起業の科学Ch5

要約
 プロダクトがPMFを達成したスタートアップは、その後スケールしていくが、その前にユニットエコノミクスが健全化されているか確認する必要がある。ユニットエコノミクスとは、顧客1人あたりの採算性のことで、ユーザーを1人獲得した時に、利益が出ているのか損失が出ているのかを表す指標である。LTV(生涯利益)からCPA(顧客獲得コスト)を引き、その結果プラスであれば健全化されていると考えて良い。
 LTVを高めるためには、顧客を定着させることが最重要である。その手法として、マジックナンバーを超えさせること、熱狂顧客を作り出すこと、ヒアリングによって定着率が低い理由を分析することが挙げられる。一方、CPAを下げるためには、有料の顧客獲得とオーガニックの顧客獲得を使い分けすることが重要であると述べられている。
 本書全体のまとめとしては、「リーン・スタートアップ」で打ち出された「Build(構築)-Measure(測定)-Learn(学習)」のループをいかに効率よく回し、どれだけカスタマーの反応を精緻にとらえられるかが重要であるということである。スケールすることで、スタートアップは一般企業へと自己改革していく段階を迎えるが、「構築-測定-学習」のループを回すことの有効性は変わらない。

ディスカッション
 本章においては、ユニットエコノミクスを健全化してからスケールをすべきという話がされていたが、これらの過程を飛ばしてスケールしようとしてしまうスタートアップは、なぜユニットエコノミクスを健全化せずにスケールしてしまうのかというディスカッションを行った。
 結果、競合が出てきて焦ったからといった意見や、短期的視点しか持てていなかったという意見、目先の利益しか見えていないという意見、ネットワーク外部性によってあとで取り返せるだろうという楽観的思考という意見が挙げられた。これらの中から、競合が出てきたからという場面に絞り、その場合どうしていけばいいのかというディスカッションを行ったところ、ユニットエコノミクスを健全化させるよりも先にデファクトスタンダードを取りに行くべきという意見が多く挙がった。デファクトスタンダードを取ることで、まずは競合に打ち勝ち、その後ユニットエコノミクスを健全化し利益を回収していくというフローにすることで、競合に対して常に優位であり続けることができるという結論となった。
 今回のディスカッションでは、ユニットエコノミクスを健全化するよりも先にスケールすべきという、「起業の科学」に書かれている内容と違った結論に至ったというため、面白い議論になった。しかし、ディスカッションでは一部の意見が強くなってしまっていて反対意見が出にくかった面もあり、そういった部分は今後のディスカッションで課題となるだろう。これにて2018年度中野ゼミナールの輪読は完結である。
きたはら(4年)

起業の科学Ch4.pp218-245

要約
通常、MVPを市場に投入して最初の学びを得た後は、それをもとに軌道修正した二回目の移行のユーザーストーリーに取り掛かることになる。二回目以降のスプリントで重要になってくることは、今回作るMVPと前回のMVPを定量分析で比べた時に、数値的な改善がみられているかを確認することだ。ここで重要なのは、分析で得られた細かい数字なのではなく、カスタマーの評価が前回よりも明らかに改善しているかどうかという点だ。このスプリントのサイクルを抜け出す条件は、カスタマーが継続的に欲しがるプロダクトを実装し、PMFを達成した時だ。PMFを達成していると判断できるのは、ユーザーの高いリテンションを保てているとき、カスタマー獲得から売り上げを獲得するまでのながれが確立されているとき、リーンキャンバスの項目全体を見て成立しているとき、の三つの条件を満たす場合である。
 ユーザーの定着率を上げるためには、上記の大きな軌道修正に加え、「UX改善」という小さな軌道修正を常に継続していくことも重要である。しかし、UXを改善するといっても、単純にプロダクトの機能を増やせばよいわけではない。必要以上に多くの機能を追加してもほとんど使われず逆効果になってしまうことが多い。正しいUXの改善方法は「UXエンゲージメントモデル」と呼ばれ、10段階でユーザーが熱中するようなUXを作りこむことができる。
 MVPを市場に投入しスプリントとUX改善を繰り返してもPMFを達成できない場合は、プロダクトのピボットを検討しなければならない。MVPで徹底的に学んだ結果としてピボットが最善である判断したら、リソースの浪費を招かぬよう早めに決断しなければならない。しかし、当然のことながらピボットする事自体にも、UXの改善や新たなストーリーの実現などより大きな費用がかかる。そのためピボットできる回数にも限りがあることを忘れてはならない。
ディスカッション
ディスカッションポイントは、「なぜやりきれないピボットは、起きてしまうのか。筆者は起業家の「粘り強さ」の欠如が原因であると述べているが、何故粘れないのか。」であった。
このディスカッションポイントの発表者の意図としては、筆者がやってはいけないピボットとして挙げている、UXを磨き込む事が出来ないまま、なんとなくピボットをしてしまう場合と、ピボットの意思決定基準である、ユーザーの定着率ら伸びているが、市場で支配的ポジションを獲得できなさそうな場合で起きるジレンマの際に、どのように意思決定をするのかを議論する為だった。なぜならば、市場で支配的なポジションを取れるか取れないかを事前に認識するのは難しいと考えたからである。
議論では、定着率が上昇していることを前提とし、それによって課題仮説、価値提案の部分がユーザーのニーズと一致している事を前提として行われた。
意見として、「そのままUXを磨き込んでも定着率を市場の支配的なポジションが取れるまでする事が可能なのか、という部分に不安を持ち根拠のない主観的なピボットをしてしまう。」や「当初予定していたスプリント回数に達してしまったため、そのままではリソースの確保が困難になってしまい、ピボットするのではないか」などという意見が出た。大きく11個の意見が出たが、発表者の意図に基づいてそれらの意見のうち3つに絞って、議論を進めた。その3つは以下の意見である。「競合に支配的なポジションを取られるのではないかという焦りからピボットを行なってしまう」、「PMF達成までの目処がついているが、長くなってしまい市場で支配的なポジションを取られてしまうため、ピボットを行なってしまう」、「市場の動きや他社の動きが活発になり、そのままでは市場で支配的なポジションを取れないと考えてしまう」の3つである。これらの状況においてどのようにピボットするかしないかの判断をするかを、議論した。
ここでは、「様々な意見が出たアイデアの模倣や損失を考慮して、スプリントを回すという判断をする」や、「成長ペースを上げることを課題としてピボットする」などの意見がでた。
結論としては、ピボットをする側の判断基準として定着率の上昇ペースを考慮していた。具体的に出た案としては、チャネルピボットを行い、より多くのユーザーに認識させる事で、使用率と定着率の上昇を狙ったものだった。スプリントを回すという意見としては、大きく捉えると埋没費用を考えたチームのモチベーション維持が可能であるかという部分が判断基準になっていた。
4年みかだ



