「バカな」と「なるほど」 経営成功の決め手!

【要約】
 企業の長期における成長には多角化が不可欠である。多角化とは経営資源を熟成、衰退していく分野から成長する分野にシフトさせることである。
 
 本章ではイビデンを事例に、多角化の成功要因を探っている。当時イビデンは将来性のない事業しか持っておらず、絶望的な状況だった。そこで、イビデンはヾ存の蓄積技術の利用可能な分野⊂陛杜老燭了業分野9睇娉嘆礎佑巴亮噂弧鷁修諒向に合致する加工産業
の3つの方針の元、プリント配線板事業に進出した。その中でイビデンはいくつかユニークな戦略を取った。まず、衰退していた既存事業から経営資源を集中投入し、大企業の強みを生かして大規模な設備投資や、技術陣の厚みやノウハウを当時中小企業の分野とみられていたプリント配線板に行った。また、特殊化と差別化を追求し、汎用品を作るのではなく、各社のスペックに合わせた注文品作りを追求した。さらに、危機的状況にイビデンがあったため、社内の合意づくりが容易に行えたが、通常、社内の合意づくりは難しく、特に既存事業を縮小させながら、新規事業を拡大させていくことは容易ではない。そのため、トップがリーダーシップを発揮して合意づくりを行う必要がある。これらのイビデンのケースから多角化の成功要因は技術シナジーの追求、ユニークかつロジカルな戦略、トップのリーダーシップであると本社では述べられている
 
 また、成熟産業においても非常識な戦略は有効である。実際、アルメタックスや川崎電気、平安堂などの企業は他社から軽蔑されるバカな戦略を採用し、脱成熟化に成功している。バカな戦略は、他社が自社の成功を見てからじゃないと模倣してこないので創業者利益を生み出すことができる点で脱成熟化においても有効なのである。

【ディスカッション】
 本書では、PPMで言われている「金のなる木」から「花形」や「問題児」へ経営資源を回すのがセオリーだが、実際それを実行するのは相当難しいことであると述べられており、多角化の際はその金のなる木の事業に捨て石の役割のいかに果たしてもらうのかが重要であると述べられていた。また、多角化には経営者がリーダーシップを発揮して、自らが主導で行うべきであると述べられている。これらのことから今回は、「『金のなる木』に捨て石の役割を果たしてもらう際、経営者はその事業の人たちを説得し、納得させるほうがいいのか、独断でやるほうがいいのか」ということについてディスカッションを行った。まず、ディスカッションで対象としたのはプラモデル業界でシェア1位、従業員500人で売上高500億円のタカラトミザワ株式会社である。この会社は他にもミニカー事業とカードゲーム事業をやっている。さらに最近、ドローン事業を始めた。PPMの位置づけとしては、金のなる木→プラモデル、負け犬→カードゲーム、問題児→ミニカー、ドローンであり、この会社はとしてはプラモデル事業からドローン事業に経営資源を移行して、ドローン事業を花形にしたいと考えている。議論としては、まず「説得し、納得させる」方の意見が多く出た。意見としては、今までの社員の努力を大切にしないと、不満がたまる、反発をできるだけ抑えて優秀な人材を自社にとどめておくことができるなどの意見や、まだプラモデル事業が顕在であるため新規事業拡大を焦る必要はなく、時間をかけて説得するべきだという意見も出た。しかし、ドローン市場は競争が激しいという点から、独断でやらないと事業拡大のスピードが遅くなってしまうため、市場でのチャンスを失う恐れがあるという意見も出た。また独断派の他の意見としては、プラモデルが今後衰退していくということを社員にわからせるのは、今のこの状況ではかなりのコストがかかる、事業部全員を説得するのは不可能、独断でやればもし失敗しても社員全員にその新規事業のノウハウなどがしみわたってないのでリスクを回収しやすい問う意見も出た。このような意見が出たうえで説得派からはさらに、事業部全員を説得できれば、その全員の力をドローンに一気に注ぎ込めるので、説得のために時間をかけてドローン市場で後れを取っても、後発で技術力などを駆使してシェアを奪えるのではないのかという意見が出てきた。つまり、独断でやるメリットのうちのスピードという部分において、たとえ後れを取っても後で全員が束になれば巻き返せるのではないかということである。それに対して独断派からは、一度シェアを取られたら、先行者優位を取られるので奪い返すのは相当コストもかかるので難しい、やはり先に手を打って市場での先行者優位を獲得すべきだという反論が出た。さらに独断で既存事業から新規事業へ経営資源を移行させ、先行者優位を獲得したあとに既存事業の人たちに「新規事業が成功したのはあなたたちのおかげ」と説明し、アフターケアをしっかり行えば不満も少なくなるのではないかという意見が出た。

 この議論をまとめると、確かに説得せずに独断で経営資源の移行を行うと既存事業部に不満がたまりやすくなる。しかし、その説得に時間をかけていてはそのうちに他社に新規事業分野での先行者優位を獲得されてしまい、拡大を思うように行えなくなる可能性が高い。そのため、まずは他社に後れを取らないためにも独断で経営資源を移行させ、新規事業を拡大し、その後、既存事業部の人たちにアフターケアを行って不満を解消させるのが良いのではないかという結論に至った。

とみざわ(3年)

「バカな」と「なるほど」 経営成功の決め手!.pp.112-144

【要約】
9.社内事情より社外事情を優先
 日本の人事の典型的なパターンは、集団主義的な年功序列という形態である。これに対して野村證券は若手登用の人事、キープヤングの人事を行っている。その理由は三つある。それは情報化、国際化、ハイテク化である。これらに対しては、若い人の方が御年を召した方より優れている。しかし、社内の軋轢などの社内事情により、キープヤングを実施できない企業もある。つまり、野村証券のキープヤング人事は社外事情優先の人事といえる。

