OXの車いすが選ばれるためには

 吉野(2018)によると、オーエックスエンジニアリング(以下、OX)は、車いすの製造、販売を行っている企業である。特に、競技用車いすにたくさんの投資を行っており、競技用車いすにおいて5割というシェアを獲得するトップメーカーだ。また、OXの日常用車いすに関しては、この競技用車いすの技術を活かして製造されているため、他メーカーの車いすよりも軽量で俊敏性に優れており、小回りの効く製品となっている。そして、剛性にも優れており、「強く軽い車いす」であることが特徴だ。さらに、デザイン性にもこだわっており、スタイリッシュな車いすを販売している。しかし、日常用車椅子においてOXはトップメーカーとは言えない。何故なら、一般財団法人自転車産業振興協会技術研究所(2016)によると、日常用車椅子のシェアの8割はOX以外の4つの大手メーカーが占めているからである。

 車いすの販売方法は少し特殊である。車いすを購入する際、「車いす判定会」というものがある。「車いす判定会」では、医師立ち合いの元、一人一人の顧客にどのような車いすがあっているのかが判定される。また、それぞれの顧客に必要と判定された機能に対しては、国から助成金が出る。そして最終的に顧客がどこのメーカーの車いすを購入するかは、顧客の金銭的な要望などと必要な機能を考慮して、医師が決定するとのことだ。OX関東VIVIT店店長古谷様の話によると、金銭的に助成金内で抑えたいと要望を出す顧客が多いとのことだった。しかし、OXの車いすはどのモデルも高価である。よって、顧客の選択肢の中からはじかれてしまうとのことであった。このように、なかなか顧客の選択肢に入るのが難しい中で、OXは本当にこのまま高価格帯の車いすの販売を貫くべきなのだろうか。

 私は、広く一般の顧客には選ばれない現状ではあるが、工夫した販売促進を行えば、高価格帯の製品を貫いたままでも将来的に顧客を獲得できると考えている。何故ならば、OXの車いすがこだわり消費をもたらす製品であると考えるからだ。

 清水(2007)によると、こだわり消費とは、商品購入に際して、単に価格のみを重視するのではなく、様々な要素を選択条件とし、その中で自らの価値基準に従い、多面的な評価で購買を決定させる消費者行動のことを指す。清水(2007)では、消費者はただ安いものをとにかく購入するのではなく、「こだわり消費」を行う性質があると述べられている。そこで、顧客はOXの車いすにこだわりを持って購入するのではないだろうか。

 OXの車いすは、上記で述べた通り競技用車いすの技術を活かし高い性能を持ち合わせている。まず、フレームなどの車いすの素材にはカーボンプレートを用いている。カーボンプレートとは、鉄に比べて10倍の強度を持ち、それでいて1/4の軽さを特徴に持つ素材だ。この素材を車いすのメインフレームを始めとする各部品に用いることで、従来の車いすよりも軽量且つ剛性に優れた車いすとなっている。次に、「クロスメンバー」という部品を用いていることも特徴の1つだ。これは車いすの左右のメインフレームを繋ぐことによって剛性をさらに強くする補強部品である。この部品があることによって、操作する力が最大限に路面へと伝えられ、軽く漕ぐことが出来るようになる。さらに、メインフレームが安定し、うねりや起伏を感じさせない乗り心地を実現させるのだ。このように、上記の素材や部品は、剛性や操作性と言った面で高い性能をもたらしており、車いす利用者の毎日の移動をより快適にしているのである。さらに、他メーカーの車いすよりも軽量であるため、長時間の移動で腕が疲れるといったようなことはなくタイヤを俊敏に動かすことが出来る。加えて小回りも効くため、自分の行きたい方向へ素早く移動することが可能である。つまり、車いすを自分で漕ぐ際に、より体への負担を減らし、楽に動かすことが出来るようになるのだ。

 また、従来の車いすは細いパイプで直線的に作られているが、OXの車いすは太いパイプで曲線を描いた作りになっており、他メーカーよりも見た目にこだわっている。このようなスタイリッシュな車いすを利用することによって前向きな気持ちになれる顧客が一定数いるのではないかと考えられる。それは、通常の車いすでは気分が上がらず、「カッコ悪い車いすでは出掛けたくない」と考える顧客である。そのような顧客は、OXの車いすを利用することによって、積極的に外へ出掛けたいという気持ちを抱くことが出来るのではないだろうか。

 このように、OXの車いすを選べば他メーカーの車いすでは得られないような操作性やスタイリッシュさを毎日享受することが出来る。従って、消費者は、機能性とデザイン性を追求しているOXの車いすにこだわりを持って購入するはずだ。しかし現状として、多くの顧客は車いすの購入にこだわりを持たず、判定会の時点で「安価な車いすで十分だ」と思ってしまっている。そのため、こだわりを持っているからこそ高価格でも購入したいと考える消費者はまだ少ない。重要なのは、この判定会より前に顧客へOXの車いすの優れた機能性やデザイン性を訴えかけ、車いすにこだわりを持つ顧客を多く獲得していくことではないだろうか。

 そこで私は、OXの車いすの特別な乗り心地に気づいてもらうために、病院での試乗イベントの実施を提案したい。その際には、様々なメーカーの車いすと比較して試乗させる。何故なら、顧客は、OXの車いすと他メーカーの車いすの両者に乗り比較することで、OXの車いすが「圧倒的に機能性や乗り心地に優れており、他メーカーよりもスタイリッシュで外に出かけたくなるデザイン」ということに気づくことができるからだ。特に機能性に関しては、顧客は乗って試してみてこそ、他メーカーよりも頑丈で尚且つ小回りが効くということを感じられる。乗り心地の違いに気づけば、元々は安価な車いすで良いと思っていた消費者であっても、車いすにこだわりを持つことの重要性を感じるのではないだろうか。また、このイベントは、病院の中、もしくは入り口付近で開催することを提案する。何故なら、車いすの購入を検討している人々にとって、少しでも遠いところへわざわざ出向くのは負担となるからだ。イベントに足を運ばせるのではなく、通院のついでに立ち寄れる場所で開催することによって、車いすの購入を検討している方が少しでも参加しやすいイベントとなり、より多くの顧客が車いすにこだわるようになるきっかけを作ることが出来るのである。

 このように判定会前に顧客へアプローチをかけて、特別な乗り心地に気づいてもらうことが出来るとすれば、車いすの購入にこだわりを持つ顧客は多くなり、結果的にOXの車いすを選ぶ人が増えると考えられる。そのためにも、コストをかけてでも他メーカーにない優れた機能性やデザイン性を捨てることなく追求していくべきだ。たとえ高価格帯の車いすの販売を貫いても、機能性やデザイン性を追求しそれらを顧客に感じてもらうことが出来れば、こだわって選んでくれる顧客を増やすことが可能ではないだろうか。よって私は、OXは高価格帯の車いすの販売を貫くべきだと考える。


【参考文献】
一般財団法人自転車産業振興協会技術研究所(2016)「車いす技術課題調査 報告書」
http://www.jbpi.or.jp/report_pdf/2016_1.pdf 
オーエックスエンジニアリングHP「製品紹介」http://www.oxgroup.co.jp/wc/products/products_syudou.html 
清水英範 (2007)「生活者の意識から「こだわり消費」を考える」『情報誌CEL』52,66-77.
吉野次郎(2018)「五輪に挑む車いすのフェラーリ」『日経ビジネス』1953, 62-63.