起業の科学 Chapter4-1〜4-4

【要約】
これまでの章で述べられてきたことを、ここで実際に市場テスト用プロダクトMVP(ミニマム・バイアブル・プロダクト)を投入して、狙った顧客が本当に欲しがるプロダクトになっているかどうか検証する。早く成果を出そうと焦るあまりすぐにMVPを作り始めて失敗するスタートアップが多い。MVPでも作るのには数か月かかり、リソースの少ないスタートアップにとって致命傷であるため、課題仮説や価値仮説の検証を十分に行った上でMVPを構築することが重要となる。
次に、MVPでニーズの有無を探る。本書で挙げられている例は、人の移動手段をサポートするプロダクトである。AからBへと人の移動をサポートするプロダクトを作っている場合、「AからBに移動したいと思うのか」(課題仮説)を検証する必要がある。
MVPとして良い例は、スケートボード(必要最低限移動する機能だけを備えた製品)であり、悪い例としては、車輪(車輪だけでは人が移動する道具としては使えない)が挙げられている。
MVPの型としては、ランディングページMVP、オーディエンスMVP、コンシェルジュMVP、動画MVP、ピースミールMVP、ツールMVPがある。
次に、MVPからの学びを最大化するのだが、この時チームの学びを最大化する手法として、「スプリントキャンバス」「スプリントカンバンボード」が挙げられている。「スプリントキャンバス」とは、MVPによる実験1回ごとに何を学んだか整理できる表である。本書P.199の図の4−2−2のように1〜5段目まであり、それぞれの段で書くことが決まっている。一方「スプリントカンバンボード」は、作業の流れにあわせて、左から右のステージへ付箋を動かして進捗状況を可視化するツールである。プロトタイプカンバンボードとほぼ同じ使い方をするが、管理する内容はスプリントの作業内容に合わせる。
スプリントキャンバスの流れは、MVPで実験したいユーザーストーリー(ユーザーが製品を使って課題を解決するときの機能の塊)を書き出す、実験したいストーリーを選ぶ、ストーリーの実装イメージやコストを検討するといったものである。
ここでMVPを市場に出す話になるが、その際に大事なことが2つある。それは、MVPは恥ずかしい状態で、できるだけ早く市場に出すことと、生の声を大事にすることである。その際、マーケティングよりも直接対話することが重要となる。
MVPの評価のため、カスタマーからのフィードバックを元に定性的、定量的な分析を進めていく。一般的には指標としてKPI(重要業績評価指標)を用いるが、スタートアップではAARRR指標(海賊指標)を元にKPIを設定する。定量的計測が重要な理由としては、目標に向かって自分たちがどんな位置にいるか正しく認識できること、KPIは創業メンバーなど、ステークホルダー間で使えるゆるぎない共通言語になること、目標と現状のギャップが数値で可視化され、そのギャップを埋めるアクションを導きやすいことがある。この時、MVPの最重要KPIは定着率であるため、スタートアップはまず少人数に熱狂的に愛されるプロダクトを作るべきである。KPIを設定・変更する際に陥りやすいポイントは、結果指標しか見ていないこと、アクションできない指標を見てしまうこと、一見相関性があるように見えるだけの指標を用いてしまうことであるため注意が必要である。
最後に、カスタマーのことを本当に理解するには、カスタマーがどのようにプロダクトに触れて、どのように感じているのかの全体像を必要がある。そのため、インタビューリスト(詳細は本書p.215)を使用する。定量、定性情報が集まったらその意味をチーム全体で言語化するとよい。この時、『暗黙知』と『形式知』に分けて考えるとよいとされている。

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今回は、ディスカッションポイントを「中野ゼミにおけるチーム研究において、インナー大会へ提出する提案を本書のMVPとした際、市場に出し、カスタマーに届けるタイミングはどの段階が最適か」としてディスカッションを行った。

ディスカッションにおいて出た意見は以下の通りである。
・インナー大会での評価基準にもなっている、「新規性」「ビジネス性」「実現可能性」が揃ったタイミング(1回目のMVPの場合はすべてが揃っていなくても市場へ出す価値はある)(理由:恥ずかしい状態のため)
・「実現可能性」だけでもあることができたタイミング(=協力者(企業)が現れたタイミング)
・ニーズを求めている顧客を集客できる状態にいったタイミング
・課題、ニーズの根本を抑えたタイミング

ディズカッションの末、上記のような意見が出た。これまでMVPを固め、市場へ出すことができずインナー大会へ臨んだチームがいくつかあったわけであるが、そのチームはなぜできなかったのかを次にディスカッションした。

・ニーズを見つけるのが遅く、PDCAをまわすことができていなかったため。
・リソース(人、資金、情報、時間)不足のため。
・ペルソナ設定が遅かったため。
・ゴール設定、目標設定をすることができていなかったため。

