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ブラックスワンの経営学(第3章)

【要約】
 まずキティ・ジェノヴィーズ事件という事例が取り上げられている。この事件は、ある女性が刺されても周りの人が警察に通報しなかったということで、当時のニューヨークでもありえないことであった。この事例を実験室実験と自然実験の2つ実験検証している。一つ目の実験室実験とは、環境を人為的に作り出し行う実験であり、脈格(コンテキスト)をコントロールできるという点が強みである。二つ目の自然実験とは、事件そのものの事例のことである。前者の方法は当時と同じ環境を人為的に作り出すためどうしても普段の生活における自然の反応や行動を観察することが難しい。しかし、後者の方法はその事件そのものを事例としても挙げることで似たようなコンテキストの事例を加えていくことで有益な知見を得ることができる。
 続いて、ギルバードの組織慣性の研究である。これは、組織がこれまでにない大きな変化に直面し、その脅威を感じ取ったとき、どのような反応をするのかを研究したものであるこの研究結果として2つの見解が見られている。1つ目は脅威を感じとると、組織慣性はまって変革が促される。2つ目は脅威を感じ取ると、組織慣性は強まって変革が妨げられる。この2つの見解は正反対である。これについてギルバードは何について慣性かをしっかり整理していないから相違が起きると指摘している。この見解が異なることを本書では、「ねじれ現象」と呼んでいる。そこで組織慣性には2種類あると述べられている。資源頑強性とルーチン頑強性である。このどちらの慣性がどのように変化するのかをギルバードは新聞業界を事例に研究を行った。結果として有益な知見が得られたのであるが、その理由としてギルバードは、状況をコントロールしつつ、比較できる理想的な事例選定を行い十分な情報を集めて、厳格な手続きを行うことによって「ねじれ現象」を明らかにした。また何度も反復実験を行うことによって信憑性を高めていったのである。
 以上の研究から得られることとして筆者は2つ指摘している。1つは自然実験発想で反復実験をすることの大切さである。ここで事例の数にこだわるのでなく、仮説明確にしたうえで事例を観察していくことが確かな結論を導くことができる。2つ目に反復実験がうまくいかなかった場合の考察である。仮説を明確にしてもその仮説あてはまらない事例もでてくる。そのような事例に対して、徹底的になぜそのような結果になったのかを考えることが必要である。どのような時と場合にこの結果が得られ、このような時と場合にはこの結果は得られないといった具合に場合分けが重要なのである。
 
【ディスカッション】
 本書では、組織において、ある種の慣性は脅威によって緩和されるが、別の種の慣性は脅威によって強化されると述べられている。このような事態を本書では、「ねじれ現象」と呼んでいる。この慣性には2つの種類がある。1つ目は経営資源の配分の仕方にかかわる慣性である(資源頑強性)。この慣性が強いと新しい資源配分パターンを実施することができない。2つ目は業務のオペレーションについての慣性だ(ルーチン頑強性)。これが強いと業務プロセスの変革が妨げられる。それではゼミのチーム研究という組織において「ねじれ現象」が起きてしまった場合。どのように解消するのかディスカッションをおこなった。

「前提」
 あるゼミナールのチームである1班は3年生3人、2年生2人でチーム研究をおこなっていた。そこで、3年生がスーパーマーケットのテーマを出し、研究を進めることになった。チーム研究は、3年生が主導で行い、2年生の意見を聞き入れてもらえない(テーマに対して不満)現状があった。3年生と2年生の意思疎通はあまりはかれていなかった。1班は2週に1回進捗情報を発表しなければならなかった。1班では、発表に間にあわせれば良いという考えが3年生の中で強かった。2年生は十分な情報収集を行い、チームで話し合いながら研究を進めていきたいと考えている。
そしてこの場合、資源頑強性を「知識・時間・労力をかけること」とし、ルーチン頑強性を「今まで通りテーマを決め方、活動の仕方」とし、脅威を「リサーチクエスチョンがこのままではいけない」こととする。

 議論の中で出た意見として、まず人間関係の意見として、2年生の意見を聞いてみる、試しに2年生主体でやってみる、チーム全員が主体となれる環境をつくること、他のゼミ生からの意見を活用することがあげられた。次に時間に関しての意見として、あえて時間を短くしてみる、個人でできる作業はあらかじめ済ましておくことがあげられた。最後に研究のテーマについての意見として、ルーチンを変えてみる、フィールドワークからテーマを見つける、なぜこのテーマではいけないのか考える、研究の穴からテーマを決めることがあげられた。

 今回の議論をまとめると、チーム研究においてねじれ現象が起こってしまったときの解消法として、2つのことが重要であることがわかった。1つは時間を有効的に活用することである。もう1つはテーマを決める・変える際に工夫を凝らしてみることである。このことから、チーム研究においてねじれ現象が発生してしまったら、上記の2つのことを意識してみては良いのではないだろうか。

やまざき(3年)

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