10. 女が分からないで経営できるか
 消費財、消費サービスの購入において女性の発言力が高くなっている。そのため、これらを作るのも男性ばかりでなく女性を活用する方がいい。その理由として三つあげられる、一つ目は、家内に優秀、意欲的な人材が埋もれているからである。二つ目は、女性向けの仕事が増えているからである。昨今は量より質、質より感性が求められており、これらは男性より女性の方が敏感なのである。三つ目は、男性社員のやる気が上がるからである。

11. 人づくりは人選びから
 経営の成功のためには、優秀な人材が不可欠である。つまり、経営は人なのである。重要な人材を企業にとって望ましい人材に変えるにはどうしたらいいか。答えは人材を外部から調達することである。すでに社内にいる人材を変えることは困難であるからだ。人材を獲得するときに注意するべきことは、企業は学生によって選別されているという事実に気づくことである。そのために、企業イメージは重要になる。時には企業イメージの革新が必要になることもあるだろう。

12. 計画のグレシャムの法則
イノベーションの行えない企業の原因として、計画のグレシャムの法則がある。これは日常業務がイノベーションのための計画業務を駆逐するということである。その理由として、イノベーションのための計画業務は期限、評価基準、業務内容の不透明性により後回しにされるからだ。その解決策として期限、評価、内容を明確にすることがあげられる。その中でも期限の順守が重要だ。その理由は、人はタイムプレッシャーがかかると良質なアイデアを出せるからだ。また、「継続は悪、変化は善」という考え方をベースに、とにかく変えてみることが重要になる。

【ディスカッション】
本書では望ましい社員を作りたいならば作り変えるより外部から調達した方が大切と述べられている。しかし、本当に外部からの調達で望ましい人材を獲得することができるのだろうか。このような問題意識に基づき以下のディスカッションを行った。

あなたは昨今のグローバル化の波に乗りたい中野エレクトロニクスの社長です。そこで社内人材を刷新したい。択として主に以下がある。
 嵋召泙靴た雄燹廚鮗茲襪海箸冒肝呂鮹蹐亜また来てくれた人からしか選べない(5〜7人取る)
△垢任砲い訖雄(1〜3年の新人13人)を教育して、「望ましい人材」に全力で作り替える。
このどちらかで進めていきたい。というのも、わが社は深刻な財政難に有る。そのため、どちらかにしかリソースを割くことができないと予測される。さてあなたならどうする。

【望ましい人材】
 ̄儻譴できる(TOEIC700点〜)
▲┘鵐献縫▲好好ル
C蘋真
ざ調性
*「取る」の場合これらの要素を必ず持つ。また、「変える」の場合必ずこれらの要素を持つ人材に変わるものとする。

【中野エレクトロニクス】
 中野エレクトロニクスはテレビ事業を営む中小企業である。販路は国内のみである。国内のシェアは5位である。去年より順位が落ちた。従業員は70人である。

ディスカッションの流れとしては、ゼミ生が仮想の企業である中野エレクトロニクスの社長として、「望ましい人材」を取ることに全力を注ぐのか、すでにいる人材(1〜3年の新人13人)を教育して、「望ましい人材」に全力で作り替える。以上二点についてどちらが望ましいかについて議論を行った。出てきた意見としては、社外からの人材調達である。その理由として、育成する場合社内で働ける人材が不足するため。また、社内に新しい風が吹くため。これは長い目で見ても社内を変えられるという意見が出た。これに対して、社内の人材を育成する意見として、新人が入ってきたとしても社内が変わることはないという意見が出た。また、新人に期待しすぎるとその後の失望の度合いが高まるという意見も出た。さらに、すでにいる人材を教育しないという選択をとれば、すでにいる人材の可能性を軽視しているため、モチベーションが下がってしまうのではという意見が出た。

まとめると、すでにいる人材の育成という選択肢は総じて社内事情を優先した意見が多かった。これらの意見は社外からの調達より多かった。そのため今回の議論においては、社内の従業員のモチベーションや社外人材のポテンシャルを考慮して社内の人材を全力で育成するべきという結論に至った。

にしむら(3年)

「バカな」と「なるほど」 経営成功の決め手!P.77-111

【要約】
5.マイナス情報に”情け”をかけよう
一般に、社長など経営者には、現場第一線の情報、とくに具合の悪い情報はなかなか伝わらず、裸の王様になってしまう。このように情報の受け手に不愉快な気持ちを与えるような内容の情報のことを本書ではマイナス情報と呼んでいる。マイナス情報を得ることは経営活動の現状の問題点や弱点を改めたり、解決することができる。この点において、マイナス情報はイノベーションの源泉ということができるにも関わらず、マイナス情報が経営者のもとに届かないのはなぜか。それは、情報の発信の場や送信途中、受信のところで身を隠す傾向があるからだ。したがって、マイナス情報が欲しければ、マイナス情報に情けをかけてやる必要があるのだ。

6.組織慣性との戦い
 企業の多くは企業変身のための戦略的な事業革新の計画を立てても、その計画の着手には10年もの時間がかかる。最大の理由は組織慣性である。組織慣性とは、組織が環境と同じ速さで変化できない力のことを指し、これが企業変身にブレーキをかけている。組織慣性を生む要因には、忠誠心ないし一体化、パワーバランス、サンクコスト、計画のグレシャムの法則、リスク回避がある。そこで、企業は企業変身計画を立て、着手するために危機感を探し出し自覚させる必要があるのだ。本書では危機感を相対的危機感と絶対的危機感の2つに分けている。絶対的危機では変化への抵抗は消え去り組織慣性はなくなるが、ここで行動するのは遅い。相対的危機をバネにして組織慣性に打ち勝つことが望ましいのだ。

