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「バカな」と「なるほど」 経営成功の決め手!

【要約】
 企業の長期における成長には多角化が不可欠である。多角化とは経営資源を熟成、衰退していく分野から成長する分野にシフトさせることである。
 
 本章ではイビデンを事例に、多角化の成功要因を探っている。当時イビデンは将来性のない事業しか持っておらず、絶望的な状況だった。そこで、イビデンはヾ存の蓄積技術の利用可能な分野⊂陛杜老燭了業分野9睇娉嘆礎佑巴亮噂弧鷁修諒向に合致する加工産業
の3つの方針の元、プリント配線板事業に進出した。その中でイビデンはいくつかユニークな戦略を取った。まず、衰退していた既存事業から経営資源を集中投入し、大企業の強みを生かして大規模な設備投資や、技術陣の厚みやノウハウを当時中小企業の分野とみられていたプリント配線板に行った。また、特殊化と差別化を追求し、汎用品を作るのではなく、各社のスペックに合わせた注文品作りを追求した。さらに、危機的状況にイビデンがあったため、社内の合意づくりが容易に行えたが、通常、社内の合意づくりは難しく、特に既存事業を縮小させながら、新規事業を拡大させていくことは容易ではない。そのため、トップがリーダーシップを発揮して合意づくりを行う必要がある。これらのイビデンのケースから多角化の成功要因は技術シナジーの追求、ユニークかつロジカルな戦略、トップのリーダーシップであると本社では述べられている
 
 また、成熟産業においても非常識な戦略は有効である。実際、アルメタックスや川崎電気、平安堂などの企業は他社から軽蔑されるバカな戦略を採用し、脱成熟化に成功している。バカな戦略は、他社が自社の成功を見てからじゃないと模倣してこないので創業者利益を生み出すことができる点で脱成熟化においても有効なのである。

【ディスカッション】
 本書では、PPMで言われている「金のなる木」から「花形」や「問題児」へ経営資源を回すのがセオリーだが、実際それを実行するのは相当難しいことであると述べられており、多角化の際はその金のなる木の事業に捨て石の役割のいかに果たしてもらうのかが重要であると述べられていた。また、多角化には経営者がリーダーシップを発揮して、自らが主導で行うべきであると述べられている。これらのことから今回は、「『金のなる木』に捨て石の役割を果たしてもらう際、経営者はその事業の人たちを説得し、納得させるほうがいいのか、独断でやるほうがいいのか」ということについてディスカッションを行った。まず、ディスカッションで対象としたのはプラモデル業界でシェア1位、従業員500人で売上高500億円のタカラトミザワ株式会社である。この会社は他にもミニカー事業とカードゲーム事業をやっている。さらに最近、ドローン事業を始めた。PPMの位置づけとしては、金のなる木→プラモデル、負け犬→カードゲーム、問題児→ミニカー、ドローンであり、この会社はとしてはプラモデル事業からドローン事業に経営資源を移行して、ドローン事業を花形にしたいと考えている。議論としては、まず「説得し、納得させる」方の意見が多く出た。意見としては、今までの社員の努力を大切にしないと、不満がたまる、反発をできるだけ抑えて優秀な人材を自社にとどめておくことができるなどの意見や、まだプラモデル事業が顕在であるため新規事業拡大を焦る必要はなく、時間をかけて説得するべきだという意見も出た。しかし、ドローン市場は競争が激しいという点から、独断でやらないと事業拡大のスピードが遅くなってしまうため、市場でのチャンスを失う恐れがあるという意見も出た。また独断派の他の意見としては、プラモデルが今後衰退していくということを社員にわからせるのは、今のこの状況ではかなりのコストがかかる、事業部全員を説得するのは不可能、独断でやればもし失敗しても社員全員にその新規事業のノウハウなどがしみわたってないのでリスクを回収しやすい問う意見も出た。このような意見が出たうえで説得派からはさらに、事業部全員を説得できれば、その全員の力をドローンに一気に注ぎ込めるので、説得のために時間をかけてドローン市場で後れを取っても、後発で技術力などを駆使してシェアを奪えるのではないのかという意見が出てきた。つまり、独断でやるメリットのうちのスピードという部分において、たとえ後れを取っても後で全員が束になれば巻き返せるのではないかということである。それに対して独断派からは、一度シェアを取られたら、先行者優位を取られるので奪い返すのは相当コストもかかるので難しい、やはり先に手を打って市場での先行者優位を獲得すべきだという反論が出た。さらに独断で既存事業から新規事業へ経営資源を移行させ、先行者優位を獲得したあとに既存事業の人たちに「新規事業が成功したのはあなたたちのおかげ」と説明し、アフターケアをしっかり行えば不満も少なくなるのではないかという意見が出た。

 この議論をまとめると、確かに説得せずに独断で経営資源の移行を行うと既存事業部に不満がたまりやすくなる。しかし、その説得に時間をかけていてはそのうちに他社に新規事業分野での先行者優位を獲得されてしまい、拡大を思うように行えなくなる可能性が高い。そのため、まずは他社に後れを取らないためにも独断で経営資源を移行させ、新規事業を拡大し、その後、既存事業部の人たちにアフターケアを行って不満を解消させるのが良いのではないかという結論に至った。

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