上記の意見を踏まえ、来年度のチーム研究はどうすればよいのだろうか。

・インタビュー調査をはやく行う。
・自分たちが持っているリソースをフル活用する。
・課題を見つけ、ペルソナ設定をいち早く行う。

このディスカッションにおいて最も多かった意見は、リソース不足であった。
しかし、学生の動ける範囲には限りがあるため、来年度に活かす事ができる意見としては、課題をしっかり捉え、ペルソナ設定をいち早く行うことなのではないだろうか。
チーム研究において、テーマを考え、そこから課題、対象顧客を設定していくことは大変であるが、来年度から今回の輪読で学んだことを活かし励んでいくべきだろう。



いいむら(4年)











起業の科学 Chapter3-2・Chapter3-3

【要約】 
 本章では、UXブループリントをもとにプロダクトやサービスのプロトタイプを作成の仕方について主に記している。
 
 まず、プロトタイプの利点として、々發ぅ譽戰襪妊廛蹈瀬ト像の認識一致▲スタマーの潜在ニーズがつかめるB人佑淵僖拭璽鵑鮓‐擇任るぅ瓮鵐弌爾離皀船戞璽轡腑鵑向上する、といったことが挙げられる。そして、スタートアップが最初に作るのはペーパープロトで十分である。プロダクトの再現性は低くても、圧倒的に作成スピードが速いから有効である。ペーパープロト作成のポイントとして、プロト案をベースに複数作ってみる、スピード感と精度のバランスを保つ、メンバー全員で共有しながら作る、ということが重要である。
その際の留意点として、最低限のUI/UXデザインの原則に沿って、設計し、カスタマーがプロダクトのUXに期待するメンタルモデルを想定し、カスタマーにプロダクトの使い方を学ぶことを強制しない、市場で既に受け入れられているプロダクトのUXを調べることが大切である。そして、ペーパープロトでストーリーの候補が固まってきたら各種ツールを使ったプロト(ツールプロト)を用意する。ツールプロト作成のポイントとして、直感的に使用でき、使いやすいか、デザインに一貫性があるか、機能の優先順位は明確か、可逆性は担保されているかが挙げられる。その際、作る人と顧客の声を聞く人が同じであれば失敗を防ぐことにつながるため、初期のスタートアップが役割分担に厳密な境界線を設けてはいけない。

 快適度を調査するためにユーザーに操作してもらいながらプロダクトインタビューを行う。インタビュー結果を受け、プロトタイプカンバンボードの「バックログフィーチャー」に追加し、検討課題にしていく。Problem Solution Fit終了の条件となる質問として、顧客がそのソリューションを利用する理由を明確に言語化できるか?・ソリューション仮説の磨きこみを通じてカスタマーが持つ課題の理解がさらに深まったか?・その課題を解決できる必要最小限の機能を持つソリューションの洗い出しができているか?・一時的UX、予期的UX、エピソード的UX、累積的UXを含めたカスタマーが期待できること全体を把握できているか?という質問が挙げられる。そして、デザインスプリントメソッドとは、ソリューション仮説のプロセスを、より高速に実践する開発メソッドを行うことも重要である。

本書のコラムとして、共同創業するチームを作り方を紹介している。ProgramSolutionFitの段階になるとある程度工数のかかる仕事が出てくる。その際、メンバー同士で役割分担をすること、一人一人のコミットメントの強さを見極めることが大切になる。また、知能レベルが最高でなくても最大限粘り強さを発揮して努力する人・頑固さと柔軟さをバランスよく持っている人・つらいときにお互いを支えあうことが出来る人・共闘できる励ましあえる人と共同す行することが理想的である。また、理想的な創業チームの役割として、・ハッカー(開発者)・ハスラー(敏腕な仕事人)・ヒップスター(流行に敏感な人) ・ストラテジスト(戦略家)・ビジョナリーの組み合わせが大切である。1人2人役をこなしても構わない。上記の役割をこなせるメンバーが共同メンバーにいることが大切である。メンバー全員がカスタマーとの会話に集中し、それぞれのスキルを活用することが大切。専門分野を持ちつつも2.3役出来るゼネラリストとして働くことが大切。メンバーの平均人数を減らして各自が幅広い仕事をやると、カスタマーの反応から技術課題まで多くのことを学ぶことが出来る。そして、ビジョンは同質で、スキルは異質な人を選ぶことで、お互いの弱みを補完しながら、同じ方向に進むのが最も効率が良い方向に進むことができる。

【ディスカッション】

本書p177より、1人2役などゼネラリストとして働き、共同創業メンバーの平均人数を減らして各自が幅広い仕事を手掛けることが重要とあるが、なぜ実際成功しているスタートアップの企業は、役割の数を多く上回るメンバー数(7.5人)になってしまっているのか?(※stinchcombe(1965)は、共同創業者5人以上は避けるべきと述べている)

まず、平均人数が多くなっている、大人数でも成功できている要因を挙げてもらった。資金にこだわるメンバーが少ない・資金の制約がない・成功要因に人数は関係ない、といった資金面をうまく補えていたから大人数でも成功している意見が多く挙がった。そこで、資金面で困らない状況が整っていれば、中野ゼミナール生が共同創業チームを組む際、大人数を選ぶのか、それとも筆者が述べているように2.3名程度の少人数を選ぶのかディスカッションしてみた。結果的に少人数のチームを選ぶ人が多かった。その理由として、業務分担に時間を書ける必要が無い・コミュニケーションが密にできる・意見のすりあわせがし易くピボットし易い・意思決定に時間がかからないといった意見が出た。一方、大人数派の意見として、多様な切り口から意見が出る・一人ひとりの業務に集中できる・競争意識が生まれるといった意見が生まれた。

結論として時間的制約があるスタートアップでは、資金に関係なく、少人数の共同チームで、効率やコミュニケーションを密にとってチームとして1つになることが重要だとわかった。ディスカッションの課題として、前提条件(資金配分の詳細・大人数の定義)がフロア側でしっかりとできていなく議論が停滞してしまったことが挙げられる。


ほそだ(4年)






