中に、発言を促すような言動をとるので、一旦それで良いと考えたから。

 今回のディスカッションによって、各学年で行えるアプローチが導き出された。まず二年生である。二年生は臆さずなんでも言うことが重要である。しかし、それを行うことは簡単なことではない。その時、同期と競争意識を持つことやどんなに意見を否定されても人格までは否定されていないと考えることがあげられた。さらに、上の学年が何を言っても冷静アになること。学年が上だからと言って正しいとは限らない。一度冷静になって意見を聞いてみることも重要である。また、どんなにアプローチの方法があっても結局個人がどれだけ勇気を振り絞ることができるかに依存する部分が大きいことも分かった。
 
次に四年生である。四年生に求められるのは環境づくりである。心理的安全性という言葉があるように、みんながなんでも言える環境を作り出すことが重要なのではないか。所かまわず否定するのではなく、同調することも時には重要になると考える。また、直接アプローチをすることで、下級学年の背中を押すことができるということも分かった。

最後に三年生である。残念なことに三年生にできることはほとんどない結果になってしまった。三年生が背中を押すことが提案されたが、そこに学年の差はなく四年生にされようが三年生にされようが関係ないという。それ以外の意見が出なかったので、本当に社会的、認知的境界があるのは三年生なのかもしれない。今回のディスカッションを設定した私は三年生なので大変皮肉めいた結果になってしまった。今回の結果を踏まえて今後のディスカッションの処方箋として利用していただきたいと考える。

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