ほりいけ(3年)

ホールフーズが日本の消費者に受け入れられるために

 山崎・長江(2018)によると、米ネット通販最大手のアマゾン・ドット・コムは、2017年夏に買収したホールフーズとの相乗効果により、着々とリアル店舗へ進出している。これにより、既存の食品加工メーカーは計り知れない打撃を受けると予測される。なぜなら、ホールフーズでは、多様なプライベートブランド(以下PB)を展開しているからだ。実際、ニューヨーク市内のホールフーズではナショナルブランド(以下NB)は隅に追いやられ、PBが売り場の大半を占めている。さらに、それらPBはオーガニックなものが多く、健康志向を売り物にしている。
一方、日本のスーパーを見るとまだまだNBの売り場が大半である。しかし、オーガニックを売りにしているNBは、イオンなどの日常的に使うようなスーパーで取り扱われているものの数が少ない。では、健康志向を意識したホールフーズのPBが日本に進出してきた場合、日本の消費者に受け入れられるのだろうか。

 私は、ホールフーズのPBは日本の消費者に受け入れられる、と考える。理由は2点ある。1点目は、日本人のオーガニック志向が高まっているからだ。国際環境NGOグリーンピース(2018)によると、「国産オーガニックの野菜やお米を全店舗に置いてください」という署名活動に対し、9,254筆の署名を集めたという。今回は野菜やお米に限られた署名活動であったが、私は日本人が「オーガニック食品を生活に取り入れたい」と思いはじめている証拠であると考える。そのため、オーガニック食品を生活に取り入れたいと考えている人は、ホールフーズへ足を運んだ際にNBとPBを比較し、より添加物が少なく健康的なホールフーズのPBを購入するだろう。

 2点目は、価格が安いからだ。店頭に並んでいる日本のオーガニック商品を見ると、他の商品に比べて高価格な印象を受ける。しかし、ホールフーズのPBはオーガニックに特化しているのにも関わらず、日本のNBに比べて安価に購入することができる。例えばいちごジャムなら、「アヲハタ 55 イチゴ」は¥438(400g)、ホールフーズのPBは$3.99(482g)。100g当たりで考えると109円/gと93円/gとなるため、ホールフーズの方が安い。また、ポテトチップスなら、「カルビー ポテトチップス うすしお味」は¥218(135g)、ホールフーズのPBは$2.99(283g)。100g当たりで考えると161円/g と119円/gとなり、こちらもホールフーズの方が安いのだ(イトーヨーカドーネット通販 2018/10/31閲覧)(1ドル=112.85円 2018/10/31)。

 しかし、これまでカルフールやウォルマートといった外資系スーパーが日本に進出しては、母国イメージの壁や既存のスーパーとの差別化不足で取引先が少なかったことなどを理由に撤退を余儀なくされてきた(田中2017)。では、仮にホールフーズが日本に進出する場合、どのように既存のスーパーと差別化するのが良いのだろうか。ホールフーズの特徴は、取扱商品が多いこと、自然派食品を取り扱っていること、アマゾンの傘下に入ったことなどである。そこで、私は3つ提案したい。1つ目は、取扱商品の多さを活かして中型店を出店することである。なぜなら、中型店はストレスなく買い物できるからだ。例えば、小型店は売り場のスペースが限られているため取扱商品を絞る必要がある。そのため、せっかく来たのに目当ての商品がなかったというストレスが発生しうる。また、大型店は広い売場を歩き回り、数ある商品の中から目当ての商品を探さなければならないため、あまり利用しない人にとってはすぐに見つからないというストレスになりうる。そのため、中型店であれば先ほどのストレスを感じることが少なくなり、小型店の多い既存のオーガニックスーパーや大型店の多い外資系スーパーと差別化できるだろう。また、アマゾンはホールフーズを買収したことで、既存の配送拠点とは別に実店舗をネット通販の配送拠点に使うことができるようになった。このとき、大型店を出店すると立地の制約から出店場所が限られる可能性があり、小型店だと倉庫に使うスペースが十分に取れない可能性がある。そのため、配送拠点を兼ねたスーパーを出店する際には中型店が向いていると考えられる。

 2つ目は、オーガニックに特化したPBを扱っていることから、惣菜も無添加調理したものを販売するのがよいと考える。近年、単身世帯の増加や女性の社会進出の影響で中食の市場規模が大きくなっている。日本惣菜協会(2018)によると、中食の市場規模は10兆550億円で16年より2.2%増加したという。日本人が以前より頻繁に惣菜を食べるようになっていることから、添加物をなるべく使っていない惣菜の需要が高まるのではないだろうか。なぜなら、添加物の入ったコンビニ弁当や外食で食べるものはだんだん飽きがくるが、家庭で出てくる添加物の少ない食事は飽きがこないからだ。そのため、あまり自炊をしない人にとって、シンプルな材料で作られる惣菜は母親が作る料理のような存在となり、毎日でも食べたいと思うのではないだろうか。しかし、既存のスーパーを見ると惣菜を販売しているものの無添加調理されたものは少なく、多くは賞味期限を延ばすための添加物や化学味調味料などが使われている。そのため、ホールフーズは添加物の少ない家庭で作るような惣菜を販売するという点で既存のスーパーと差別化できるだろう。
 
 3つ目は、アマゾンプライム会員との相乗効果を狙うことである。例えば、配送サービスだ。平山(2018)によると、アメリカでは既にプライムナウのシステムと人員体制で配送を行なっているという。そこで日本では当日配送サービスを実現する。これにより、重いものを持って帰る手間が省け、悪天候時やお年寄りの方、子ども連れの買い物が楽になるだろう。送料については、プライム会員には送料無料でサービスを行うと良いと考える。こうすることで、既にプライム会員である人の集客が見込めることや、送料を無料にしたい人が新たにプライム会員になるため、結果としてホールフーズとアマゾンにWin-Winの関係が生まれるだろう。また、アメリカのホールフーズではプライム会員への割引を行なっている。このサービスを日本でも導入することで、さらなる顧客獲得に繋がると考える。
 
 これまで、日本に進出した外資系スーパーの多くは、既存のスーパーとの差別化不足などで撤退を余儀なくされてきた。このことから、ホールフーズは日本に進出する際、既存のスーパーと何らかの差別化をする必要がある。そこで、取扱商品の多さを活かした中型店の出店、無添加調理された惣菜の取り扱い、アマゾンプライム会員との相乗効果を狙うといった取り組みを行うことで、小型店の多い既存のオーガニックスーパーや大型店の多い外資系スーパーと差別化することができると考えた。このような取り組みにより、ホールフーズは日本でも受け入れられるのではないだろうか。

【参考文献】
アマゾンジャパン「ヘルプ、配送料について」2019年3月26日閲覧,
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?ie=UTF8&nodeId=642982
平山幸江(2018)「買収発表から1年、今、どうなっている?アマゾン傘下のホールフーズ・マーケット、その後」『商業界online』 2019年4月18日閲覧, http://shogyokai.jp/articles/-/826
一般社団法人日本惣菜協会(2018)「2018年版 惣菜白書」http://www.nsouzai-kyoukai.or.jp/wp-content/uploads/hpb-media/hakusho2018_digest1.pdf
国際環境NGOグリーンピース (2018)「加速するオーガニック市場!イオンとユニーに署名を提出しました」2018年11月12日閲覧,
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/61381/
田中道昭(2017)「日本でコストコが成功し、カルフールが失敗した理由」『ニューズウィーク日本版』2018年12月05日閲覧, https://www.newsweekjapan.jp/m_tanaka/2017/02/post-1_1.php
山崎良兵、長江優子(2018)「アマゾン攻勢、食品NBに打撃」『日経ビジネス』1960,12-13.

たけおか(3年)

コンビニが生き残っていくためには

 飯泉・浅松(2018)によると、物販のほか様々なサービスを提供するコンビニエンスストアが、一部でそのサービスを中止し始めている。中止されてきている理由は、増え続けるコンビニの店内業務による人手不足、サービスの多様化と運送会社の人手不足による荷物の管理の大変さと置き場がないこと、外国人従業員の業務の不慣れなどが挙げられる。このような原因により、店舗ごとにサービスの種類に差が出てきているコンビニチェーン店もある。ただ、実際これまでコンビニ業界では、チェーン運営の原則のもと、国内約1万7000店が均一のサービスを提供することが当たり前であった。現在もコンビニ本部は、可能な限り全てのサービスを全店舗で提供しようとしている。

 では、なぜコンビニが全店舗で均一のサービスを提供できなくなっているのだろうか。それは、サービスの多様化により、FCオーナーがサービスを取捨選択せざるをえない状況になったからである。コンビニ店舗の種類には直営店とFCがある。直営店はコンビニ本部が直接経営する店舗であるため、本部の決めたサービスを行うことが義務である。一方、FCは契約上独立した商店主であり、各店舗がどんなサービスを提供するか決めて良い。これまではコンビニ業界以外との競争は激しくなかったため、今よりサービスは少なく、FCオーナーがサービスを取捨選択する必要はなかった。そのため、コンビニ本部側の決めたサービスを行えるFC店舗が多かったのである。しかし、ドラッグストアやスーパーの台頭により、さらなる差別化をはかろうとコンビニ本部側がサービスの多様化を進めるようになってきた。

 このサービスの多様化に伴い、店舗ごとにFCオーナーが自分のお店に必要なサービスを取捨選択するようになってきた。全てのサービスを行おうとすると、人手が必要となり、さらに人件費がかかって経営が厳しくなってしまうからだ。日経MJ(2018)によると、各店舗でアルバイトの人手不足と人件費の上昇が問題になっている。さらに日経MJ(2016)によると、アルバイトの担い手である学生に「コスパ思考」が広がっている。できるだけ時給の高い仕事が選ばれるようになって来ているのだ。そのため、コンビニではアルバイトを雇うことが難しい。そこで、アルバイトより人手を確保しやすい派遣社員を雇って人手不足を解消する必要が出てくる。しかしこの派遣社員の単価はアルバイトよりも高い。直営店では、派遣社員を雇う人件費の問題は全額本部が負担してくれるため、直接的に経営の厳しさには繋がらない。一方FC店舗では、余剰資金が少ないので、派遣社員を雇うほどの余裕はない。このことから、FCオーナーは今の人手でできるだけのサービスをし、できない部分についてはサービスを辞めざるをえないのだ。
 