起業の科学 Chapter3-1

【要約】
 
 本章では、プロダクトやサービスのプロトタイプを作成し、インタビューなどでカスタマーが痛みを感じる課題を解決できるかを検証していく手順を紹介している。

 まず初めにプロトタイプカンバンを使用して、ペルソナとカスタマージャーニーの検証結果を踏まえたソリューション仮説を磨きこんでいく。このプロトタイプカンバンを使用することで、ヽ悗咾筝‐撻廛蹈札垢明確になりメンバー間のコミュニケーションが活性化する、適切なタイミングでカスタマーからのフィードバックを得るプロセスを担保する、ボトルネックの部分がわかり適切にリソース配分ができる、といった3つのメリットを享受することができる。
 
 次にカンバンボードを使用して課題を設定し、価値提案・ソリューションを考えていく。そしてソリューションを実現するためのフィーチャー(構成要素)をいくつか挙げて、それが本当にカスタマーの課題を解決できるかどうかを問うインタビューを行う。このインタビューでは対象者に、「Must-have」、「Nice-to-have」、「Don’t need」の3段階に分けて評価をしてもらい、それを基にフィーチャーの順位付けを行っていく。
 
 インタビューで実装すべきMust-haveのフィーチャーがわかったところで、UXブループリントを作成していく。まず初めにエレベーターピッチを作る。これを作ることで課題とその解決方法、他のサービスとの異なる点をカスタマーにプレゼンできるようにしておく。またエレベーターピッチを作ることで、自分たちのやろうとしていることを明確にすること、チームの意識をカスタマーに向けること、核心を捉えることを可能にする。このようなソリューションインタビューやエレベーターピッチで頭を整理し、Must-haveのフィーチャーを基にUXブループリントを作っていく。ここで重要となるのが、UX全体を想定することである。たとえ優れたビジネスモデルであっても顧客を定着させるには、利用前と利用後までの包括的なUXが必要なのである。


【ディスカッション】
 
 P143の図3-1-2によると、失敗するスタートアップはプロダクトの検証が終わる前にプロダクトを最適化してしまうと言われていた。ここでいう最適化とは、プロダクトの製造コストやサービスのコストを下げたり、Nice-to-haveの機能を加えることでプロダクトの制度を高めることである。この段階の最適化に価値がないとは言えないが、まだプロダクトの検証が済んでいない段階で最適化をしてしまうのは早すぎるだろう。しかし、本章では最適化をしてしまう理由については書かれていない。ではなぜ失敗するスタートアップはプロダクトの検証が終わる前に最適化をしてしまうのかをディスカッションポイントとした。
 
 ディスカッションの流れとしては、まず各々が考える最適化に走ってしまう原因を述べてもらい、その中で最も最適化をしてしまうと考えられる原因を一つに絞り、その解決策を述べてもらった。意見としては、最適化をしないとそのプロダクトが売れない、先走って最適化をしてしまう、起業家は確証バイアスが強いため我流で進めてしまう、もうすでにプロダクトの検証が終わったと思い込んでしまっている、カスタマーの本当のニーズを把握せずに進めてしまうといったものが挙げられた。この中で最も最適化をしてしまう原因を、最適化をしないとそのプロダクトが売れないという意見とした。そもそもMust-haveのフィーチャーだけでは魅力がなく、Nice-to-haveを加えて最適化をしないとカスタマーに必要とされないと考えてしまうのだ。そしてその解決方法としては、カスタマーにインタビューをしてそのプロダクトにつけるMust-haveとNice-to-haveを見極めるしかないという意見が挙がった。つまり、スタートアップ自身が最適化をしないと売れないと考えてしまっているだけなので、無駄に要素を付ける前にインタビューで本当に必要なものを聞き出し、まずプロトタイプを出すということを心がけるべきなのである。
 
 今回のディスカッションでは「誰目線でどのような状況なのか」という部分で前提があやふやとなってしまい、個々人の価値観で意見を述べてもらう結果となってしまった。そのため、最も最適化をしてしまう原因に個人差が出てしまい、全体での意見の統一が困難となった。しかし、今回のディスカッションによって、何かを提案する際に先にあれこれ要素を盛り込むのではなく、まず自分たちのプロダクトが本当に必要とされているものなのかを検証する大切さを理解することができた。この先、誰かに向けて何かを提案するということがあれば、是非活用してもらいたい。

やくら(3年)

起業の科学 Chapter2


【要約】
 前章でリーンキャンバスを用いた課題仮説を練り上げた。そこで。本章ではカスタマーとの課題の一致を目的に、課題仮説を磨き上げる方法を紹介している。
 
前の章で作り出したPlan Aはあくまでユーザーと話す前の「仮説」である。そのため、課題を磨きこむ必要がある。実際に、失敗したスタートアップの74%は課題の検証を十分に行わずにいきなりプロダクト開発を行っていた。これが、プレマチュア・スケーリングと言われるスタートアップが死んでしまう一番の理由なのである。このような重要であるはずの課題の検証をスキップする原因の一つに思考のバイアス、思い込みがある。これは誰にもあることだが起業家は特に確証バイアスが強い人が多い。そこで、この思い込みの罠にはまらないために自分自身が物事や課題をどう認識しているかについて客観的にとらえ、それを可視化・言語化する「メタ認知」の視点が必要になる。自分の考え方を可視化・言語化するツールとして、ペルソナ分析・カスタマージャーニーなどいくつかの方法を本章で取り上げている。

 課題を検証するときの最初のステップは、マーケティングの定石であるペルソナの想定だ。このペルソナを想定する3つの目的があり、1つ目がプロダクトの設計プロセスを人間中心、課題中心にするためである。2つ目に、特定の人に刺さるサービスを考えていくアプローチを取ることで、スタートアップが陥りがちな「あらゆる人に気に入られなくてはいけない」という無駄な考えを拭い去るため。3つ目に、チーム内でイメージを共有するためだ。そして、このペルソナ像をさらに深堀する時に使えるのがエンパシーマップである。これは、対象となるペルソナの心理状態を深堀する時に活用できるフレームワークである。しかし、ペルソナやエンパシーマップを使っても、ペルソナのみだと柔軟すぎることがある。そこで、それを回避し、よりリアルなカスタマー像を浮かび上がらせるためにはカスタマージャーニーを考えてみることが重要である。カスタマージャーニーとは、現在カスタマーがどのような心理状態でどのようなステップを踏み、ある行為を完遂しようとしているのかをカスタマーの動きに沿って明らかにしていくものである。

