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ブラックスワンの経営学 (第4章)

【要約】
 創刊男の異名をとる起業家、くらたまなぶ氏は、インタビューの際に必ず相手の生活空間に飛び込むそうだ。生活空間というのは、その人が自然体でいられるコンテキストである。くらた氏流のマーケティングのポイントは、ものごとの本質を見極めるときには、堅苦しいインタビュー調査ではなく、相手が心を開いてくれるような環境と設定で行うべきだということだ。相手がいつも通りにふるまえるような現場の環境でなければ見つけられないブラックスワンもいるようである。このことは、学術についても同じだ。学術研究においても現場で観察し、それと並行するようなかたちでインタビューを行うのが理想的である。本章では、現場の調査を通じて意外な事実を見出す方法について紹介する。

 本章で紹介する研究論文は、理想的な現場観察とインタビュー調査の一つのお手本である。エルズバッハとクラマーはハリウッドで、実際のピッチミーティングを間近で観察し、インタビューすることで、脚本家の創造性がどのように判断されるのかの実態に迫った。アカデミー・オブ・マネジメントは、彼らの研究を非常に高く評価して、最優秀論文賞を授与した。

 この最優秀論文賞受賞論文から学べることは何だろうか。それは一言で言えば、現場から情報を収集し、コンテキストを大切にしながら解釈して分析を行うことの大切さであろう。エルズバッハとクラマーは、コンテキスを大切にして調査をしている。ここでは2つのポイントに沿ってコンテキスの大切さを確認する。1つ目のポイントは、現場で聞き出すということである。現場でなければ確かめられないことはたくさんある。インタビューや観察も然りだ。現場だと、言葉になりにくい暗黙知なども聞き出せるのである。2つ目のポイントは、仮説を持ち込みつつも執着してはならないことである。現場が宝の山だからだと言って、闇雲に飛び込めばいいというものではない。仮説があるからこそ「その通り」「違う」ということが明確になる。違うにしても、何が違うのか、考えを深めることができるのだ。ただし、実際の調査では、そもそも、最初に持ち込んだ仮説が全く的外れであったということも少なくない。それゆえ、特定の仮説に執着するのは得策ではないのだ。事例研究の一つの特徴は、厳密な検証にこだわり過ぎることなく、柔軟に、本質を探索することができる点である。予期しない形で、思いもしなかった本質にたどり着くことができるのだ。

【ディスカッション】
 本章では、インタビューを行う際に、相手の生活空間に入り込むことが大切であると述べられている。企業でよくあるインタビューで、白い壁と事務用デスクの会議室に招いて向き合って聞くという光景があるが、これは最悪の対面インタビューである。なぜなら、現場から遠い特殊な環境で意見を聞き出そうとしても、なかなか本音を聞き出せるものではないからである。しかし、実際に企業にインタビューを行う際、本章で最悪と言われている、会議室に招かれインタビューを行うことが多いと感じる。そこで、「チーム研究のインタビューで、白い壁と事務用デスクの会議室に招かれた場合、どのようにインタビューを行えば、相手の本音を聞き出せるか。」というディスカッションを行った。

 設定として、我々のチームは「農業参入した企業の多くは撤退しているが、なぜマサヤファームは事業継続できているのか」ということを明らかにしたいと考えており、株式会社マサヤファームの代表取締役社長のマサヤ様(45)にインタビューを行う。マサヤファームは農業事業を行っており、ほうれん草の生産及び販売をしている。従業員数は30名であり、代表取締役社長であるマサヤ様も従業員とともに農業を行っている。また、マサヤファームは各メディアで注目されており、本も出版している。インタビュー時間は60分で、こちらからのインタビュー参加人数は1〜5名を予定している。ちなみに、今回現場となる農地は遠い場所にあるため、インタビュー日に行くことができない。インタビューの主な質問項目として、「なぜマサヤファームは事業継続ができているのか」「どのようにノウハウを得たのか」等についてインタビューを行おうと考えている。

 議論を行う中で出た意見として、相手を褒める、事前に本を読んだりしてマサヤ様がどんな人なのかを調べる、少々オーバーリアクションをする、お土産を持っていく、相手が言ったことを反復するなどの意見がでた。また、本章で言われているように仮説をあらかじめたてる、事前に農家の方にもお話を伺う、相手に共感した上で自分の考えを言う、なぜを繰り返すという意見もでた。おもしろい意見として、マサヤファームに興味を持っていることをアピールするためにマサヤファームのほうれん草を事前に食べたり、実際にほうれん草を持っていくという意見をあった。

 今回の議論をまとめると、相手の本音を聞き出すためには2つのことが重要であることが分かった。1つ目は、相手を褒める、共感するなど、相手がもっと話したいと思える雰囲気をつくることである。2つ目は、事前に本を読む、農家の方にお話を伺う、なぜを繰り返すなど、主体性をもって事前準備や当日のインタビューを行うことである。以上の2点が相手の本音を聞き出す際に重要な点になると考えた。

 我々はチーム研究や卒業論文などの調査で実際にインタビューに行くことが多い。また、社会人になれば、様々な人と話す機会も多くなるだろう。その際に今回の議論が活かせれば、この議論は非常に意味のあるものになったのではないかと考える。

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