 しかし、私は、コンビニはチェーンごとに全店舗均一のサービスを提供するべきであると考える。その理由は2つある。1つ目は複数店舗がひしめく場所において各コンビニチェーン店が選ばれるためである。自宅や職場の近くで複数店舗ある場合、消費者は自分の利用したいサービスが提供されている店を選択する。複数あるチェーン店の中からその店舗を選んだということは、その消費者がサービスに対して満足しているということでもある。身近にあるコンビニは、利用する頻度が高い。何回も通うことでそのコンビニチェーン店に対して愛着がわき、またプラスのイメージを持つ。もし別の場所で同じチェーン店に行った時、普段使っている店舗では使えたサービスを使うことができなかったら、消費者はそのチェーン店に失望するだろう。今まで感じていたプラスのイメージが崩れると、自分が普段使っていない場所で複数チェーンのお店がある場合、その中からそのチェーンのお店を選ばなくなる。このようなことから、消費者がそのチェーン店に持つプラスのイメージを保つために、各チェーン店は全店舗均一のサービス提供を行わなければならない。
 
 2つ目は近年成長著しいスーパーやドラッグストアとの差別化を図るためである。日経MJ(2018)によると、コンビニの経営悪化の要因として人手不足に続き多かったのが異業種との競合の激化であった。その中で影響の大きい異業種としてドラッグストアが全体の87.5%を占めている。最近のドラッグストアは24時間営業を開始したり、食品を安価で販売したりするなど、各コンビニチェーンにとって脅威の存在になって来ている。しかしドラッグストアは急成長を遂げているとはいえ、サービスの提供に関してATMを利用できる店舗や24時間営業の店舗は限られていたり、置いてある食品に差があったりするなど、消費者自身がそれぞれの店舗でどのようなサービスを受けられるか把握しなければならない状況である。ここで各コンビニチェーンが多様なサービスを全店舗で均一に提供することができれば、消費者は初めて行った土地でも、自分の利用したいサービスを受けることができるという安心感を与えられる。東京で利用できるサービスを地方でも同じように受けることができるという安心感だ。価格ではドラッグストアに負けるが、どんな時でも24時間同じサービスを受けられることが、消費者の「困ったらあのコンビニチェーンに行けば安心!」というコンビニチェーンに対する信頼へと繋がる。初めて行った土地や緊急で必要なものが出たとき、消費者は利用したいサービスがあるかどうかわからないドラッグストアではなく、どの店舗に行っても利用したいサービスを受けられる安心感があるコンビニチェーンの店の方を選ぶのだ。この各コンビニチェーンの均一なサービス提供による安心感が、店舗によってサービス提供に差があるドラッグストアに対しての差別化になる。

 このようなことから、私はFC店舗が抱える人手不足の問題を解消するために、全店舗でレジの業務内容を自動化する必要があると考える。消費者自身が購入する商品をコンビニスタッフの手を借りることなく精算するところまで行えるようにするのだ。中桐・平田(2018)によると、セルフレジは有人レジより少ない従業員でレジを稼働させることができ、レジサービスの時間短縮を図れることがわかった。これまでコンビニスタッフの業務内容としてとても大きな割合を占めていたレジ業務を自動化することで、今までできなかった他のサービス業務に時間を充てることができる。このことにより、FC店舗でも今の人手で全店舗均一なサービスに対応することができるようになるのだ。実際にローソンでは2019年4月からセルフレジの導入が始められるという発表があった(日本経済新聞, 2019)。

 このセルフレジ導入に伴い、顧客にはどのようなメリットがあるのだろうか。今までは同じレジで商品の購入から公共料金の支払い、宅配荷物の受け取りなどを行なっていたため、レジの混雑によって待ち時間が長くなるという消費者のストレスもあった。これがレジを自動化し、その他のサービスにはコンビニスタッフが対応するといったように窓口を分けることで待ち時間が短くなるので、消費者のストレス軽減にも繋がる。流通ニュース(2017)によると、実際にGUがセルフレジを試験的に導入したところ、清算時間を最大で3分の1に短縮でき、混雑時のレジ通過人数が約1割アップし、レジ混雑が緩和されるという結果が出ている。このことからもセルフレジ導入は待ち時間短縮になり、消費者のストレス軽減につながると考えられる。

 しかし、このセルフレジの導入によって懸念されるのが、多額の費用の問題である。現状としてFC店舗では余剰資金が少なく、とてもセルフレジに費用を割ける余裕などない。しかし人手不足が深刻化している今、全店舗均一のサービス提供を行うためには早期のセルフレジ導入が求められる。FC店舗がセルフレジ導入に対して投資できないのであれば、本部がFC店舗に対して設備投資を行い支援していかなくてはならない。なぜなら、各コンビニチェーンの大部分はFC店舗が占めており、そのFC店舗の売上総利益に対して本部はロイヤリティを受け取っているからだ。これはFC店舗の売上アップがそのままコンビニ本部の利益上昇へ直結することを指す。セルフレジを導入することで、FC店舗は今まで以上の人件費をかけることなく、多様なサービス提供を行うことができる。この多様なサービス提供がFC店舗の売上上昇へと繋がる。つまりセルフレジ導入は、コンビニ本部の投資に見合う利益が得られるということだ。このことから、利益を得るためにもコンビニ本部がセルフレジ導入における費用を負担するべきなのである。

 コンビニ業界では、各社の大量出店により各チェーン店の競合が強まり、また、ドラッグストアの台頭による業界外の競争も激化している。その中で各コンビニチェーン店が生き残っていくためには、全店舗均一のサービス提供が必要である。そしてこの全店舗均一のサービス提供を行うためには、セルフレジを導入して、人手不足を解消しなくてはならない。つまり、今後のコンビニの生き残りの鍵となる全店舗均一のサービス提供には、セルフレジの導入が必要不可欠だ。

【参考文献】
飯泉梓・浅松和海(2018)「『便利なコンビニ』に限界」『日経ビジネス』1959, 10-11.
諸富聡・宮住達朗・伊神賢人 (2016)「時給1500円の足かせ、小売り・外食、『人材来ない』、チェーン経営に試練」『日経MJ』2016年2月22日, 1. 2018年11月12日閲覧,
中桐斉之・平田直也 (2018)「セルフレジによるレジサービスへの影響『マルチエージェントモデルによるシミュレーション解析』」『兵庫県立大学環境人間学部研究報告』20, 41-52.
日経MJ (2018)「第39回コンビニエンスストア調査『人手不足一段と、進む外国人採用、ドラッグ店と競合、経営環境「悪化」7割』」『日経MJ』2018年7月25日, 5.
2018年10月17日閲覧,
日本経済新聞 (2019)「ローソン全店セルフレジ、10月までに1万4000店導入」『日本経済新聞』2019年4月1日朝刊, 1. 2019年4月7日閲覧,
流通ニュース (2017)「ジーユー/セルフレジ176店舗に導入、精算時間を3分の1に短縮」2019年2月12日閲覧, https://www.ryutsuu.biz/it/j040621.html

さとう(3年)

飲食店のサブスクリプションモデルにおける顧客満足度の安定化

 広田(2018)によると、外食業界でサブスクリプションと呼ばれる月ごとの定額制サービスを提供する企業が増えてきている。特に、来店頻度の高い業態であるカフェで導入の動きが目立つ。しかし、それ以外の業態でもサブスクリプション導入の流れは広がってきている。2017年秋には、フードリヴァンプが運営するラーメン店「野郎ラーメン」でもサブスクリプション制が導入された。サブスクリプションを飲食店が導入するメリットとして、広田(2018)は繰り返し店に訪れる優良顧客を囲い込めることを挙げ、さらに、サブスクリプションが軌道に乗れば宣伝費を抑えて安定した集客が可能になるという。

 しかし、サブスクリプションには解約の脅威が常に存在する。谷守(2017)ではサブスクリプションはレピュテーションの毀損や顧客の移り気による解約リスクが高いと述べられている。顧客がサブスクリプションを契約する前に感じたそのサービスへの価値とサブスクリプションを使い続けることで感じられる価値とは別である。顧客はそのサービスに価値を感じサブスクリプションを契約するが、その価値を顧客がずっと感じ続けてくれるとは限らない。飲食店側がその価値を維持する努力をしなければ、そのサービスに対する魅力が薄れ、顧客が価値を感じることができなくなってしまうだろう。そうなると顧客はサブスクリプションを解約してしまうに違いない。

