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「バカな」と「なるほど」 経営成功の決め手!P.77-111

【要約】
5.マイナス情報に”情け”をかけよう
一般に、社長など経営者には、現場第一線の情報、とくに具合の悪い情報はなかなか伝わらず、裸の王様になってしまう。このように情報の受け手に不愉快な気持ちを与えるような内容の情報のことを本書ではマイナス情報と呼んでいる。マイナス情報を得ることは経営活動の現状の問題点や弱点を改めたり、解決することができる。この点において、マイナス情報はイノベーションの源泉ということができるにも関わらず、マイナス情報が経営者のもとに届かないのはなぜか。それは、情報の発信の場や送信途中、受信のところで身を隠す傾向があるからだ。したがって、マイナス情報が欲しければ、マイナス情報に情けをかけてやる必要があるのだ。

6.組織慣性との戦い
 企業の多くは企業変身のための戦略的な事業革新の計画を立てても、その計画の着手には10年もの時間がかかる。最大の理由は組織慣性である。組織慣性とは、組織が環境と同じ速さで変化できない力のことを指し、これが企業変身にブレーキをかけている。組織慣性を生む要因には、忠誠心ないし一体化、パワーバランス、サンクコスト、計画のグレシャムの法則、リスク回避がある。そこで、企業は企業変身計画を立て、着手するために危機感を探し出し自覚させる必要があるのだ。本書では危機感を相対的危機感と絶対的危機感の2つに分けている。絶対的危機では変化への抵抗は消え去り組織慣性はなくなるが、ここで行動するのは遅い。相対的危機をバネにして組織慣性に打ち勝つことが望ましいのだ。

7.人事スペシャリスト不用論
 一般に、人事は一生人事の仕事をするものである。しかし、野村證券の人事部員は原則2年で交代する。野村證券の考えているのは「人事は現場の事情に精通している人間によって評価させるほうがよい」、「人事の偏った評価を避けるため」、「人事部のパワーを与えないようにし、人事部から現場に戻れるようにするため」ということである。一見「バカ」に見えるこの仕組みにも「なるほど」と思う合理性があるのだ。

8.カラ元気のリーダーシップ
 新事業が軌道に乗るまでには長い期間の経過が必要で、その間には予期せぬ様々な問題が発生し、予想外の赤字が出ることもある。この状況を耐え抜き、成功に導く上で必要なことはトップの強力的なリーダーシップである。苦境に直面した際に従業員が見るのはトップの顔である。そのため、トップは内心でしまったと思っていても、その不安を顔に出してはいけない。たとえカラ元気に支えられた自信であっても自信満々の態度で接することが大切なのだ。

【ディスカッション】
 今回のディスカッションポイントは、「組織慣性に打ち勝つためには相対的危機感を与える必要がある。では、相対的危機感を与えても打ち勝てない場合、どうすればよいか」である。対象としたのは、固定電話の製造・販売を行なっている従業員数40人のA社である。A社は風通しのよい企業のため、従業員の考えが社長に届きやすいことが特徴だ。次に、A社の置かれている状況を説明する。携帯電話の普及により、固定電話の家庭利用は減少しており、今後も低成長が予測されている。そこで、A社の社長は固定電話事業をやめて新事業に進出することを考えている(A社のリソースは限られているため多角化はできない)。A社が「10年遅かった」にならないために、社長はなるべく早く従業員たちを納得させる必要がある。一方、従業員は新事業の合理性を理解しているものの、まだ固定電話の需要があるので大丈夫だと考えている。
 議論で出てきた意見は、従業員の情に訴える方法と根拠を示し合理性をより高める方法の2つに分けることができた。情に訴える方法としては、全員で話し合いの場を設ける、なぜ反対しているのか意見を聞く、という意見が出た。一方、根拠を示し合理性をより高める方法としては、新事業に変えたことで得ることのできるメリットをデータ化する、メリットだけでなくデメリットも示しそれをどのように乗り越えるかまで説明する、既存事業のノウハウを活かせることを示す、新事業チームをつくりデータ集めや準備をする、という意見が出た。この意見のうち、「データを示すという方法は一見説得力が高いように見えるが、データは所詮予想であり、確実なものではないのではないか」という意見が出た。それに対する解決策として、進んだ業界において需要が減り衰退していった企業のデータや海外の事例など、同じような状況に置かれているところのデータを示すとよいのではないかという意見が出た。確かに、それならA社と全く同じ条件ではないものの、自分たちも同じようになるのではないかと親近感を持ってそのデータと接することができるかもしれない。また、予測データではなく事実のため、説得力があるかもしれない。また、本書では一体感に基づく変化への抵抗を取り除く方法として資金の投入が要求される場合があると述べられていたことから、クラウドファンディングを行うのはどうかという意見も出た。
 次に、これらの方法を実行する場合、どのような順番でアプローチすれば従業員が納得するのか議論した。従業員が納得できない理由として変化への抵抗が考えられることから、まずは話し合いの場を設けて既存事業の現状と新事業の詳細について説明すること。続いて、新事業チームをつくりデータ集めなど合理性を高める準備をし、それをもとに2回目の話し合いを行うこと。そして、必要であればこれらを繰り返すことにより、従業員が納得するのではないかという結論に至った。

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