 ここまでで、課題仮説はより臨場感あふれるものになってきた。この見えてきた課題仮説をさらに深堀する手段として「ジャベリンボード」が薦められている。ジャベリンボードはカスタマージャーニーで出てきた複数の課題をどの課題の痛みが強いのか、代替案は役に立たないのかなど要素を絞り込むものである。そして、これらによって検証すべき前提条件が洗い出され言語されてきたら、カスタマーと直接対話することになる。その時には、どのようにインタビューの相手はどう選定すればよいのだろうか。そこで薦められているのが「エバンジェリスト」や「アーリーアダプター」と呼ばれる、流行に敏感な人達である。実際にこのような人たちにコンタクトすることが出来たら、インタビューに移る。その際の心得として5つのポイントが述べられている。
 そして、このインタビュー結果をベースにして課題の真因を言語化する手段として有効なのがKJ法である。KJ法では、インタビュー内容を分析して、建前やリップサービスなどのノイズの奥から本音、潜在的課題、現象の裏側にある真因を引き出せるかがフォーカスである。


【ディスカッション】

 本書P130にあるプロダクトの全体設計を受け持つファウンダー自ら、カスタマーの本当に欲しいものが何かを深く知っていることが、大企業に対するスタートアップの最大の競争優位性になると述べられている。
しかし、私達はスタートアップの最大の競争優位性は他のところにあるのではないかと考え、ゼミ生が考える大企業に対するスタートアップの最大の競争優位性は何かについてディスカッションした。

 まず挙がった意見としては、本書で述べられていることこそが最大の競争優位であるという意見である。実際大企業でもカスタマーが本当に欲しいものを知っているが、スタートアップの場合、その情報をファウンダー自らが持っているため、直接製品に活かすことが出来る。もしくは、大企業の場合知っている情報は、N数だけ多い情報で、実際にインタビューまでは行っていなくて、そこまで深い情報を得ようとしてはいないのではないかという意見だった。

 しかし、当初考えていたように本書で述べられている競争優位以外にも様々な意見が挙がった。多く挙がったのが、組織の小ささからくるものだった。組織が軽い分、意思決定のスピードが速くなることや、組織が小さい分、情報の共有がしやすいなどである。その他にも自分がやりたいことを持っている人が集まるためパワーをもって仕事をすることが出来ること、ステークホルダーが少ない分、しがらみがないので様々なことに挑戦することが出来るなどの意見が挙がった。しかし、競争優位はもちろん1つではないため、それぞれの考え方が挙がり、最大という1つに集約することは出来なかったが、課題検証の点においては本書で述べられている意見が最大の競争優位性になるのではないかと結論付けた。

つばき(4年)

起業の科学 Chapter 1-4 PlanA (最善の仮説)を作成する

[要約]
1.リーンキャンバスの書き方
 前回までの章では、主にアイデアをブレストするときのヒントになるものが書かれていたが、本章ではそのアイデアを形にしてく方法が述べられていた。
 アイデアを形にしていく方法の一つとして、事業計画書が存在する。基本的にはこれが使われているが、作成するための時間がかかりすぎるため、スタートアップ企業には向いていないと筆者は述べている。そこで推奨しているのが「リーンキャンバス」である。「リーンキャンバス」はホワイトボード一枚で10分程度で完成させることができる。
 「リーンキャンバス」とは、アッシュ・マウリャ氏が著書の『Running Lean』で提唱していたスタートアップのビジネスモデルをビジュアル化するためのツールのことである。これに近いものとして、ビジネスモデルキャンバスというものが存在する。しかし、これはリソースがある大企業が新規事業を検討するときに、最適なフレームワークのため、スタートアップには不適切であるという。ちなみに「Lean」とは無駄のないという意味があり、そのようなスタートアップにとってはあまり関係のないリソースの部分を削り、⑴カスタマー⑵課題⑶プロダクトという、スタートアップにとって重要な部分に焦点を当てて作られたのが「リーンキャンバス」である。
 「リーンキャンバス」は9つのブロック(_歛雖顧客セグメントF伴の価値提案ぅ愁螢紂璽轡腑鶚ゥ船礇優覘収益の流れД灰好塙渋き┝舁彁愽賢圧倒的な優位性)に分けられており、それぞれの項目をうめていく。誰のどんな課題を解決するのか、ということがスタートアップの土台になるため、〜をしっかり考えるべきであり、それ以外は〜が変わることでガラリと変化することがあるので、そこまで深掘りする必要はないという。
 近年はAirbnbやメルカリなどのツーサイデッド・マーケット市場が拡大してきている。供給サイドと需要サイドにカスタマーがいるビジネス市場であるため、供給側が増えれば需要側が増え、需要側が増えると供給側が増えるというサイクルになっている。そのため、両者にとって高いバリューを提供する必要がある。なので、供給側と需要側の二つにわけてリーンキャンバスを書き込む必要があるという。

2.リーンスタートアップ型モデル
 代表的な二つのビジネスモデルがある。
 一つはウォーターフォール型モデルである。これはプロダクトの要件を最初に磨き込んで仕様書通りにリリースするモデルである。そのため、時間がかかり、学習タイミングが遅くなることや使わない機能が発生する可能性がある。
 もう一つは、リーンスタートアップ型モデルである。これは、プロダクトの完成形を作らず、検証目的の最小限のプロダクトをリリースするモデルである。早い段階からカスタマーのフィードバックを得られるため、顧客目線で軌道修正を行うことができ、早い段階での学習をすることができる。近年、プロダクトの移り変わりが早くなってきたので有効な手段であるという。

