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原因を推論する 第5章 共変関係を探る

 因果関係の推論の多くの場合は従属変数の変化や違いが何によって生じたのか、と考えることからスタートする。しかし、因果関係を推論するのは、変化や違いを知るという作業を行った上ではじめて行うことができるのであり、その前提となる変化や違いの存在それ自体を慎重に確認する必要がある。その変化や違いの存在を見ていく手段の1つとして、帰無仮説を用いた検証方法がある。仮説検定の対象となるのは帰無仮説でもし帰無仮説が棄却されれば、対立仮説が支持されることになる。そして棄却するかしないかの際に使うものが有意水準である。有意水準より小さければ帰無仮説は棄却され、逆に大きければ帰無仮説は棄却されない。しかしこの基準は絶対的なものではない。帰無仮説が実際には真であるのに棄却されてしまう(第1種過誤)場合や、逆に帰無仮説が偽であるにもかかわらずそれが真として棄却されない(第2種過誤)場合もある。あくまで今ある論争を終わらせるための1つの手段なのである。

 そこで、仮説検定によってでたデータがどれほど有効的なものかを見ていくために、ゼミを例にディスカッションを行うことにした。前提として、今現在中野ゼミには発言回数が少ないことによって、ゼミが活性化していないという現状がある。その要因として、|暴の発言回数の差学年の発言回数の差の2つがあがってきたとする。データを見る前のゼミ生のイメージでは、〆垢呂覆き∈垢あるとなったが、データを元にカイ2乗検定を行ってみたところ、〆垢ある∈垢ないという結果になった。これらを踏まえた上で、現状を改善するための策を考えていく場合、自分たちのイメージとは乖離している計算結果と自分たちの中のイメージのどちらを元に考えていけばよいのかをディスカッションすることにした。

 データ派の意見としては、データ化されていることから客観的に問題を捉えることができることや、なによりもイメージよりは信憑性があることから、ほぼ確実に問題の原因を解決できるといった意見が多かった。逆にイメージ派の意見としては、今後の改善策を考えていく上で、イメージがあるほうが納得しやすい改善策が出やすく、その改善策を実行する気にもなるということであった。また活性化され、問題が解決した時の達成感も大きいと感じるといった意見も多かった。最初は意見がほぼ半々であったが、議論をしていくうちにデータ派の人が増え、結局最後はデータ派が22人、イメージ派は2人となった。データ派の意見が強くなったのは、少ないとはいえども、ゼミ生約30人の意識を統一しなければなかなか話は進まない。仮説検定の統計ではあるものの、データという1つの指標があるかないかでは大きく変わってくるということであった。

 とはいっても、仮説検定のデータは絶対的なものとは決して言えない。全数調査やそうとは言わないまでも、出来るだけバイアスのかかっていない正確なデータを使うこと、仮説検定よりもきちんとしたデータがあるならばそれを優先的に使うように心がけることが、なによりも大切なのである。あくまで仮説検定によってデータを出すのは、どうしても終わらせなくてはならない論争のときに限るのである。

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