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起業の科学 Chapter 1-4 PlanA (最善の仮説)を作成する

[要約]
1.リーンキャンバスの書き方
 前回までの章では、主にアイデアをブレストするときのヒントになるものが書かれていたが、本章ではそのアイデアを形にしてく方法が述べられていた。
 アイデアを形にしていく方法の一つとして、事業計画書が存在する。基本的にはこれが使われているが、作成するための時間がかかりすぎるため、スタートアップ企業には向いていないと筆者は述べている。そこで推奨しているのが「リーンキャンバス」である。「リーンキャンバス」はホワイトボード一枚で10分程度で完成させることができる。
 「リーンキャンバス」とは、アッシュ・マウリャ氏が著書の『Running Lean』で提唱していたスタートアップのビジネスモデルをビジュアル化するためのツールのことである。これに近いものとして、ビジネスモデルキャンバスというものが存在する。しかし、これはリソースがある大企業が新規事業を検討するときに、最適なフレームワークのため、スタートアップには不適切であるという。ちなみに「Lean」とは無駄のないという意味があり、そのようなスタートアップにとってはあまり関係のないリソースの部分を削り、⑴カスタマー⑵課題⑶プロダクトという、スタートアップにとって重要な部分に焦点を当てて作られたのが「リーンキャンバス」である。
 「リーンキャンバス」は9つのブロック(_歛雖顧客セグメントF伴の価値提案ぅ愁螢紂璽轡腑鶚ゥ船礇優覘収益の流れД灰好塙渋き┝舁彁愽賢圧倒的な優位性)に分けられており、それぞれの項目をうめていく。誰のどんな課題を解決するのか、ということがスタートアップの土台になるため、〜をしっかり考えるべきであり、それ以外は〜が変わることでガラリと変化することがあるので、そこまで深掘りする必要はないという。
 近年はAirbnbやメルカリなどのツーサイデッド・マーケット市場が拡大してきている。供給サイドと需要サイドにカスタマーがいるビジネス市場であるため、供給側が増えれば需要側が増え、需要側が増えると供給側が増えるというサイクルになっている。そのため、両者にとって高いバリューを提供する必要がある。なので、供給側と需要側の二つにわけてリーンキャンバスを書き込む必要があるという。

2.リーンスタートアップ型モデル
 代表的な二つのビジネスモデルがある。
 一つはウォーターフォール型モデルである。これはプロダクトの要件を最初に磨き込んで仕様書通りにリリースするモデルである。そのため、時間がかかり、学習タイミングが遅くなることや使わない機能が発生する可能性がある。
 もう一つは、リーンスタートアップ型モデルである。これは、プロダクトの完成形を作らず、検証目的の最小限のプロダクトをリリースするモデルである。早い段階からカスタマーのフィードバックを得られるため、顧客目線で軌道修正を行うことができ、早い段階での学習をすることができる。近年、プロダクトの移り変わりが早くなってきたので有効な手段であるという。

3.ピボッドの重要性と留意点
 ピポッドとは、「ビジョンを変えずに戦略を変えること」である。ピポッドを行うことは、スタートアップ全体の方向転換にあたる非常にインパクトのある行動である。そのため、メンバーの納得感がないまま、ピポッドを行うと組織崩壊につながる可能性がある。また、ピポッドは積み上げてきたものを捨て去る行為なので、時間も資金もないスタートアップが気軽に行うべきではない。
 このようなことにならないためにも「リーンキャンバス」を使用すべきだという。リーンキャンバウを使い、見える化することでメンバー内でブレストし、みんなが納得するビジネスモデルを構築していくべきである。
 しかし、ピポッドしていいのはあくまで戦略だけであり、ビジョンをピポッドしてはいけない。ビジョンをピポッドしてしまうと全く違う企業になってしまうし、自分ごとから離れていってしまうからである。
 スタートアップ企業がPMFを達成するまでの道のりはかなり険しいという。それは資金が尽きるまでにピポッドを繰り返し行い、軌道に乗せなければならないからである。「スタートップは”Hard Things”の連続であり、”Hard Way”を歩んだものだけが成功する」というベン・ホロウィッツの言葉通り、スタートアップ企業は険しい道を乗り越えていかなければならないのである。

[ディスカッション]
 本章で取り上げられているリーンスタートアップ型モデルが提唱されたのは、2008年である。この時期と比べると大きく外部環境の変化が起こったと考えられる。
 そうすることで、リーンスタートアップ型モデルに対する否定的な意見も見受けられるようになってきた。それでもなお、本書で取り上げられていたり、企業に使われている実態がある。
 しかし、これは代替案がないため使われているのではないかと考えた。
 そこで、『その欠点を企業はどのように対応して、利用しているのか?』ということを議題に今回はディスカッションを行った。

 まずは、みんなに欠点だと思うことを挙げてもらい、それにどのように対応しているのだろうかということを議論していった。
 まず挙がった欠点として、最小限でも早く市場に商品を出すためプロダクトの情報が漏れてしまい、模倣される可能性があるのではないか?という欠点が挙がった。これに対応するために企業は、口止め料を払うや特許を取るという対応策が挙がった。資金が少ないスタートアップが口止め料を支払うだけの余裕がないので、大企業にとっては有効な策であるのではないかと議論された。特許を取るということに関しては、両者にとって有効的な対応策なのではないかとなった。
 次にニーズが多様化してきたため、フィードバックをもらったときにどの課題が本質的な課題なのかを判断するのが難しくなっているのではないかという意見が出た。それに対して、企業はアーリーアダプターに聞くこと、自分たちがターゲットにしようと考えている層にアプローチする、AIに学習させて検証を行う、という意見が挙がった。AIに学習させて検証を行うというのは、技術が発達してきた現代だからこそできる対応策であり、ユニークな意見が挙がった。
 次に大企業に関しての欠点として、未完成品を出すことでブランドイメージが傷つく可能性があるのでは?という意見が挙がった。これに対して、大企業はウォーターフォール型モデルを使うべきではないか、ペルソナ像をしっかりと想定し、そこの課題を解決できるような商品を作る、自社の名前を使わずに他の会社に作ってもらうorそういう会社を作る、という意見が挙がった。実際に様々な大手企業が自社の名前を隠しPBを作るなどの策を利用しているため、有効的な対応策なのではないかとなった。
 最後に近年はSNSが広まり簡単に情報が拡散される時代になったため、スタートアップにとっては未完成な商品を出すことで、企業の第一印象が悪くなってしまうのでは?という意見が挙がった。これに対して企業は、逆に改善された時も情報が拡散されやすいのでイメージアップにつながるのではないか、逆に炎上することを狙って少しでも注目してもらうことを狙っている企業もあるのではないかということが挙げられた。

 2008年と比べると、SNSやAIなどの技術が発展し、それを含んだ意見が多く挙げられた。AIを使って検証させることや、SNSを逆に利用し戦略を考えることなどユニークな意見も多く見受けられた。
 ここ10年で外部環境が大きく変化し、企業の取り巻く環境が変化してきた。そうすることで、より、プロダクトの変化も激しくなってきたのではないか。従来通りのやり方では乗り遅れてしまう企業も多く出てくると考えられる。しっかりと、時代の流れを読むことが大切であり、リーンスタートアップ型モデルで学習をいち早く行い、検証を繰り返すことの重要性が、より一層感じられる議論となった。
 今後、SNSなどの外部環境を含めたリーンスタートアップ型モデルに代わる、新たなモデルが提唱されていくのではないか。

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