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原因を推論する 序章 説明という試み

 「親の所得が高いと子供(15歳)の学力が高い」という主張に関して、^果関係のメカニズムと適切な検証方法についてディスカッション行った。

 ^果関係のメカニズムでは、原因と結果がどのような経路を経て流れていくのか議論を行った。今回のディスカッションでは、親の所得が高いと子供の教育費や塾代に費用をかけるため子供の学力が高くなるという結論になった。反論として、親が塾に通わせても子供がきちんと勉強しているとは限らないのではないかという意見も出てきた。というのは、子供のやる気がなければ学力向上には繋がらないと考えるからである。しかし、塾などの教育費はお金がかかるため所得と関係しているという考えが多かった。2番目に多く支持を得たのが、幼い頃から子供の勉強する環境が整っているからという意見である。これは親が子供に勉強するよう働きかけていたことや子供が通っている幼稚園や小学校の周りの人の環境に影響され子供の学習意欲が向上し、学力が高くなったとの考えだ。また少数の意見ではあったが、親の所得が高いということは親がいい職業に就いているからとの意見もあった。親の姿を見る子供は、自分もそのようになりたいと考え勉強に励むというメカニズムだ。さらに他には、子供の習い事などの選択肢が増えるのが理由だと考える人もいた。しかし、習い事には学力に繋がらないようなものもあるとの意見もあり、この意見に対しての支持は少なかった。以上がメカニズムを解決するディスカッションである。

 適切な検証方法についてのディスカッションでは、親の所得と子供の学力はどのように測定すべきかについて議論した。まず、親の所得については年収で測定する考えで一致した。次に子供の学力について議論した。持っている資格で判断すべきとの意見もあったが、偏差値で測定すべきという結論になった。議論を進める中で、親の所得がどこから高いといえるのかという疑問を多くの人が感じていた。なぜなら、所得の基準を平均値か中央値のどちらで捉えるかによって高所得が異なるからだ。そこで、所得の高低で比べるのではなく、散布図を用いることで関係を分析するとの意見が出た。分析方法のディスカッションでは所得と学力の測定方法に加えて、高いという判断をどのような基準で行うのか議論した。

 今回のディスカッションには議論の余地がさらにあるのではないかと私は考えた。^果関係のメカニズムでは、結論である教育にかける費用と2番目に支持を得ていた幼いころからの学習環境が相互に関係しているのではないかという点だ。親の所得が高いと教育費にお金をかけ、子供を塾や受験を考えている幼稚園に通わせたりする。そのような学習する環境や周囲の人々が、子供の学習意欲を高め学力の向上につながるのではということだ。つまり、教育費は子供の学習環境に影響し、学習環境をよい状態にするためには費用が必要だというように相互に関係しているというわけである。適切な検証方法についてのディスカッションでは、散布図を用いて分析する意見があったが、散布図から調べられることは相関関係であって、因果関係ではない。所得と学力の相関関係を確かめることができても、因果関係については述べられないのだ。これらは今回、ディスカッションを行わなかったが議論の余地があるポイントだと考えた。

 序章のディスカッションは、本書を読み知識を得る前の私たちがどのように原因を推論するかを目的として行った。次章から分析方法を身につけ、経験的・実証的な議論を行っていきたい。

まさや(3年)

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