 また、サブスクリプションは先払い制であり顧客は最初に大きい金額を払うため、レピュテーションの毀損が起こりやすい。通常の飲食店であれば一回の食事に対して一回分の値段しか払わない。そのため、顧客がその価格分の効用を得られなかったと感じることは少ないだろう。一方、サブスクリプションの場合はお金を月ごとにまとめて払う。そのため、支払う回数は少ないが一度に払う料金が大きくなる。一度に払う料金が大きくなれば顧客は「高いお金を払っているのだから、少しサービスを加えてほしい」と感じるようになるだろう。そうなると、顧客の効用を満たすために飲食店は価格以上のサービスを提供しなければならなくなる。しかし、飲食店側が常に価格分以上のサービスを顧客に提供するのは難しい。なぜなら、加えてほしいサービスは顧客によって異なり、それらすべてを飲食店側が把握することは困難だからである。この状況を放っておくとサブスクリプションを契約した顧客が価格分の効用を得られないと感じることが多くなり、顧客の満足度はどんどん低下していく。そうなると顧客の不満がたまっていき、その不満が口コミやSNSなどで広まってしまうので、結果的にその店のレピュテーションが毀損されてしまう。以上のことから広田(2018)が挙げるサブスクリプションのメリットを飲食店が享受するには、顧客が安定的に満足を感じられる店づくりをする必要がある。

 だが、サブスクリプションを導入していない普通の飲食店でも、もちろん顧客満足度を維持することは求められる。では、飲食店がサブスクリプションを導入した時と導入しない時では顧客の満足度を維持する方法はどのように違うのだろうか。

 サブスクリプションを導入していない飲食店の場合、顧客が一回の来店で満足を感じても、次にまた来店するという保証はどこにもない。そのため、通常の飲食店は一回の来店でどれだけ顧客の満足度を高められるかを考える必要がある。一方で、サブスクリプションを導入している飲食店の場合、顧客は少なくとも1か月の間はサブスクリプションを契約して費用を払っているので、その費用を回収するために継続的に来店するだろう。そのためそのような飲食店は、一度しか来店していない顧客の満足度よりも、サブスクリプションを継続してくれる顧客の満足度に目を向ける必要がある。

 では、飲食店において顧客は具体的にどのようなことに不満を感じているのだろうか。日本経済産業新聞(2018)によると、通常の飲食店の場合、「この列の長さなら30分程度」というように、過去の経験に基づいて待ち時間を推定しているが、実際は予想より早く行列が進んだり、逆に時間がかかったりして、伝えている時間とのズレが生まれていた。その結果、行列待ちの正確な時間が把握できず、顧客の不満がたまるほか、店員も適切な対応ができないなど課題があったと述べられている。

 私はこのような不満がサブスクリプションを導入した飲食店においてより顕著に表れると考える。なぜなら、サブスクリプションを契約した顧客は来店することが日常の一部になっていて、初めて来店する顧客よりも待つことに不満を持つからである。初めて来店する顧客であれば、たとえ店が混んでいてずいぶん待たされたとしても、提供された料理がおいしかったり、良いサービスを受けたりすると「待った甲斐があった」と感じ、不満は抱かないだろう。それどころか、むしろ満足を感じることもあるかもしれない。しかし、サブスクリプションを契約した顧客というのは週に何回もその店を訪れるような顧客である。そのような顧客は来店時に予想外に混雑していたり、店には入れてもいつもより商品を提供するスピードが遅かったりすると、通常の顧客よりも不満を感じやすい。頻繁に来店する顧客は待たずに店に入れることが当たり前になっており、混雑していて待たされても「待った甲斐があった」とは感じず、ただいつもより店に入るのに時間が掛かったという不満を感じるだけなのである。

 それでは飲食店でサブスクリプションを導入した際、そのような不満を解消し、顧客の満足度を維持するにはどうすればよいのだろうか。私はサブスクリプションを導入した飲食店が運用しているアプリ内で、サブスクリプションを契約した顧客がその店の混雑状況や待ち時間を把握できるシステムの導入を提案したい。なぜなら、顧客は店がどの程度混雑しているのかを来店前に知れることで、「店に行っても席がない」という状況を回避できるからである。嶋田、多比良、原、新井(2013)によると、顧客に待ち時間を伝達することで顧客満足度の安定化を図れると述べている。そのため、サブスクリプションを契約した顧客が店の混雑状況や待ち時間をその店のアプリで来店前に知ることができれば、事前の想定と実際の状況のギャップが少なくなり、顧客満足度の安定化いうものが実現できるようになる。

 飲食店がサブスクリプションを導入しても、顧客の移り気やレピュテーションの毀損によって解約されてしまっては集客の安定は図れない。サブスクリプションで集客の安定を実現するためには契約した顧客の満足度を維持する必要がある。しかし、そのような顧客は、店に来ても混雑していて店に入れなかったり、サービスの提供が遅れたりするなどの影響で、いつもと同じようなサービスが受けられないと不満を感じてしまう。そのため、サブスクリプションを導入した飲食店が顧客満足度を維持するには、顧客が来店した際、常に普段と同じサービスを提供する必要がある。それが実現できれば、集客の安定というサブスクリプションのメリットを享受できるようになるのではないのだろうか。

〈参考文献〉
広田望(2018)「外食も『サブスクリプション』続々」『日経ビジネス』1944, 17.
日本経済産業新聞(2018)「監視カメラで待ち時間推定、キヤノン、行列の動き解析、混雑時、従業員にアラート。」『日本経済産業新聞』2018年4月10日.
谷守正行(2017)「サブスクリプションモデルの管理会計」『専修商学論集』105, 99-113 専修大学学会.
嶋田敏、多比良恵、原辰徳、新井民夫(2013)「サービス受注中の期待形成を考慮した待ち時間に対する顧客満足度の分析」『日本経営工学論文誌』64(3), 386-398, 日本経営工学会.

とみざわ(2年)



ファンデリーの顧客を増加させるアプローチとは

 内海(2017)によると、ファンデリーは2000年に設立され、健康弁当の通信販売と栄養相談を行っている会社である。ファンデリーは、弁当を購入する顧客に対して、栄養士が電話でカウンセリングすることを最大の売りとしている。また、顧客が負担するのは弁当代のみで、登録料やカウンセリング料はかからない。ファンデリーが運営している健康弁当の通販サイトでは400種類以上の弁当を取り揃えており、カロリー制限、たんぱく質調整、ケア食など様々な顧客の要望に対応可能である。ファンデリーはこのような弁当を500円程度で提供している。
 
 私はファンデリーの方針に賛成である。その理由は3点ある。

 1点目は、顧客の幅が広い点である。ファンデリーが顧客として扱っているのは、自宅で栄養管理が必要な患者、高齢者、健康志向である人などである。利用者には、血液検査などを用いて、一人一人に合わせたカウンセリングを行っている。高齢者には咀嚼しやすいように柔らかい弁当を提供し、健康志向である人には、カロリーが弁当一つ一つに表示してあることからなど簡単に自分で健康管理ができるようになっている。このように栄養管理を通じて食生活全般からアドバイスしている。

 2点目に、顧客の視点から適切な価格の設定でサービスを受けられる点である。食生活から健康を改善するには継続することが大切であり、それには費用もかかる。ファンデリーの健康弁当は、朝食、昼食、夕食の指定もなく一食500円程度で提供されているため、客が利用しやすい価格である。東京都(2012)より、平日の昼食一食にかける平均金額は500円以上800円未満が一番多いことが分かる。そのためファンデリーは顧客を掴むための優れた価格設定をしていると言えるだろう。
 
 3点目は、ファンデリーの視点から、ロスを最小限まで抑えている点である。1点目に挙げたようにファンデリーは多種類の弁当を取り揃えている。多種類の製品を取り扱っていればそのコントロールは難しくなる。そうするとどうしてもロスが増えてしまう。そこで、ファンデリーは弁当を冷凍にすることで賞味期限を3ヶ月〜1年にしている。賞味期限を長くすることで顧客の発注の量に合わせて長期的に在庫量を調節することができるようになるため、廃棄ロスをゼロまで抑えることができるのである。
 
 しかし、現在のファンデリーは、自社のサービスで対応できる顧客を全て掴むことができていない。そこで、私はファンデリーの顧客へのアプローチ方法を変える必要があると考える。その際に考慮すべき点として、外部環境要因が二点、内部環境要因が一点存在する。