7.人事スペシャリスト不用論
 一般に、人事は一生人事の仕事をするものである。しかし、野村證券の人事部員は原則2年で交代する。野村證券の考えているのは「人事は現場の事情に精通している人間によって評価させるほうがよい」、「人事の偏った評価を避けるため」、「人事部のパワーを与えないようにし、人事部から現場に戻れるようにするため」ということである。一見「バカ」に見えるこの仕組みにも「なるほど」と思う合理性があるのだ。

8.カラ元気のリーダーシップ
 新事業が軌道に乗るまでには長い期間の経過が必要で、その間には予期せぬ様々な問題が発生し、予想外の赤字が出ることもある。この状況を耐え抜き、成功に導く上で必要なことはトップの強力的なリーダーシップである。苦境に直面した際に従業員が見るのはトップの顔である。そのため、トップは内心でしまったと思っていても、その不安を顔に出してはいけない。たとえカラ元気に支えられた自信であっても自信満々の態度で接することが大切なのだ。

【ディスカッション】
 今回のディスカッションポイントは、「組織慣性に打ち勝つためには相対的危機感を与える必要がある。では、相対的危機感を与えても打ち勝てない場合、どうすればよいか」である。対象としたのは、固定電話の製造・販売を行なっている従業員数40人のA社である。A社は風通しのよい企業のため、従業員の考えが社長に届きやすいことが特徴だ。次に、A社の置かれている状況を説明する。携帯電話の普及により、固定電話の家庭利用は減少しており、今後も低成長が予測されている。そこで、A社の社長は固定電話事業をやめて新事業に進出することを考えている(A社のリソースは限られているため多角化はできない)。A社が「10年遅かった」にならないために、社長はなるべく早く従業員たちを納得させる必要がある。一方、従業員は新事業の合理性を理解しているものの、まだ固定電話の需要があるので大丈夫だと考えている。
 議論で出てきた意見は、従業員の情に訴える方法と根拠を示し合理性をより高める方法の2つに分けることができた。情に訴える方法としては、全員で話し合いの場を設ける、なぜ反対しているのか意見を聞く、という意見が出た。一方、根拠を示し合理性をより高める方法としては、新事業に変えたことで得ることのできるメリットをデータ化する、メリットだけでなくデメリットも示しそれをどのように乗り越えるかまで説明する、既存事業のノウハウを活かせることを示す、新事業チームをつくりデータ集めや準備をする、という意見が出た。この意見のうち、「データを示すという方法は一見説得力が高いように見えるが、データは所詮予想であり、確実なものではないのではないか」という意見が出た。それに対する解決策として、進んだ業界において需要が減り衰退していった企業のデータや海外の事例など、同じような状況に置かれているところのデータを示すとよいのではないかという意見が出た。確かに、それならA社と全く同じ条件ではないものの、自分たちも同じようになるのではないかと親近感を持ってそのデータと接することができるかもしれない。また、予測データではなく事実のため、説得力があるかもしれない。また、本書では一体感に基づく変化への抵抗を取り除く方法として資金の投入が要求される場合があると述べられていたことから、クラウドファンディングを行うのはどうかという意見も出た。
 次に、これらの方法を実行する場合、どのような順番でアプローチすれば従業員が納得するのか議論した。従業員が納得できない理由として変化への抵抗が考えられることから、まずは話し合いの場を設けて既存事業の現状と新事業の詳細について説明すること。続いて、新事業チームをつくりデータ集めなど合理性を高める準備をし、それをもとに2回目の話し合いを行うこと。そして、必要であればこれらを繰り返すことにより、従業員が納得するのではないかという結論に至った。

たけおか(3年)

「バカな」と「なるほど」経営成功の決め手!pp.42‐76

【要約】
1. 「バカな」と「なるほど」−成功する戦略の二大条件―
「バカな」と「なるほど」の戦略には差別性と合理性によって成り立っている。「バカな」の部分は、既存の戦略論などで定義されている戦略法に沿わない非常識的な差別的戦略のことであり、「なるほど」の部分はその「バカな」を納得させる合理性のことを指している。「バカな」と「なるほど」の戦略が成功するにはこの差別性と合理性の2つが必要条件となっており、中でも筆者は差別性は特に重要であると述べている。ここでいう差別性とは尊敬される差別性ではなく、他社からバカ呼ばわりされるような差別性のことを指している。差別性が特に重要である理由として、この「バカな」と言われる差別性が大きいほど競合他社の模倣が遅れるからである。

2.答えをみながら答案を書くー創造的戦略の発想法―
経営者がこの「バカな」と「なるほど」の戦略を考えるとき、「バカな」、つまり差別性の部分はよりユニークなものでなければならない。しかし、このユニークな戦略を思いつくために経営者はとびぬけた創造的思考力が必要なわけではない。本書によると経営者は外国の答えをみながら、また進んだ業界の答えをみながら、自分の会社のために戦略の答案を書けばよいからであると述べられている。しかしこれを行うために、経営者は常に外への関心を持ち続け外国や他の業界に目を向けていくことが不可欠となる。

3.べき論より予測論を
世の中の議論には「〇〇すべき」と主張されるべき論と、「〇〇するだろう」という予測から主張される予測論がある。しかし、このべき論の本質には自分都合主義、保守主義という性質が含まれているという。そのため、べき論から物事を主張する人は世の中の動きを読み取ることができず、時代の流れに乗ることができない。一方、予測論は常識的な予測のことであり、多くの人がそうなるだろうと予測していることを指す。経営者はこの常識的な予測を行うために時代の流れを見通す先見力というものを身に着ける必要がある。そのためには、べき論の立場にたたず、予測論の立場から世の中の変化、時代の流れを読む努力が必要である。