3.ピボッドの重要性と留意点
 ピポッドとは、「ビジョンを変えずに戦略を変えること」である。ピポッドを行うことは、スタートアップ全体の方向転換にあたる非常にインパクトのある行動である。そのため、メンバーの納得感がないまま、ピポッドを行うと組織崩壊につながる可能性がある。また、ピポッドは積み上げてきたものを捨て去る行為なので、時間も資金もないスタートアップが気軽に行うべきではない。
 このようなことにならないためにも「リーンキャンバス」を使用すべきだという。リーンキャンバウを使い、見える化することでメンバー内でブレストし、みんなが納得するビジネスモデルを構築していくべきである。
 しかし、ピポッドしていいのはあくまで戦略だけであり、ビジョンをピポッドしてはいけない。ビジョンをピポッドしてしまうと全く違う企業になってしまうし、自分ごとから離れていってしまうからである。
 スタートアップ企業がPMFを達成するまでの道のりはかなり険しいという。それは資金が尽きるまでにピポッドを繰り返し行い、軌道に乗せなければならないからである。「スタートップは”Hard Things”の連続であり、”Hard Way”を歩んだものだけが成功する」というベン・ホロウィッツの言葉通り、スタートアップ企業は険しい道を乗り越えていかなければならないのである。

[ディスカッション]
 本章で取り上げられているリーンスタートアップ型モデルが提唱されたのは、2008年である。この時期と比べると大きく外部環境の変化が起こったと考えられる。
 そうすることで、リーンスタートアップ型モデルに対する否定的な意見も見受けられるようになってきた。それでもなお、本書で取り上げられていたり、企業に使われている実態がある。
 しかし、これは代替案がないため使われているのではないかと考えた。
 そこで、『その欠点を企業はどのように対応して、利用しているのか?』ということを議題に今回はディスカッションを行った。

 まずは、みんなに欠点だと思うことを挙げてもらい、それにどのように対応しているのだろうかということを議論していった。
 まず挙がった欠点として、最小限でも早く市場に商品を出すためプロダクトの情報が漏れてしまい、模倣される可能性があるのではないか?という欠点が挙がった。これに対応するために企業は、口止め料を払うや特許を取るという対応策が挙がった。資金が少ないスタートアップが口止め料を支払うだけの余裕がないので、大企業にとっては有効な策であるのではないかと議論された。特許を取るということに関しては、両者にとって有効的な対応策なのではないかとなった。
 次にニーズが多様化してきたため、フィードバックをもらったときにどの課題が本質的な課題なのかを判断するのが難しくなっているのではないかという意見が出た。それに対して、企業はアーリーアダプターに聞くこと、自分たちがターゲットにしようと考えている層にアプローチする、AIに学習させて検証を行う、という意見が挙がった。AIに学習させて検証を行うというのは、技術が発達してきた現代だからこそできる対応策であり、ユニークな意見が挙がった。
 次に大企業に関しての欠点として、未完成品を出すことでブランドイメージが傷つく可能性があるのでは?という意見が挙がった。これに対して、大企業はウォーターフォール型モデルを使うべきではないか、ペルソナ像をしっかりと想定し、そこの課題を解決できるような商品を作る、自社の名前を使わずに他の会社に作ってもらうorそういう会社を作る、という意見が挙がった。実際に様々な大手企業が自社の名前を隠しPBを作るなどの策を利用しているため、有効的な対応策なのではないかとなった。
 最後に近年はSNSが広まり簡単に情報が拡散される時代になったため、スタートアップにとっては未完成な商品を出すことで、企業の第一印象が悪くなってしまうのでは?という意見が挙がった。これに対して企業は、逆に改善された時も情報が拡散されやすいのでイメージアップにつながるのではないか、逆に炎上することを狙って少しでも注目してもらうことを狙っている企業もあるのではないかということが挙げられた。

 2008年と比べると、SNSやAIなどの技術が発展し、それを含んだ意見が多く挙げられた。AIを使って検証させることや、SNSを逆に利用し戦略を考えることなどユニークな意見も多く見受けられた。
 ここ10年で外部環境が大きく変化し、企業の取り巻く環境が変化してきた。そうすることで、より、プロダクトの変化も激しくなってきたのではないか。従来通りのやり方では乗り遅れてしまう企業も多く出てくると考えられる。しっかりと、時代の流れを読むことが大切であり、リーンスタートアップ型モデルで学習をいち早く行い、検証を繰り返すことの重要性が、より一層感じられる議論となった。
 今後、SNSなどの外部環境を含めたリーンスタートアップ型モデルに代わる、新たなモデルが提唱されていくのではないか。

うすくら(4年)

起業の科学 Chapter1-3


【要約】
本章ではスタートアップの肝でもあるアイデアの蓋然性を検証する方法を紹介している。つまり、自分がやろうとしているアイデアが、自分の人生を懸けてまで取り組むに値するかに判断を下すということだ。その判断において、なぜ今やるのかが非常に大切であると述べている。市場は常に変化するため、自分のアイデアが“今”受け入れられるのかを検証する必要がある。ベストなタイミングを見つける方法の1つとして、プロダクトの進化が止まっている領域を探すことが良いという。進化がとまっている原因は規制であるかもしれないし、市場がリーダーによって寡占されている場合など様々であるが、いずれにせよプロダクトの進化が止まっている領域に、その市場を再定義できるようなアイデアを投入することが有効な方法であると述べている。
 
この例のように市場の流れを読むことで自らのアイデアの蓋然性を検証することができる。このように市場の流れを読む際には、ミクロな視点ではなくまずマクロな視点で全体像を見る必要がある。そのために本書ではPEST分析が紹介されている。PEST分析とは4つの項目の頭文字をとっていて、それぞれP=politics(政治)、E=Economy(経済)、S=society(社会)、T=Technology(技術)である。政治について、法律や政治、規制の動きによってチャンスが到来することがある。例えば、一般住宅での旅行者宿泊を認める法案が2018年に施行される見通しだが、これは民泊事業関連のスタートアップには追い風である。経済について、アメリカの富裕層と貧困層の平均所得の格差拡大が進む中、貧困層を対象にした教育サービスなど、経済的な変化にもチャンスは隠れている。社会について、最近の健康志向などがまさにそれだろう。人々の嗜好の変化に合わせたアイデアが受け入れられるのだ。技術について、インターネットやスマートフォンがそうであったように、この先のテクノロジーの変化にもスタートアップのチャンスがある。技術の流れを把握したい場合は、『<インターネット>の次に来るもの 未来を決める12の法則』をぜひ参照して頂きたい。このようにPEST分析によってアイデアの蓋然性を検証することができる。
 