 まず、外部環境要因の一点目について述べていく。日本経済新聞(2017)によると、配食産業市場は一貫して伸張傾向であり、今後も拡大することが予想されている。これに合わせてファンデリーも市場を拡大していかなければ他社に市場を奪われてしまうだろう。二点目の外部環境要因として、配食産業にすでに競合他社の存在していることが挙げられる。配食産業の顧客は定期的または長期的に利用するため、スイッチングコストが高いと言われている。さらに、スイッチングコストが高いことは、他社に乗り換えられるリスクが低いという長所となる。一方で、他社からファンデリーに乗り換えさせることは簡単でない点も短所として挙げられる。そこで、ファンデリーは市場拡大に適応するために、新規顧客に注力したアプローチをすることが必要であると考えた。

 最後に内部環境要因として、ファンデリーの売上高のおよそ90パーセントが配食サービスで占められていることが挙げられる。時代の流れによるリスクを回避するために多角化する企業もあるが、事業を単一にすることで、資本や労働力を一つに集中し、効率的に事業を進めることができる。さらに、健康食宅配サービス市場が拡大していくため、ファンデリーは他事業を始めるのではなく、今後も配食サービスに特化していくべきだと考える。

 ファンデリーの競合他社の顧客は、ファンデリー同様主に病人や健康志向の強い人などであるため、現在ファンデリーは顧客へのアプローチにおいて他社と差別化することができていない。そこで、私はファンデリーへ顧客へのアプローチ方法を変えることを提案したい。ファンデリーが個人顧客へのアプローチだけではなく、健康食サービスを必要としている病院や介護施設といった組織へのアプローチを始めるということである。

 この提案により、ファンデリーは上記の三点の方針をさらに活かすことができると考える。まず、もともとファンデリーのサービスは顧客の要望に柔軟に対応しているため、アプローチ方法を変えることによって増加する顧客に対しても容易に対応することができる。つまり、既存サービスのまま新規顧客への対応が可能なのである。次に、弁当が安価であることから、顧客を獲得しやすい点が挙げられる。患者は退院したからと言って完治したわけではなく、退院後も長期間に及ぶ栄養管理を自宅で行わなければならない場合もある。その点で、ファンデリーは他社と比べ比較的安価に弁当を提供しているため、患者は長期的に利用することができるだろう。さらに、顧客へのアプローチ方法を変えたとしてもロスが増えることはない。なぜならファンデリーは弁当を冷凍して管理しているため、現在のロスもゼロに近く、顧客数が多くなったとしてもロスの増えにくいことが予想されるからである。

 これらに加えて、一つの組織にアプローチできれば効率的に新規顧客を増やすことができるというメリットも考えられる。ファンデリーは、現在新規顧客の獲得を顧客とオペレーターの一対一で対応している。しかし、ファンデリーのリソースは少なく、顧客数を増やしていくことに時間がかかってしまう。そこで、ファンデリーの顧客としたい人々を多く抱える病院や介護施設にアプローチすることで、間接的に数十人、数百人規模で新規顧客を取り込むことにつながるのである。つまり、アプローチ方法を変えることで、ファンデリーはリソースの少なさに制限されることなく新規顧客を増やすことができるのである。

 しかも、この提携によるメリットは、ファンデリーに加えその顧客と提携先である病院や介護施設にもあると考えられる。まず、病院や介護施設は入院患者一人一人に合わせた病院食等を提供しているが、患者個人の好みに合わせるという対応はできていないところが多い。その点ファンデリーのサービスでは、利用者が豊富な種類から弁当を選択することができるため、容易に利用者の好みに合わせることができる。また、病院や介護施設は、介護士やヘルパーの労働量を軽減することができるのもメリットである。日本経済新聞(2017)によると、高齢者は増加の一途をたどる一方であり、介護施設では深刻なヘルパー不足が叫ばれている。その施設内で個人単位の食事を管理する労力はとても大きい。今後高齢者が増加し、ますますヘルパーの仕事量の増加が予想されているため、外部に委託できる作業のアウトソーシングを積極的に取り入れていくべきであると考える。このように病院や介護施設が入居者の栄養状況など健康の管理をファンデリーに委託することで、ヘルパーの労働量を削減できるのだ。つまり、ファンデリーとの提携によって、顧客や病院、介護施設もメリットを享受することができるのである。

 高齢化により、宅食サービスを扱う企業が増加し、今後も市場の拡大が見込まれている。しかし、ファンデリーは、新規顧客獲得のアプローチをオペレーターが一対一で行っているため、効率的に顧客を増やすことができていない。そのため、現在のままでは今後市場の成長スピードに追いつくことができなくなることが予想される。そこで、ファンデリーは新規顧客の獲得をするために、病院や介護施設といったファンデリーの顧客としたい人々を既に多く抱えている組織にアプローチすることにより、ファンデリーは効率的に新規顧客を獲得できるようになるのである。つまり、競合他社が既に多く存在しており、かつ成長が見込まれている市場では、企業や法人にアプローチを拡大することで、他社よりも効率的に顧客を取り込めるようになると私は考える。

〈参考文献〉
株式会社ファンデリー (2014) 「経営方針 事業等のリスク」http://www.fundely.co.jp/ir/management_policy/risk_factor 2017年7月3日閲覧.
日本経済新聞 (2017) 「介護職員、離職16.7%、昨年度調査、人手不足が常態化。」 『日本経済新聞』 2017年8月5日, 夕刊, 8 2017年9月12日閲覧.
日本経済新聞 (2017) 「矢野経済研究所、「メディカル給食・在宅配食サービス市場に関する調査」結果を発表」 http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0452557_01.pdf 2018 2017年9月12日閲覧.
東京都(2012) 「外食・中食で使用する金額」 『都民の食習慣と外食・中食の利用状況』 http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2012/07/60m7v106.htm 2017年6月26日閲覧.
内海真希 (2017) 「栄養士と二人三脚で健康に」 『日経ビジネス』 1895, 118-119.

きむら(3年)

役職定年制導入に伴うモチベーション低下の解決方法

西(2017)によると、成果主義の定着や役割定年制¹の導入に伴い、年下の上司を持つミドルが増えている。役職定年制とは、役職者が一定年齢に達した場合、ライン系の管理職ポストをはずれて、非ライン系等の専門職などに移動する人事制度である(水谷, 2015)。この制度は、長期雇用慣行のもとで人事費抑制や若手の育成、従業員のモチベーション向上を狙いとしている。

 私は企業側の視点に立った時、役職定年制に賛成である。理由は3つ挙げられる。1つ目は、若手を育成することができる点である。役職に定年を設ければ、比較的に早い段階で次の世代に役職業務を任せることになり、早い段階で役職者となった若手の従業員にとっては成長の機会を得ることができる。このように、若手を育成することで組織の新陳代謝を促し、さらに企業が成長していくことが可能となる。2つ目は、人件費を抑えることができる点である。長期雇用慣行の下では、年齢を重ねるごとに役職が上がっていき、その分給料も増えていく。しかし、役職から外すことで役職手当が無くなり、その分の人件費を抑えることが可能となる。3つ目は従業員のモチベーションを上げられることである。ここでは若手の従業員とする。役職者の定年を設けることにより、若手の従業員が早めに役職に就くことができる可能性があるため、仕事に対するモチベーションを上げることができる。

 しかし、役職定年制導入によって従業員側に生じるデメリットが3つ考えられる。1つ目は、役職から外された従業員 の社内のキャリア形成が阻害されてしまう点である。年功序列制度下では途中で役職が下がることはない。しかし、役職定年制が導入されたことにより、一定年齢に達すると役職から外されてしまう。つまり、役職定年制導入前に役職者が考えていた社内のキャリアが阻害されてしまうのだ。2つ目は、役職から外された従業員の賃金が下がってしまう点である。年功序列制度下では年齢や勤続年数が上がるにつれて収入が上がっていく。しかし、役職定年制を導入したことによって、役職手当が無くなるため、その分の賃金が低下してしまうのだ。3つ目は役職から外された従業員のモチベーションが低下してしまう点である。Hackman&Oldman(1975)によると、仕事がもつ人を動機づける要素には技能多様性・タスク完結性・タスク重要性・自律性・フィードバックという5つの中核的職務次元があり、これらの要素を多くもつ仕事ほど内発的動機づけが高まると言われている。しかし、現場での活動では、HackmanとOldmanが述べていたタスク完結性、タスク重要性、自律性は役職についていた時よりも低下してしまうと考えられる。まず、タスク完結性が低下してしまう理由は、役職についていた時は管理職として会社全体を管理していたが、現場での仕事となったことで全体の一部分のみにしか関与することができなくなってしまうからである。次に、タスク重要性が低下する理由については、現場での仕事は役職についていた時よりも会社全体に与える影響が少なくなるから、と考えられる。最後に、自律性が低下する理由は、現場での仕事は既にマニュアルなどで定められていることが多いからである。臨機応変に対応しなくてはならない役職者の仕事に比べて、自律性は低下してしまうだろう。以上のことから、役職を外れた後、タスク完結性、タスク重要性、自律性が低下してしまうため、仕事に対するモチベーションも低下してしまうと言える。
 