4.ダブダブの洋服の戦略メッセージー戦略を効果的に伝える方法―
経営者が戦略を伝える方法として、6つの方法が本書では挙げられている。それは口頭、文書、人事、予算、組織、日常の行動である。中でも、経営者の日常の行動であったりその戦略が組織でどの位置づけなのかによって社員がその戦略メッセージを読み取れるかどうかを左右する。また、この6つの方法には戦略を明確に伝えるためにも一貫性が必要となってくる。

【ディスカッション】
本書によると、「バカな」と「なるほど」の戦略の成功事例の1つとして吉川製油が挙げられていた。ここでは独占企業の製品と同程度の品質のものを同程度の価格で出せば少なくとも市場の3分の1、うまくいけば半分近いシェアを獲得することは難しくない、と述べられていた。しかし本当にシェアを獲得できるのか疑問を持ち以下のディスカッションを行った。

「今現在、東洋電力が電力市場を独占している、そこで同程度の品質、価格を提供できる中野電力は電力市場に参入し長期的にみてシェアを獲得することができるのか」
ここで、前提として東洋電力、中野電力には以下の現状がある。

【東洋電力】
・現在、電力市場でシェアNo.1で50年間独占状態である
・品質向上の努力はしていない(※ここでいう品質とはサービスなどのことを指す)
・顧客からサービスに対する不満が年々増加している(不満:停電対策が遅いなど)
・電力市場以外の市場には参入していない
【中野電力】
・現在、20年ほど家電業界でNo.3のシェアを獲得している
・多角化のため電力市場に参入することに決定した

ディスカッションの流れとしては、ゼミ生が現在、東洋電力を利用しており現状をもとに中野電力に契約するかどうか意見を上げてもらい、そこからさらに中野電力がシェアを獲得できるかできないかについて議論を行った。
まず出た意見として「シェア獲得は難しい」という意見である。理由としてスイッチングコストの問題が挙がった。わざわざ同程度の品質、価格なら新しく変えるメリットがなくコストも価格ため顧客を動かすのは難しいという意見である。しかし、これに続き現在顧客が不満を抱いているから一定の顧客は獲得できるという意見も挙がった。またもともと家電事業を取り扱っているから、そこにいるファンの顧客層は切り替えるからシェア獲得できるという意見も上がった。ここで多くのゼミ生が賛同した意見として「シェア獲得できる」側の意見として中野電力への期待値というものが挙がった。これは、今現在は中野電力が電力市場に参入しても東洋電力と同じ品質、価格でしか提供することができないが参入するからにはなにかしらの付加価値、期待があるだろうという意見である。

まとめると独占企業と同程度の品質、価格で参入して長期的にシェアを獲得することはなかなか難しい。しかし、いかにその市場に参入して顧客に期待を持たせることができるかどうか、また同程度の品質、価格であろうとも顧客へのアプローチの仕方という面でシェア獲得できるかできないかが左右されるという結論に至った。


すずき(3年)


「バカな」と「なるほど」 経営成功の決め手! pp.1-32

【要約】
 経営戦略とは簡単に言うと「他者と違った良いことをしろ」ということである。しかし、「良いこと」は誰もがやろうとするため、「違い」になりにくい。では、どのようにして競争優位を持続させるのか。1つは模倣障壁の構築であるが、これは結局模倣されるのが遅いか早いかという窮屈な話で終わってしまう。そこで、著者が唱えているのが非合理の理=『バカなる』である。バカなるとは、競合他社にとっては一見非合理に見える要素(バカな)が含まれているが、よく見ると合理的(なるほど)な戦略のことを指す。ある人には先見の明があり、多くの人がそれに気づいたときには既に先行者優位を構築しているという「合理性の時間差攻撃」や部分と全体の合理性のギャップ「合理性の空間差攻撃」等がバカなる戦略のメリットとして挙げられている。
 
最近の「バカな」と「なるほど」の事例がいくつか紹介されている。その1つがカセラ・ワインズ(イエロー・テイル)である。イエロー・テイルは、従来の由緒ある上質なワイン造りの精神を踏みにじった製造方法で、上質ではないフルーティな甘さのワインであることから周りからは「バカな」と思われていた。しかし、それがかえってワインの敷居を下げ、気軽に楽しめる飲み物として多く支持されたため、カセラ・ワインズは高い成長率と利益率をあげている。経営成功の秘訣は「バカな」と「なるほど」を同時に持つことである。他社と違うことを考え、常識を打ち破る斬新な経営が必要とされる。一見非常識な経営でも、実はよく考えられており合理的で、そのような経営を実行するのが成功企業なのである。

【ディスカッション】
 今回は、「業界の通念や慣行を打ち破る斬新な経営をしなければ競争の世界では成功者にはなれないのか。」ということについてディスカッションを行った。最初に出た意見はT-falの経営についてだ。T-falは、高機能・高性能で高価格帯の商品が多かった電気ケトル市場において、必要最低限の機能だけが備わった低価格の電気ケトルを販売し、爆発的なヒットを遂げた。発言者の主張は、T-falが行ったことは無駄を省き低価格にしただけであるため、斬新な経営をしなくても競争の世界で成功者になれるということだった。しかし、T-falはいち早くそのことに気が付き、オーバーシューティングを防いで低価格で勝負したことは斬新な経営ではないかといった意見も出た。また、スイッチングコストが高い業界は斬新な経営しなくてもよいという意見が出た。顧客は簡単には動いてくれないため、無難な経営をしていくのがよい。逆に、スイッチングコストが低い業界では簡単に移るため、バカなる戦略を取り競争優位を獲得しシェアを伸ばす必要があるという意見だ。
 