次にスタートアップのアイデアを検証する際、大企業と競争にならない事を確認しておきたい。大企業の戦う市場は競争が激しく、毎年、各社前年度の自社製品や他社製品を超えるべく活動している。そのため、大企業は持続的なイノベーションを行っているといえる。しかし、リソースで劣るスタートアップが持続的なイノベーションの中で戦うことは自殺行為である。スタートアップは、持続的イノベーションを壊す破壊的なイノベーションを起こさなくてはならない。破壊的なイノベーションに繋がる市場は、小さい場合やまだ誰も気づいていない可能性が高いが市場の成長性は高く、これをスタートアップが「組織の中心」に据えた組織デザインができれば、対企業に勝つための数少ない強みになる。
 
以上のようにアイデアの蓋然性を検証するには、まずアイデアが市場の流れを読んだ結果のものであるか。そして、大企業の持続的イノベーションを壊す破壊的イノベーションになりうるかを検討する必要があることを学んだ。


【ディスカッション】
なぜ、イノベーションのジレンマの概念を知っていても大企業は過剰機能を付け続けるのかというテーマで議論を行った。要約で大企業は持続的イノベーションを行っていると述べたが、時にそのイノベーションが顧客の求めるニーズを超え、行き過ぎたものになる場合がある。大企業自身もそのことにはうすうす気がついているが持続的イノベーションから抜けることができないといい、これをイノベーションのジレンマと呼ぶ。では、なぜ大企業は持続的イノベーションから抜け出すことができないのか、という問題意識のもと上記のテーマで議論をするにいたった。

 まず、挙がった意見として競争優位のためという意見があった。大企業の戦う市場は市場規模も大きく市場の成長性も高いため、新しいものを出していかないと他社にシェアを奪われてしまう。そのため、前年より新しい機能やスペックで製品を開発し、それが結果として持続的イノベーションから抜け出せない要因ではないかということだ。他の意見として、持続的イノベーションを続ける中で破壊的イノベーションが生まれることを期待して、持続的イノベーションを続けているのではないかという意見があった。持続的にイノベーションを続けることで、実はその市場を再定義するような破壊的なイノベーションを引き起こすことを期待しているという。また、持続的イノベーションを行う市場は、企業にとって金のなる木であるために、他の事業に資金を回すためにも持続的イノベーションから抜け出すことができないのではないかという意見であった。また、技術者は自分たちが前年に開発した製品より低いスペックのものを市場に出すことに抵抗があるのではないかという意見もあった。これは、単純に自分たちが前年に開発できたものより低いスペックのものを開発することに抵抗があるのではないかという考えや、大企業ゆえに組織が縦割りに分断されていて、各部門ごとで利益を上げなくてはならない中、前年よりスペックの落ちたものを市場に投入して利益が落ちてしまった、なんてことはできるわけがないという意見もあった。これらの理由から、持続的にイノベーションを行うことに目線が向いてしまいニーズを反映できていないや、うすうす持続的イノベーションの限界に気がつきながらも続けてしまうのではないかという意見が挙げられた。

 議論はおおよそ以上の3つの意見に大別できた。これらをまとめると、大企業はその大きな組織をまとめるために、組織を分断する必要がある。その分断によって、大企業に所属する人々は組織全体ではなく自分の所属する小組織の目線から、利益、ステークホルダー、外部環境を考えるという状況に陥ってしまい、結果的には持続的にイノベーションを続けるという意思決定をとるという結論が導き出せたと考える。この結論はリアルだと感じていて、例えば自分が部を任される管理者であった場合、部が成績を落とすことに抵抗を感じるだろう。したがって、前年の自分たち、競合他社よりもいいもの、いい営業、いい企画など様々な面で持続的な改善を行ってしまうのではないか。このように考えるのもすべて、自分が“部”という縦割りされた組織を任されているからだ。正直、自分が末端の若手営業マンであれば、新しいことに挑戦し仕事に対して自分の色身を出したいと考えるが、大企業という組織の構造上、その縦割り組織のうちの1つを任されれば話は違う。本書で言われている通り、大企業が90点を取るための選択をするのと同様に、大企業の小組織である部においても90点を取る選択をすると思う。これが、大企業がイノベーションのジレンマの概念を知っていても過剰機能を付け続けてまう原因であると私たちは考えた。


ちば(4年)

起業の科学 Chapter 1

 本書では、スタートアップについて述べられている。スタートアップが成功する基準として、PMFがあり、スタートアップが成功するにはPMFの達成が鍵となる。しかし、多くのスタートアップはプロダクトを作る段階でアイデアが十分に検証されていため、失敗するケースが多い。そのような事態に陥らないためには、課題の質を高めて自分たちのアイデアが市場から求められているものなのかを検証することが重要であると筆者は述べている。課題の質を決める要素として、ファウンダー自身が高い専門性や業界の知識、市場の変化に対する理解度を持っていることが求められる。また、ターゲットとする課題が「自分ごと」であることも求められる。

 誰が聞いても良いアイデアは避けるべきだと筆者は主張している。誰が聞いてもいいアイデアは大企業が好むものであり、スタートアップがその市場で勝負するのは得策ではないと主張している。スタートアップは言語化して人に伝えられないような課題のほうが好まれる。近年では、ITの進歩で、マーケットのパラダイムシフトが高速化していることやビックデータとスマホの普及によって、ユーザーのサービスに対するロイヤルティールーブが極端に高速化していることなどの理由からクレージーなアイデアが求められている。

