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起業の科学 Chapter2


【要約】
 前章でリーンキャンバスを用いた課題仮説を練り上げた。そこで。本章ではカスタマーとの課題の一致を目的に、課題仮説を磨き上げる方法を紹介している。
 
前の章で作り出したPlan Aはあくまでユーザーと話す前の「仮説」である。そのため、課題を磨きこむ必要がある。実際に、失敗したスタートアップの74%は課題の検証を十分に行わずにいきなりプロダクト開発を行っていた。これが、プレマチュア・スケーリングと言われるスタートアップが死んでしまう一番の理由なのである。このような重要であるはずの課題の検証をスキップする原因の一つに思考のバイアス、思い込みがある。これは誰にもあることだが起業家は特に確証バイアスが強い人が多い。そこで、この思い込みの罠にはまらないために自分自身が物事や課題をどう認識しているかについて客観的にとらえ、それを可視化・言語化する「メタ認知」の視点が必要になる。自分の考え方を可視化・言語化するツールとして、ペルソナ分析・カスタマージャーニーなどいくつかの方法を本章で取り上げている。

 課題を検証するときの最初のステップは、マーケティングの定石であるペルソナの想定だ。このペルソナを想定する3つの目的があり、1つ目がプロダクトの設計プロセスを人間中心、課題中心にするためである。2つ目に、特定の人に刺さるサービスを考えていくアプローチを取ることで、スタートアップが陥りがちな「あらゆる人に気に入られなくてはいけない」という無駄な考えを拭い去るため。3つ目に、チーム内でイメージを共有するためだ。そして、このペルソナ像をさらに深堀する時に使えるのがエンパシーマップである。これは、対象となるペルソナの心理状態を深堀する時に活用できるフレームワークである。しかし、ペルソナやエンパシーマップを使っても、ペルソナのみだと柔軟すぎることがある。そこで、それを回避し、よりリアルなカスタマー像を浮かび上がらせるためにはカスタマージャーニーを考えてみることが重要である。カスタマージャーニーとは、現在カスタマーがどのような心理状態でどのようなステップを踏み、ある行為を完遂しようとしているのかをカスタマーの動きに沿って明らかにしていくものである。

 ここまでで、課題仮説はより臨場感あふれるものになってきた。この見えてきた課題仮説をさらに深堀する手段として「ジャベリンボード」が薦められている。ジャベリンボードはカスタマージャーニーで出てきた複数の課題をどの課題の痛みが強いのか、代替案は役に立たないのかなど要素を絞り込むものである。そして、これらによって検証すべき前提条件が洗い出され言語されてきたら、カスタマーと直接対話することになる。その時には、どのようにインタビューの相手はどう選定すればよいのだろうか。そこで薦められているのが「エバンジェリスト」や「アーリーアダプター」と呼ばれる、流行に敏感な人達である。実際にこのような人たちにコンタクトすることが出来たら、インタビューに移る。その際の心得として5つのポイントが述べられている。
 そして、このインタビュー結果をベースにして課題の真因を言語化する手段として有効なのがKJ法である。KJ法では、インタビュー内容を分析して、建前やリップサービスなどのノイズの奥から本音、潜在的課題、現象の裏側にある真因を引き出せるかがフォーカスである。


【ディスカッション】

 本書P130にあるプロダクトの全体設計を受け持つファウンダー自ら、カスタマーの本当に欲しいものが何かを深く知っていることが、大企業に対するスタートアップの最大の競争優位性になると述べられている。
しかし、私達はスタートアップの最大の競争優位性は他のところにあるのではないかと考え、ゼミ生が考える大企業に対するスタートアップの最大の競争優位性は何かについてディスカッションした。

 まず挙がった意見としては、本書で述べられていることこそが最大の競争優位であるという意見である。実際大企業でもカスタマーが本当に欲しいものを知っているが、スタートアップの場合、その情報をファウンダー自らが持っているため、直接製品に活かすことが出来る。もしくは、大企業の場合知っている情報は、N数だけ多い情報で、実際にインタビューまでは行っていなくて、そこまで深い情報を得ようとしてはいないのではないかという意見だった。

 しかし、当初考えていたように本書で述べられている競争優位以外にも様々な意見が挙がった。多く挙がったのが、組織の小ささからくるものだった。組織が軽い分、意思決定のスピードが速くなることや、組織が小さい分、情報の共有がしやすいなどである。その他にも自分がやりたいことを持っている人が集まるためパワーをもって仕事をすることが出来ること、ステークホルダーが少ない分、しがらみがないので様々なことに挑戦することが出来るなどの意見が挙がった。しかし、競争優位はもちろん1つではないため、それぞれの考え方が挙がり、最大という1つに集約することは出来なかったが、課題検証の点においては本書で述べられている意見が最大の競争優位性になるのではないかと結論付けた。

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