さまざまな意見がでたが、その中で非常に多かったのは、業界シェア癸韻隆覿箸箸修Δ任覆ご覿箸念曚覆襪箸いΔ發里任△辰拭4にその業界で最も高いシェア率を誇る企業は、通念や慣行を打ち破るバカなる戦略を取る必要はない。むしろ、安定的な経営を行い着実に顧客を伸ばすべきである。また、業界でシェア癸韻鮗茲譴討い覆ぅ船礇譽鵐献磧軸覿箸蓮▲蝓璽澄軸覿箸某燭淡から勝負しても競争優位の差は埋まりにくい。そのため、チャレンジャー企業はシェア率を上げるためにはバカなる戦略を取らなくてはならないといった答えになった。通念や慣行を守り続けて業界シェア癸韻魍容世靴討い覺覿箸眤減澆垢襪燭瓠一概にはバカなる戦略と取らなければ成功者になれないとは言えない。しかし、現時点でチャレンジャーに位置している企業がリーダー企業になるためには、通念や慣行を打ち破るバカなる戦略(1位が取らない且つ1位が模倣しにくい戦略)を取る必要があるというのが今回のディスカッションの答えである。

しんみ(3年)

起業の科学Ch5

要約
 プロダクトがPMFを達成したスタートアップは、その後スケールしていくが、その前にユニットエコノミクスが健全化されているか確認する必要がある。ユニットエコノミクスとは、顧客1人あたりの採算性のことで、ユーザーを1人獲得した時に、利益が出ているのか損失が出ているのかを表す指標である。LTV(生涯利益)からCPA(顧客獲得コスト)を引き、その結果プラスであれば健全化されていると考えて良い。
 LTVを高めるためには、顧客を定着させることが最重要である。その手法として、マジックナンバーを超えさせること、熱狂顧客を作り出すこと、ヒアリングによって定着率が低い理由を分析することが挙げられる。一方、CPAを下げるためには、有料の顧客獲得とオーガニックの顧客獲得を使い分けすることが重要であると述べられている。
 本書全体のまとめとしては、「リーン・スタートアップ」で打ち出された「Build(構築)-Measure(測定)-Learn(学習)」のループをいかに効率よく回し、どれだけカスタマーの反応を精緻にとらえられるかが重要であるということである。スケールすることで、スタートアップは一般企業へと自己改革していく段階を迎えるが、「構築-測定-学習」のループを回すことの有効性は変わらない。

ディスカッション
 本章においては、ユニットエコノミクスを健全化してからスケールをすべきという話がされていたが、これらの過程を飛ばしてスケールしようとしてしまうスタートアップは、なぜユニットエコノミクスを健全化せずにスケールしてしまうのかというディスカッションを行った。
 結果、競合が出てきて焦ったからといった意見や、短期的視点しか持てていなかったという意見、目先の利益しか見えていないという意見、ネットワーク外部性によってあとで取り返せるだろうという楽観的思考という意見が挙げられた。これらの中から、競合が出てきたからという場面に絞り、その場合どうしていけばいいのかというディスカッションを行ったところ、ユニットエコノミクスを健全化させるよりも先にデファクトスタンダードを取りに行くべきという意見が多く挙がった。デファクトスタンダードを取ることで、まずは競合に打ち勝ち、その後ユニットエコノミクスを健全化し利益を回収していくというフローにすることで、競合に対して常に優位であり続けることができるという結論となった。
 今回のディスカッションでは、ユニットエコノミクスを健全化するよりも先にスケールすべきという、「起業の科学」に書かれている内容と違った結論に至ったというため、面白い議論になった。しかし、ディスカッションでは一部の意見が強くなってしまっていて反対意見が出にくかった面もあり、そういった部分は今後のディスカッションで課題となるだろう。これにて2018年度中野ゼミナールの輪読は完結である。
きたはら(4年)

起業の科学Ch4.pp218-245

要約
通常、MVPを市場に投入して最初の学びを得た後は、それをもとに軌道修正した二回目の移行のユーザーストーリーに取り掛かることになる。二回目以降のスプリントで重要になってくることは、今回作るMVPと前回のMVPを定量分析で比べた時に、数値的な改善がみられているかを確認することだ。ここで重要なのは、分析で得られた細かい数字なのではなく、カスタマーの評価が前回よりも明らかに改善しているかどうかという点だ。このスプリントのサイクルを抜け出す条件は、カスタマーが継続的に欲しがるプロダクトを実装し、PMFを達成した時だ。PMFを達成していると判断できるのは、ユーザーの高いリテンションを保てているとき、カスタマー獲得から売り上げを獲得するまでのながれが確立されているとき、リーンキャンバスの項目全体を見て成立しているとき、の三つの条件を満たす場合である。
 ユーザーの定着率を上げるためには、上記の大きな軌道修正に加え、「UX改善」という小さな軌道修正を常に継続していくことも重要である。しかし、UXを改善するといっても、単純にプロダクトの機能を増やせばよいわけではない。必要以上に多くの機能を追加してもほとんど使われず逆効果になってしまうことが多い。正しいUXの改善方法は「UXエンゲージメントモデル」と呼ばれ、10段階でユーザーが熱中するようなUXを作りこむことができる。
 MVPを市場に投入しスプリントとUX改善を繰り返してもPMFを達成できない場合は、プロダクトのピボットを検討しなければならない。MVPで徹底的に学んだ結果としてピボットが最善である判断したら、リソースの浪費を招かぬよう早めに決断しなければならない。しかし、当然のことながらピボットする事自体にも、UXの改善や新たなストーリーの実現などより大きな費用がかかる。そのためピボットできる回数にも限りがあることを忘れてはならない。
ディスカッション
ディスカッションポイントは、「なぜやりきれないピボットは、起きてしまうのか。筆者は起業家の「粘り強さ」の欠如が原因であると述べているが、何故粘れないのか。」であった。
このディスカッションポイントの発表者の意図としては、筆者がやってはいけないピボットとして挙げている、UXを磨き込む事が出来ないまま、なんとなくピボットをしてしまう場合と、ピボットの意思決定基準である、ユーザーの定着率ら伸びているが、市場で支配的ポジションを獲得できなさそうな場合で起きるジレンマの際に、どのように意思決定をするのかを議論する為だった。なぜならば、市場で支配的なポジションを取れるか取れないかを事前に認識するのは難しいと考えたからである。
議論では、定着率が上昇していることを前提とし、それによって課題仮説、価値提案の部分がユーザーのニーズと一致している事を前提として行われた。
意見として、「そのままUXを磨き込んでも定着率を市場の支配的なポジションが取れるまでする事が可能なのか、という部分に不安を持ち根拠のない主観的なピボットをしてしまう。」や「当初予定していたスプリント回数に達してしまったため、そのままではリソースの確保が困難になってしまい、ピボットするのではないか」などという意見が出た。大きく11個の意見が出たが、発表者の意図に基づいてそれらの意見のうち3つに絞って、議論を進めた。その3つは以下の意見である。「競合に支配的なポジションを取られるのではないかという焦りからピボットを行なってしまう」、「PMF達成までの目処がついているが、長くなってしまい市場で支配的なポジションを取られてしまうため、ピボットを行なってしまう」、「市場の動きや他社の動きが活発になり、そのままでは市場で支配的なポジションを取れないと考えてしまう」の3つである。これらの状況においてどのようにピボットするかしないかの判断をするかを、議論した。
ここでは、「様々な意見が出たアイデアの模倣や損失を考慮して、スプリントを回すという判断をする」や、「成長ペースを上げることを課題としてピボットする」などの意見がでた。
結論としては、ピボットをする側の判断基準として定着率の上昇ペースを考慮していた。具体的に出た案としては、チャネルピボットを行い、より多くのユーザーに認識させる事で、使用率と定着率の上昇を狙ったものだった。スプリントを回すという意見としては、大きく捉えると埋没費用を考えたチームのモチベーション維持が可能であるかという部分が判断基準になっていた。
4年みかだ