 スタートアップとスモールビジネスの違いについて本章では述べられている。「起業=スタートアップ」というイメージがついていることに異議を主張している。スタートアップとスモールビジネスを成長方法やターゲットの市場規模、スケールへの姿勢、ステークホルダー、対応可能市場、イノベーションの手法の項目別に比較している。スタートアップはPMFを達成すると一般企業に成長するため組織が再構築されていく。永遠にスタートアップであり続けることは理論的にはありえないと主張している。スタートアップは一般企業では良しとされていることがスタートアップに良くないとされていることがある。またスタートアップには忘れ去るべき常識がある。100点満点の解答用紙正しい答えを埋めようとすることや上司に上手く報告するゲーム、多くの人から好かれようとすることなど述べられている。

【ディスカッション】
「日本でキャッシュレス化を流行らせるためにはどうしたらいいか」ということをテーマに行いました。最初に、日本でキャッシュレス決済が流行らない理由を述べてもらい、その中で最も大学生が使わない理由を用いて、その理由を解決できる提案をディスカッションをしました。大学生の選定理由は、課題のセグメントを明確にしないと広すぎるため、自身が大学生で全員の考えが一致しやすいと判断したため今回は断定しました。
キャッシュレス化が流行らない理由として、様々な意見が挙がった。現金主義が根付いていることや、複数人で飲食店に行った際に割り勘で支払うことが多くクレジットカードや電子マネーではできなくて不便なこと、日本はATMが全国の至る所にあり、現金がなくてもすぐに引き出して使えるのでキャッシュレス決済を利用する必要がないこと、現金で支払った際にはお金を支払ったと感じるが、キャッシュレス決済を利用した場合お金を使用した感覚がないこと、請求に追われるのが嫌なこと、キャッシュレス決済の利便性を理解していないため使おうとは思わないからなどの意見が挙がった。
次に、上記で挙がった意見に対して最も大学生が使わない理由を選定しました。ここでは多数決を取り決めました。使った感覚がなく使い過ぎてしまうことを恐れて使えないことと、請求に追われるような生活はしたくないからと言った理由が中野ゼミでは当てはまった。
最後に、上記の大学生がキャッシュレス決済を使用しない課題を解決するために、両者もしくは片方の課題に対して解決できるサービスや仕組みを考えました。挙がった意見として、上限金額を3万円などの低い設定にし、使い過ぎを防止する。キャッシュレス決済をしたときにラインに通知がすぐ来るようにする。クレジットカードのような後払いではなくデビットカードを普及させる。デビッドカードの場合、大学と提携して学生証をデビッドカードと普及させて学食や生協、コンビニなどの支払いを出来るような仕組みを構築するといいのではないかという意見が出ました。しかし、デビッドカードでは口座にある分しか使えないため、好ましくないという意見も出た。その中で、学生の間は使い放題で社会人になったら支払えるようなカードが欲しいという発言があった。それに対して肯定的な意見が多く、ある一定の上限を設けることや、大学4年生で就活が終わって内定書や大学の卒業見込み証明書などを提示すれば社会人になっても支払い能力があることがわかるため、カードを作るための条件にすればいいのではないかという追加の意見も出た。
今回のディスカッションでは、大学生という視点を入れたことによりニーズはせまくなってしまったが、日本がキャッシュレス決済を活発化させるための課題の解決に成り得る意見も多々出すことができた。

(4年 軒口)

技術者間における知識移転の促進要因-情報獲得者の観点から-

本稿では、新製品開発プロジェクトにおける技術者間の知識移転を促進する要因を明らかにするために研究が行われた。実証分析の結果、部門内と部門間では知識移転の促進・阻害要因が異なることが明らかになった。そこで、私たちはチーム研究(部門内)において、知識移転を促進するにはどうすればよいかを疑問に持ち、ディスカッションのテーマに選んだ。
 
現在、チーム研究の発表に対する質疑では、3年生ばかりが答えていることから、チーム内で知識移転が行われていないと考え、これをディスカッションの前提とした。いざ議論を始めたところ、ここでの知識移転は知識共有ではないかということになったが議論を進めていくことになった。最初に、なぜ知識移転が行われていないのかを話合った。この質問に対して、期限に迫られてしまうことで結局3年生が進めてしまう、信頼関係を築けていない、2年生が3年生を信頼しているからこそ知識移転を阻害している、その場にいなかった人への共有ができていない、その場で分からないと思っても聞けない、研究を進めていく中で2年生がついていけてない、などの意見が出た。
 
次に、知識移転が行われない理由に対しての解決策を挙げ、議論を行った。いなかった人への共有をするためには、その日に話し合った内容を形式知化し伝える。これに関してはネット内でお互いが集めた資料を共有しているチームがあった。2年生が研究についていけない、その場で分からない問題に対して、定期的に質問の時間を設けるという意見が出た。これを行うことで、2年生も内容をより理解できるからである。また、3年生がもっと積極的に2年生に理解できているかを確認するという意見も出た。理解するという点で、ホワイトボードを使う際には2年生に書いてもらうことなど、アウトプットする機会を増やすいという意見もあった。
 
以上のように、知識移転が行われていない理由を挙げ、それに対しての解決策を考えながら議論を行った。知識共有の話になってしまいがちであったが、、研究の進め方として活かしていける議論を行えたと感じた。先生からも指摘されたように、今回は部門内でのディスカッションになり、部門間での議論を行えていなかった。チーム内でも問題はあるが、今後チームで研究を行っていく際は、部門間でのつながりも意識する必要がある。なぜなら、集団的教育指導を行うことで、他のチームも含めお互いが成長できるからである。これはチームの成長だけでなく、ゼミという組織においても成長できると考える。そのためにも共有だけでなく、確認も行うことで、お互いが成長してける。今回のディスカッションを参考にしながら、今後の研究を進めていきたい。

よしかわ(3年)

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