 このように、役職定年制導入によるデメリットは存在するが、私は役職定年制を導入すべきだと考える。少子高齢化によって現場に入ってくる若手の人数が減少し、現場の労働力が減少してしまっている。そこで、役職定年制を導入することで、人の集まり過ぎている役職から現場へ人員移動をして、役職で持て余していた人材を現場で新たな労働力として使うことができる。そうすることで、役職手当の抑制と現場の労働力の増加が見込めるため、企業にとって導入すべきであると考える。

 しかし、デメリットで挙げたように、役職を外された従業員のモチベーションが低下してしまう場合がある。それでは、役職を外された従業員にたいしてどのような対策をすべきなのか。私は、役職を外された従業員同士の売上を比較し競争させることで、仕事に対するモチベーションを維持することができるのではないかと考える。例えば、現場が人員不足とされている飲食業界では、役職定年制導入によって役職を外された従業員が店長として店舗へつき、前年度からの売上高の伸び率を比較し、それに応じて報酬を定める方法である。

 これによって、Hackman&Oldman(1975)が述べていた5つの中核的職務次元のうち、タスク重要性、タスク完結性、自律性、フィードバックを得ることができると考える。第一に、タスク重要性を得る理由については、その店舗のトップとして配置されるため、自分の仕事がその店舗全体に大きな影響を与えるからである。第二に、タスク完結性を得る理由は、接客業務といった一部の仕事だけでなく、仕入れやシフト作成といったすべての仕事を最初から最後までマネジメントするからだ。第三に、自律性を得る理由については、店長として配置し、仕事に関する権限が与えられることで、自分の考えで進めることができるからである。第四に、フィードバックを得る理由は、売上の伸び率について比較をしているため、仕事の結果を目に見える形で評価されるからだ。以上のことから、タスク重要性、タスク完結性、自律性に加えてフィードバックも得ることができるため、役職を外された従業員のモチベーションを維持することができると考える。

 上記の提案は飲食業界に限らず、自社で店舗をもつ業界ならば適応することができると考える。なぜなら、店舗ごとに前年度からの売上の伸び率を比較することができれば、競争させることが可能となるからだ。ただ、役職を外された従業員の仕事に対するモチベーションを維持するためには、仕事において競争させる必要がある。つまり、自社で店舗を持つ業界に役職定年制を導入する際には、現場において役職を外された従業員が相手と競争できる環境を整えなくてはならないのだ。

やくら(3年)

【参考文献】
Hackman, J.R. and Oldman, G.R.(1975). Development of theJob Diagnostic Survey. Jornal of Applied Psychology, 60(2), 159-170.
水谷英夫 (2015) 『労働者+使用者側 Q&A新リストラと労働法 ―PIPリストラ、ロックアウト解雇、追い出し部屋、ハラスメント、有期使用、成果主義、役職定年制―』日本加除出版.
西雄大 (2017) 「全国3000万ミドルの新・処世術 年下上司のなつかせ方」『日経ビジネス』1898, 44-49.

¹役職定年制のことだと思われる。

再生可能エネルギーを普及させるために

 日本創成会議(2014)によると、日本における地方の人口減少の抑止剤として再生可能エネルギーが注目されているという。縦に長い日本列島はその地域ごとにさまざまな再生可能エネルギーに恵まれている。火山国であるため地熱資源量は世界第3位であり温泉熱が豊富な上、北海道・東北などでは風力に恵まれ、資源は豊富なのだ。  
 
 そもそも再生可能エネルギーを利用することのメリットは何なのであろうか。資源エネルギー庁HPによると、再生可能エネルギーは太陽光や風力など自然界に存在するエネルギーであるため永久に枯渇することがない。また、発電時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しないため、環境にとても優しいのである。日本はエネルギーの8割以上を石油や石炭などの化石燃料に頼っており、さらにそれらの多くは海外からの輸入に頼っているため、先進国でありながらエネルギー自給率は極めて低い。このような状況の中で、資源の枯渇の心配がなく環境への負荷が少ない再生可能エネルギーの導入は、いち早く進められるべきことなのである。

 しかし、国内の再生可能エネルギー普及率はまだまだ低い。倉阪(2017)によると、都道府県単位での再生可能エネルギー自給率を見てみると、1位は温泉熱を利用した大分県であるが32.2%にとどまっている。また、再生可能エネルギーによるエネルギー自給率(地域社会が消費する電気や熱などのエネルギーを、地域内で作った再生可能エネルギーで賄う割合)が100%以上の市区町村は約4%であり、再生可能エネルギーはまだまだ浸透していないことがわかる。

 では、再生可能エネルギーの普及率はなぜ上がらないのだろうか。資源エネルギー庁HPは再生可能エネルギー導入の課題として、設備価格の高さ、供給電力の不安定さ、余剰電力処理の難しさや発電コストの高さを挙げている。これらの問題点により、再生可能エネルギーは売る側も作る側もなかなか事業者が集まらなかった。そこで、2012年7月より政府主導で「固定価格買取制度」が実施された。この制度は、経済産業大臣に認定された再生可能エネルギー事業会社は、電力会社に固定された価格で電力を売ることができるという仕組みである。高価格である再生可能エネルギーは、電力会社になかなか取り扱ってもらえなかったが、この制度の導入により取引量が多くなることが期待された。しかし、結果としてエネルギーの中で再生可能エネルギーが占める割合は、2011年から2014年にかけて1.4%から3.2%に増加するものの、大きく変化しなかった。

 「固定価格買取制度」を導入したのにも関わらず、普及率があまり上がらなかったのはなぜであろうか。最も大きな問題は賦課金の負担が大きかったことであると考える。賦課金とは、「固定価格買取制度」によって電力の買取りに要した費用を、使用料に応じて顧客に負担させるものである。この賦課金は年々上昇傾向にあり、2012年には1kWhあたり0.22円であったのに対し、2017年には2.64円と、約12倍に跳ね上がっていることが分かる。これらの数値は今後、上がることはあっても下がることはなさそうである。この賦課金を下げることはできないのであろうか。朝野(2017)によると、賦課金額を下げることは極めて困難であるという。理由としては、「固定価格買取制度」は20年間などの長期固定で買い取ることが法律で定められているからだ。価格は1年ごとに見直されてはいるが、その新しい価格が適用されるのは翌年以降に認定された設備のみとなっている。この制度では、認定された時点での価格が固定されるため、一度認定された事業者は、少なくとも20年間は賦課金額が下がることはない。現在、太陽光発電における買い取り総額58.6兆円のうち賦課金額は44.1兆円と買い取り総額の大半を企業や個人が負担している。この状況では再生可能エネルギーの普及率を上げることは難しいのである。

 同様の賦課金問題を抱えている国として、ドイツがある。ここでも日本同様に、賦課金増大で国民の不満が高まっていた。資源エネルギー庁(2014)は、その背景として、買取価格の高い太陽光発電の導入拡大に加え、大規模需要家を対象とした費用負担免除によるその他需要家の賦課金の増額、再生可能エネルギー電気の増加に伴う卸電力取引市場価格の低下を挙げている。具体的には、それまで順調に伸ばしてきた新規再生可能エネルギー導入量が、2010年以降爆発的に伸びてしまった。これにより、賦課金額が増大してしまったのである。また、ドイツでは電力多消費産業であるため賦課金減免制度というものが存在する。これは、大規模需要家に対しては賦課金を減免するというもので、その分は他の需要化が負担しており、これも問題になっていた。さらにドイツでは、電源は北部に多く存在するのに対して、需要は南部に多い。そのため、電気をスムーズに運ぶためのインフラ整備が課題となっていたのだ(新エネルギー小委員会 2014)。