起業の科学 Chapter4-1〜4-4

【要約】
これまでの章で述べられてきたことを、ここで実際に市場テスト用プロダクトMVP(ミニマム・バイアブル・プロダクト)を投入して、狙った顧客が本当に欲しがるプロダクトになっているかどうか検証する。早く成果を出そうと焦るあまりすぐにMVPを作り始めて失敗するスタートアップが多い。MVPでも作るのには数か月かかり、リソースの少ないスタートアップにとって致命傷であるため、課題仮説や価値仮説の検証を十分に行った上でMVPを構築することが重要となる。
次に、MVPでニーズの有無を探る。本書で挙げられている例は、人の移動手段をサポートするプロダクトである。AからBへと人の移動をサポートするプロダクトを作っている場合、「AからBに移動したいと思うのか」(課題仮説)を検証する必要がある。
MVPとして良い例は、スケートボード(必要最低限移動する機能だけを備えた製品)であり、悪い例としては、車輪(車輪だけでは人が移動する道具としては使えない)が挙げられている。
MVPの型としては、ランディングページMVP、オーディエンスMVP、コンシェルジュMVP、動画MVP、ピースミールMVP、ツールMVPがある。
次に、MVPからの学びを最大化するのだが、この時チームの学びを最大化する手法として、「スプリントキャンバス」「スプリントカンバンボード」が挙げられている。「スプリントキャンバス」とは、MVPによる実験1回ごとに何を学んだか整理できる表である。本書P.199の図の4−2−2のように1〜5段目まであり、それぞれの段で書くことが決まっている。一方「スプリントカンバンボード」は、作業の流れにあわせて、左から右のステージへ付箋を動かして進捗状況を可視化するツールである。プロトタイプカンバンボードとほぼ同じ使い方をするが、管理する内容はスプリントの作業内容に合わせる。
スプリントキャンバスの流れは、MVPで実験したいユーザーストーリー(ユーザーが製品を使って課題を解決するときの機能の塊)を書き出す、実験したいストーリーを選ぶ、ストーリーの実装イメージやコストを検討するといったものである。
ここでMVPを市場に出す話になるが、その際に大事なことが2つある。それは、MVPは恥ずかしい状態で、できるだけ早く市場に出すことと、生の声を大事にすることである。その際、マーケティングよりも直接対話することが重要となる。
MVPの評価のため、カスタマーからのフィードバックを元に定性的、定量的な分析を進めていく。一般的には指標としてKPI(重要業績評価指標)を用いるが、スタートアップではAARRR指標(海賊指標)を元にKPIを設定する。定量的計測が重要な理由としては、目標に向かって自分たちがどんな位置にいるか正しく認識できること、KPIは創業メンバーなど、ステークホルダー間で使えるゆるぎない共通言語になること、目標と現状のギャップが数値で可視化され、そのギャップを埋めるアクションを導きやすいことがある。この時、MVPの最重要KPIは定着率であるため、スタートアップはまず少人数に熱狂的に愛されるプロダクトを作るべきである。KPIを設定・変更する際に陥りやすいポイントは、結果指標しか見ていないこと、アクションできない指標を見てしまうこと、一見相関性があるように見えるだけの指標を用いてしまうことであるため注意が必要である。
最後に、カスタマーのことを本当に理解するには、カスタマーがどのようにプロダクトに触れて、どのように感じているのかの全体像を必要がある。そのため、インタビューリスト(詳細は本書p.215)を使用する。定量、定性情報が集まったらその意味をチーム全体で言語化するとよい。この時、『暗黙知』と『形式知』に分けて考えるとよいとされている。

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今回は、ディスカッションポイントを「中野ゼミにおけるチーム研究において、インナー大会へ提出する提案を本書のMVPとした際、市場に出し、カスタマーに届けるタイミングはどの段階が最適か」としてディスカッションを行った。

ディスカッションにおいて出た意見は以下の通りである。
・インナー大会での評価基準にもなっている、「新規性」「ビジネス性」「実現可能性」が揃ったタイミング(1回目のMVPの場合はすべてが揃っていなくても市場へ出す価値はある)(理由:恥ずかしい状態のため)
・「実現可能性」だけでもあることができたタイミング(=協力者(企業)が現れたタイミング)
・ニーズを求めている顧客を集客できる状態にいったタイミング
・課題、ニーズの根本を抑えたタイミング

ディズカッションの末、上記のような意見が出た。これまでMVPを固め、市場へ出すことができずインナー大会へ臨んだチームがいくつかあったわけであるが、そのチームはなぜできなかったのかを次にディスカッションした。

・ニーズを見つけるのが遅く、PDCAをまわすことができていなかったため。
・リソース(人、資金、情報、時間)不足のため。
・ペルソナ設定が遅かったため。
・ゴール設定、目標設定をすることができていなかったため。

上記の意見を踏まえ、来年度のチーム研究はどうすればよいのだろうか。

・インタビュー調査をはやく行う。
・自分たちが持っているリソースをフル活用する。
・課題を見つけ、ペルソナ設定をいち早く行う。

このディスカッションにおいて最も多かった意見は、リソース不足であった。
しかし、学生の動ける範囲には限りがあるため、来年度に活かす事ができる意見としては、課題をしっかり捉え、ペルソナ設定をいち早く行うことなのではないだろうか。
チーム研究において、テーマを考え、そこから課題、対象顧客を設定していくことは大変であるが、来年度から今回の輪読で学んだことを活かし励んでいくべきだろう。



いいむら(4年)











起業の科学 Chapter3-2・Chapter3-3

【要約】 
 本章では、UXブループリントをもとにプロダクトやサービスのプロトタイプを作成の仕方について主に記している。
 
 まず、プロトタイプの利点として、々發ぅ譽戰襪妊廛蹈瀬ト像の認識一致▲スタマーの潜在ニーズがつかめるB人佑淵僖拭璽鵑鮓‐擇任るぅ瓮鵐弌爾離皀船戞璽轡腑鵑向上する、といったことが挙げられる。そして、スタートアップが最初に作るのはペーパープロトで十分である。プロダクトの再現性は低くても、圧倒的に作成スピードが速いから有効である。ペーパープロト作成のポイントとして、プロト案をベースに複数作ってみる、スピード感と精度のバランスを保つ、メンバー全員で共有しながら作る、ということが重要である。
その際の留意点として、最低限のUI/UXデザインの原則に沿って、設計し、カスタマーがプロダクトのUXに期待するメンタルモデルを想定し、カスタマーにプロダクトの使い方を学ぶことを強制しない、市場で既に受け入れられているプロダクトのUXを調べることが大切である。そして、ペーパープロトでストーリーの候補が固まってきたら各種ツールを使ったプロト(ツールプロト)を用意する。ツールプロト作成のポイントとして、直感的に使用でき、使いやすいか、デザインに一貫性があるか、機能の優先順位は明確か、可逆性は担保されているかが挙げられる。その際、作る人と顧客の声を聞く人が同じであれば失敗を防ぐことにつながるため、初期のスタートアップが役割分担に厳密な境界線を設けてはいけない。

 快適度を調査するためにユーザーに操作してもらいながらプロダクトインタビューを行う。インタビュー結果を受け、プロトタイプカンバンボードの「バックログフィーチャー」に追加し、検討課題にしていく。Problem Solution Fit終了の条件となる質問として、顧客がそのソリューションを利用する理由を明確に言語化できるか?・ソリューション仮説の磨きこみを通じてカスタマーが持つ課題の理解がさらに深まったか?・その課題を解決できる必要最小限の機能を持つソリューションの洗い出しができているか?・一時的UX、予期的UX、エピソード的UX、累積的UXを含めたカスタマーが期待できること全体を把握できているか?という質問が挙げられる。そして、デザインスプリントメソッドとは、ソリューション仮説のプロセスを、より高速に実践する開発メソッドを行うことも重要である。

本書のコラムとして、共同創業するチームを作り方を紹介している。ProgramSolutionFitの段階になるとある程度工数のかかる仕事が出てくる。その際、メンバー同士で役割分担をすること、一人一人のコミットメントの強さを見極めることが大切になる。また、知能レベルが最高でなくても最大限粘り強さを発揮して努力する人・頑固さと柔軟さをバランスよく持っている人・つらいときにお互いを支えあうことが出来る人・共闘できる励ましあえる人と共同す行することが理想的である。また、理想的な創業チームの役割として、・ハッカー(開発者)・ハスラー(敏腕な仕事人)・ヒップスター(流行に敏感な人) ・ストラテジスト(戦略家)・ビジョナリーの組み合わせが大切である。1人2人役をこなしても構わない。上記の役割をこなせるメンバーが共同メンバーにいることが大切である。メンバー全員がカスタマーとの会話に集中し、それぞれのスキルを活用することが大切。専門分野を持ちつつも2.3役出来るゼネラリストとして働くことが大切。メンバーの平均人数を減らして各自が幅広い仕事をやると、カスタマーの反応から技術課題まで多くのことを学ぶことが出来る。そして、ビジョンは同質で、スキルは異質な人を選ぶことで、お互いの弱みを補完しながら、同じ方向に進むのが最も効率が良い方向に進むことができる。

【ディスカッション】

本書p177より、1人2役などゼネラリストとして働き、共同創業メンバーの平均人数を減らして各自が幅広い仕事を手掛けることが重要とあるが、なぜ実際成功しているスタートアップの企業は、役割の数を多く上回るメンバー数(7.5人)になってしまっているのか?(※stinchcombe(1965)は、共同創業者5人以上は避けるべきと述べている)