 では、ドイツではこの問題をどのように対処したのであろうか。ドイツでは、2017年1月より、「固定価格買取制度」に加え「市場プレミアム制度」を導入した。「市場プレミアム制度」とは、市場で取引される卸価格の変動に応じて、プレミアムが変動するシステムである。太陽光などは、天気によって電力量が左右されてしまい、電力調達が不安定になるため、投資した額を回収できるかは不透明になる。その分の額を補填するのがプレミアムなのである。「固定価格買取制度」では、価格が一定に定められてしまっていたため、市場価格に柔軟に対応することができなかった。そのため市場価格が高い時も国民の負担額は変わらず多く払っていてしまっていたのだ。一方、「市場プレミアム制度」では、市場の価格の変動に応じて賦課金額を変えることができるため国民の負担額を常に一定に保つことができる。この制度を導入することによって、事業者が自由に価格を設定することができるため賦課金額の予算編成がしやすく、結果的に家庭に入ってくる電気料金も下げることができるのだ。

 この制度を日本で導入する際に、事業者からの反発が予想されるのは容易であろう。なぜならば、電力会社は「固定価格買取制度」による単価と回避可能費用の差分を交付金として受け取ることができるが、この制度が導入されることにより、得られる交付金が下がるからだ。再生可能エネルギー事業には、回避可能費用というものがある。回避可能費用とは、電力会社が再生可能エネルギーを買い取ることにより、本来予定していた発電を取りやめ、支出を免れることができた費用のことである。この移行は再生可能発電事業者が電力卸市場価格の変動リスクを負うことになるので、事業者からの強い反対が予想されるのだ(松村 2015)。

 しかし、私は「市場プレミアム制度」を日本でも導入するべきだと考える。現在日本では、賦課金額の高さから、再生可能エネルギー普及率がなかなか上がらない。そこで、この「市場プレミアム制度」を導入することで事業者が価格を自由に決めることができ、結果的に家庭の電気料金も下がることが期待できるのだ。また、松村(2015)は、事業者からの反発による問題は一定程度解決できる理由を4つ挙げている。1つ目に卸市場価格の変動はすべての発電事業者が負う、事業者が当然に負うべきリスクとも考えられること。2つ目にプレミアム分が固定であれば「変動率」は他電源に比して小さくなること。3つ目に将来先物市場が発達すればこのリスクは一定程度回避できること。4つ目に卸市場価格の低下は小売事業者にとっては利益で、発電事業者と小売事業者の相対契約でお互いのリスクを軽減する契約も可能であるということだ。

 では、ドイツで導入されている「市場プレミアム制度」をそのまま日本にも適用することは可能であるのだろうか。私は難しいと考える。なぜならば、日本では「市場プレミアム制度」に移行しても価格競争を起こすことができないと考えたからだ。ドイツでは、総電力に対して再生可能エネルギーが占める割合は、2015年で30%を超えている。対して日本は12.2%にとどまっているのである。このように、市場プレミアム制度を導入すると、普及率の高いドイツでは、再生可能エネルギー事業者同士で、ある程度競争が起こりそうである一方で、普及率の低い日本では、大手事業者の一人勝ち状態になってしまう可能性が否めない。大手事業者の一人勝ち状態になってしまうと、自由競争の市場プレミアム制度下であっても、価格は大手の提示する1択になってしまい、下がらないだろう。市場価格を下げるためには、価格競争を起こさなければならず、その価格競争を起こすためには競合他社が必要なのである。そのため、価格競争が起こらないと市場プレミアム制度を導入する意味は全くなくなってしまうのだ。

 日本でこの制度を導入する目的は、賦課金額を減らし、価格競争を起こすことによって電気料金を下げることにあると私は考える。しかし、資源が多く、規模も大きい大手事業者に新規の事業者が価格競争を挑むことは無謀であろう。そこで私は利用者があえて新規の事業者を選択したくなるようなサービスを提案する。まず、再生可能エネルギー事業者を選択してくれると予想されるターゲット層は、子育てを終えた、もしくは子供のいない家庭であると私は考える。なぜならば、再生可能エネルギーは他電源と比べ料金が高いため、金銭的に余裕のない家庭はまず選択しないと考えられるからだ。そこで、そのようなターゲット層を獲得するために、通常の電気供給に加え3年に一回の頻度で家のエアコンや換気扇の専門的な掃除を業者が行うというサービスの付加を提案する。エアコンや換気扇は自分ではなかなか掃除がしにくい。しかし、放置するとほこりが溜まってしまい、故障の原因にもなりかねないため、多少値段は張るものの専門業者に依頼する人が多いのだ。一般的にこのような専門的な掃除を頼むと、1回で約4〜8万ほどかかってしまう。そこで、通常の電気料金に少し上乗せをして3年ごとで費用を積み立てると考えれば、金銭的にも無理がないため、主婦層に支持を得られるのではないだろうか。さらに、専門的な掃除をしてくれることで、換気扇やエアコンの中のほこりを取り除くことができ、無駄な電気料金を削減することもできる。これは、利用者にとっても非常に大きなメリットになるだろう。一方、再生可能エネルギー事業者側は、3年後の大よその契約数を事前に把握することができるため、まとまった数の契約を一度に専門業者に依頼することになる。これによって、一般的な価格より安価なサービスの提供を交渉し、その費用を抑えられる可能性が高くなるのである。さらに、顧客は3年毎にサービスを見直すなど、比較的長期の契約を見込めるので、今後の需給の見通しが立てやすくなるのである。

 現在の日本では、太陽光発電事業者の倒産が相次ぎ、再生可能エネルギーは儲からないというイメージが拭えない。そのため、多少再生可能エネルギーに着手している大手事業者も、力を入れているとは言えないのが現状である。しかし、まだまだ未開の再生可能エネルギー消費者を開拓していくためには、事業者同士で価格競争を起こし、価格を下げなければならない。そのためには大手事業者に張り合うような競合他社の存在が必要なのである。現状では、価格面で大手事業者と戦うのは難しい。そこで、本提案のように、再生可能エネルギーを選択してくれるような層にメリットとなるようなサービスを付加し、利用してもらえるように工夫を凝らした事業者が必要なのである。日本で再生可能エネルギーが普及するためには、このような事業者の増加と価格競争が求められるのである。

さわだ(3年)

【参考文献】
・朝野賢司(2017)「2030年までに国民負担は44兆円 日本版FITは最悪の失敗政策」『日経ビジネス』1917.80−81.
・関西電力HP「再生可能エネルギー発電促進賦課金」  
https://kepco.jp/ryokin/kaitori/re_energy1 2017年11月20日閲覧.
・経済産業省資源エネルギー庁HP「なっとく!再生可能エネルギー」
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/family/index.html 2017年10月22日閲覧.
・経済産業省HP「お知らせ」
http://www.meti.go.jp/press/2015/03/20160318003/20160318003.html 2017年11月13日閲覧.
・倉坂秀史(2017)「地域存続の貴重な財源に 専門家による自治体支援を」『日経ビジネス』1899.78−79.
・諸富徹(2015)「再生可能エネルギー政策の「市場化」―2014年ドイツ再生可能エネルギー改正法をめぐって―」『経済学論叢(同志社大学)』第67巻第3号、pp.149-174
・松村敏弘(2015)「再エネ普及を妨げる回避可能費用の問題点」『EPREPORT』1824.2017年12月23日閲覧.
・資源エネルギー庁(2014)「再生可能エネルギーを巡る現状と課題」
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/shoene_shinene/shin_ene/pdf/001_03_00.pdf2017年10月22日閲覧.
・資源エネルギー庁(2015)「再生可能エネルギーの導入促進に係る制度の現状と課題」『総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 第20回会合 資料3』
・新エネルギー小委員会(2014)「欧州調査」
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/shoene_shinene/shin_ene/pdf/002_01_00.pdf 2018年1月23日閲覧.