まず、平均人数が多くなっている、大人数でも成功できている要因を挙げてもらった。資金にこだわるメンバーが少ない・資金の制約がない・成功要因に人数は関係ない、といった資金面をうまく補えていたから大人数でも成功している意見が多く挙がった。そこで、資金面で困らない状況が整っていれば、中野ゼミナール生が共同創業チームを組む際、大人数を選ぶのか、それとも筆者が述べているように2.3名程度の少人数を選ぶのかディスカッションしてみた。結果的に少人数のチームを選ぶ人が多かった。その理由として、業務分担に時間を書ける必要が無い・コミュニケーションが密にできる・意見のすりあわせがし易くピボットし易い・意思決定に時間がかからないといった意見が出た。一方、大人数派の意見として、多様な切り口から意見が出る・一人ひとりの業務に集中できる・競争意識が生まれるといった意見が生まれた。

結論として時間的制約があるスタートアップでは、資金に関係なく、少人数の共同チームで、効率やコミュニケーションを密にとってチームとして1つになることが重要だとわかった。ディスカッションの課題として、前提条件(資金配分の詳細・大人数の定義)がフロア側でしっかりとできていなく議論が停滞してしまったことが挙げられる。


ほそだ(4年)






起業の科学 Chapter3-1

【要約】
 
 本章では、プロダクトやサービスのプロトタイプを作成し、インタビューなどでカスタマーが痛みを感じる課題を解決できるかを検証していく手順を紹介している。

 まず初めにプロトタイプカンバンを使用して、ペルソナとカスタマージャーニーの検証結果を踏まえたソリューション仮説を磨きこんでいく。このプロトタイプカンバンを使用することで、ヽ悗咾筝‐撻廛蹈札垢明確になりメンバー間のコミュニケーションが活性化する、適切なタイミングでカスタマーからのフィードバックを得るプロセスを担保する、ボトルネックの部分がわかり適切にリソース配分ができる、といった3つのメリットを享受することができる。
 
 次にカンバンボードを使用して課題を設定し、価値提案・ソリューションを考えていく。そしてソリューションを実現するためのフィーチャー(構成要素)をいくつか挙げて、それが本当にカスタマーの課題を解決できるかどうかを問うインタビューを行う。このインタビューでは対象者に、「Must-have」、「Nice-to-have」、「Don’t need」の3段階に分けて評価をしてもらい、それを基にフィーチャーの順位付けを行っていく。
 
 インタビューで実装すべきMust-haveのフィーチャーがわかったところで、UXブループリントを作成していく。まず初めにエレベーターピッチを作る。これを作ることで課題とその解決方法、他のサービスとの異なる点をカスタマーにプレゼンできるようにしておく。またエレベーターピッチを作ることで、自分たちのやろうとしていることを明確にすること、チームの意識をカスタマーに向けること、核心を捉えることを可能にする。このようなソリューションインタビューやエレベーターピッチで頭を整理し、Must-haveのフィーチャーを基にUXブループリントを作っていく。ここで重要となるのが、UX全体を想定することである。たとえ優れたビジネスモデルであっても顧客を定着させるには、利用前と利用後までの包括的なUXが必要なのである。


【ディスカッション】
 
 P143の図3-1-2によると、失敗するスタートアップはプロダクトの検証が終わる前にプロダクトを最適化してしまうと言われていた。ここでいう最適化とは、プロダクトの製造コストやサービスのコストを下げたり、Nice-to-haveの機能を加えることでプロダクトの制度を高めることである。この段階の最適化に価値がないとは言えないが、まだプロダクトの検証が済んでいない段階で最適化をしてしまうのは早すぎるだろう。しかし、本章では最適化をしてしまう理由については書かれていない。ではなぜ失敗するスタートアップはプロダクトの検証が終わる前に最適化をしてしまうのかをディスカッションポイントとした。
 
 ディスカッションの流れとしては、まず各々が考える最適化に走ってしまう原因を述べてもらい、その中で最も最適化をしてしまうと考えられる原因を一つに絞り、その解決策を述べてもらった。意見としては、最適化をしないとそのプロダクトが売れない、先走って最適化をしてしまう、起業家は確証バイアスが強いため我流で進めてしまう、もうすでにプロダクトの検証が終わったと思い込んでしまっている、カスタマーの本当のニーズを把握せずに進めてしまうといったものが挙げられた。この中で最も最適化をしてしまう原因を、最適化をしないとそのプロダクトが売れないという意見とした。そもそもMust-haveのフィーチャーだけでは魅力がなく、Nice-to-haveを加えて最適化をしないとカスタマーに必要とされないと考えてしまうのだ。そしてその解決方法としては、カスタマーにインタビューをしてそのプロダクトにつけるMust-haveとNice-to-haveを見極めるしかないという意見が挙がった。つまり、スタートアップ自身が最適化をしないと売れないと考えてしまっているだけなので、無駄に要素を付ける前にインタビューで本当に必要なものを聞き出し、まずプロトタイプを出すということを心がけるべきなのである。
 
 今回のディスカッションでは「誰目線でどのような状況なのか」という部分で前提があやふやとなってしまい、個々人の価値観で意見を述べてもらう結果となってしまった。そのため、最も最適化をしてしまう原因に個人差が出てしまい、全体での意見の統一が困難となった。しかし、今回のディスカッションによって、何かを提案する際に先にあれこれ要素を盛り込むのではなく、まず自分たちのプロダクトが本当に必要とされているものなのかを検証する大切さを理解することができた。この先、誰かに向けて何かを提案するということがあれば、是非活用してもらいたい。

やくら(3年)

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