回転寿司チェーン店の都市部出店における問題解決

 河野・須永(2017)によると、回転寿司チェーン「スシロー」は2017年5月29日に東京・JR五反田駅から徒歩3分ほどの場所に都市型店舗をオープンした。大阪発祥のスシローは、郊外のロードサイドを中心に400店舗以上出店してきたが、そんなスシローが東京の都市部に出店したのである。
 
 しかし、スシローが都市部に出店したのはこれが初めてではない。過去に「スシロー」というブランドネームを用いず、回転レーンも置かずに全て職人が寿司を握るフルサービスの形態をとった2種類の店舗を都市部に出店した。だが、いずれも1年ほどで閉店している。河野・須永(2017)によると、新業態店舗の1年での閉店の反省を活かして、SUSHIRO南池袋店を出店した。改善した点は、ロードサイド店のように「スシロー」のブランドネームを用いた回転寿司店にしたことである。実際に行ってみても、アイドルタイムでもほぼ満席であるほどの賑わいを見せていた。しかし、市場関係者からはスシローの都心ビジネスはまだ心もとないという声もある(河野・須永,2017)。では、何が都心ビジネスの問題なのだろうか。
 
 私は、都心ビジネスの問題点は2つあると考える。1つ目は人件費である。地域別最低賃金を見てみると、都市型店舗のある東京都は958円であるのに対して、ロードサイド店のある埼玉県は871円(厚生労働省,2017)と、約90円の差がある。また、回転寿司業界では労働力不足から賃金を上げる傾向にある。結果、人件費が上昇しロードサイド店より費用がかさみ、利益が減少してしまう。実際に、SUSHIRO南池袋店では上昇した人件費を商品の価格に転嫁することで、利益の減少を防いでいると考えられる。加えて、稼働率を上げたり、他の費用を削減するなどの対策を行うことが必須になる。2つ目は顧客の収容人数である。実際にSUSHIRO南池袋店に行ってみたが、ロードサイド店より店舗の面積が狭いと感じられた。面積が狭く収容人数が少ないことでその分の顧客がウェイティング客として店の外に溢れていたのだ。だが、ウェイティング客の存在はお店にとってメリットだと考える。なぜならウェイティング客が多いことは人気店の証であり、顧客への宣伝効果にも繋がるからだ。しかし、ウェイティング客が多すぎると待ち時間が長くなり、入ることをためらう顧客がいるかもしれない。結果、潜在顧客を失うことになってしまう。
 
 1つ目の問題について、スシローは設備を導入することで解決した。例えば、顧客自身で支払いできるセルフレジの導入である(大澤,2017)。顧客が自ら支払いをでき、レジに店員を置く必要がないため、スシローは人件費を抑えられるのだ。また、来店予約ができるスマートフォン向けアプリもある(河野・須永,2017)。以前は店員が他の業務の合間に電話を取って対応していた。だが、顧客がアプリで予約することが可能になったため、店員の業務減少につながっている。しかし、スシローは2つ目の問題点の解決までには至っていない。なぜなら都心の地代はロードサイドよりも高いからだ。店舗面積の拡大によりお金がかかることから問題解決の有効な手段にはならないと考える。では、この問題を解決するにはどうしたら良いのだろうか。
 
 そこで、私は6人がけのテーブル席を2人がけと4人がけの席に分割することを提案する。なぜなら、ロードサイド店舗と都心店舗では顧客の対象が異なるからだ。ロードサイド店舗である幸手店に行ってみたところ、圧倒的に家族連れが多く、5〜6人で来店している顧客が多く見られた。しかし、都心店舗ではロードサイド店のような団体客は見られない。SUSHIRO南池袋店では、5〜6人の集団よりは2〜4人の顧客が多く、6人がけのテーブル席に2人だけ座っている姿を多々確認できた。現状のままではウェイティング客は入らず、稼働率も上がらない。そこで、座席を小規模に分割することによって、デッドスペースに並んでいた顧客を収容できるようになる。結果、ウェイティング客の減少と稼働率上昇につながるだろう。
 
 回転寿司チェーン店の都心出店にはロードサイド店舗で最適化されている設備や店内構造が足枷となっている。しかし、少人数のグループが多い都心顧客に合わせて設備や店内構造を最適化することによって、足枷となっていた問題を解消することができる。つまり、回転寿司チェーン店の都市部出店への問題解決には、郊外店とは異なる都心顧客を対象とする適した取り組みが必要なのである。

【参考文献】
河野紀子,須永太一郎 (2017) 「スシローグローバルホールディングス 雌伏10年、悲願の上場」 『日経ビジネス』 1887, 60−64.
厚生労働省 (2017) 「地域別最低賃金の全国一覧」 2017年9月26日閲覧
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
大澤昌弘 (2017) 「なぜ、スシローは都心に進出したのか」 「マイナビニュース」 2017年8月23日閲覧
http://news.mynavi.jp/articles/2017/08/09/sushiro/

あらき (2年)

JR東日本の鉄道自動運転化に向けて

 現在、JR東日本は国鉄時代に入社した社員の大量退職が始まっている。そのためここ数年のペースで採用しても、5年後には社員が5,000人ほど減少する見通しだ。また、若手の乗務員が技術を身につけるには時間がかかるので、技術の伝承に不安が残るとされている。このような背景もあり、JR東日本は鉄道に自動運転を導入する方針を固めた。大西(2017)によると、自動運転の導入により、現在JR東日本が直面している乗務員減少を補うことができ、また混雑に合わせた柔軟な運行ができると考えている。

 自動運転は、すでに高架鉄道や地下鉄のように外部からの障害物が入りにくい路線で、ホームドアの完備などを条件に導入されている。例えば、ゆりかもめでは列車に乗務員がいない自動運転を導入している。しかし、自動運転であるからといって全く人が関わっていないというわけではない。ホームを映し出したモニターを中央指令所でチェックすることにより、安全に運転ができている。

 では、障害物が入る可能性が高い一般的な鉄道の路線では、自動運転を導入すべきであろうか。

 私は、現状では鉄道の自動運転をすべきでないと考える。なぜなら、鉄道会社は第一に乗客の安全を考えなくてはならないが、自動運転には安全面で課題があるからだ。1年あたりの鉄道運転事故・運送障害の件数は、ゆりかもめがそれぞれ0件/km・0.408件/km(ゆりかもめ, 2017)であったのに対し、JR東日本は0.02件/km・0.19件/km(JR東日本, 2017)であった。ゆりかもめでは、障害物が少なく、ぶつかる要素もないうえに比較的低速で走行していてブレーキがかかりやすい。このような新交通システムでさえも、自動運転を導入していない鉄道より運送障害が多い。JR東日本のような一般的な鉄道では、ホーム・踏切・線路など障害物が入ってくる可能性が高く、ブレーキから停車までは最長で600mかかる。ゆえに、JR東日本が自動運転を導入した際には、運送障害がさらに増加するのではないだろうか。

 そこで、JR東日本の運送障害の内訳を見てみると、約半数を占めるのは部外要因である。部外要因とは線路内立ち入りや自殺などのJR東日本に起因しないものだ。これらの部外要因は、事前に予測できず突発的であるという特徴がある。雨や風のような気象は一定程度予測できるため、自動運転でもモニターの監視により対応できる。しかし、突発的な要因に対してはモニターでの監視で対応できず、自動運転化では安全に運転ができない。

 このような自動運転に安全の課題がある一方で、乗務員の減少は避けられない。総務省(2014)によると、15〜64歳の生産年齢人口は2013年12月時点では7,883万人まで減少しており、今後の予測では2060年に4,418万人まで大幅に減少すると見込まれている。このような人口の減少により、人件費も高くなるだろう。乗務員減少を補うためには自動運転化が欠かせない。

 自動運転化の課題である部外要因の対策は、人や物が入らないようにする点と入ってしまった障害物を感知する点の二点だ。前者の対策としては、すでにホーム上にホームドアを設置し始めている。また、踏切に関しては、立体交差化を進めることによってその廃止に努めている。しかし、線路への侵入を完全になくすことは現状では不可能だ。そのため、線路内に侵入した障害物に対しての感知が必要となるだろう。

 現在、JR東日本はAIカメラを取り付けることによって自動運転化を進めようとしているが、暗い場面や見通しの悪い場所では障害物を十分に感知できない可能性がある。そこで、私はAIカメラを導入する動きに加えて、遠距離の障害物を感知するレーダーを取り付けることによって、安全な運転ができると考える。日立オートモティブシステムズ株式会社(2017)によると、同社は前方遠距離センサーとして前方ロングミリ波レーダーを開発した。このレーダーは、車両から200m離れた障害物の感知が可能である。たしかに、鉄道の停止距離は最長600mなので必ず停止できるとはいえない。しかし、このレーダーを用いることによって、現在の運転手がいる状況と同じ安全水準で運行する分には十分であると考える。なぜなら障害物が多い場面で列車が停止できるからだ。AIカメラと遠距離の障害物を感知するレーダーに加えて、踏切ではすでに障害物感知装置が設置され始めているため、踏切に関してはその装置によって対処できる。さらに、落し物や人の転落が多いホームでは、電車が速度を十分に落としていることから、200m前で感知をしても多くの場合で停車は難しくない。障害物が比較的多いとされる踏切とホームで安全に停車することができるので、現状の安全水準を満たした運転が可能になるのではないだろうか。

 将来、技術が進歩することによって精度の高いAIカメラが開発されたり、広範囲を感知できる障害物感知装置が設置されたりするかもしれない。しかし、既存の技術で自動運転化を進めるためには、AIカメラだけでは障害物を確実に感知することが難しい。そこで、200m先の障害物を感知することができる遠距離感知レーダーをともに用いることが必要である。AIカメラと遠距離感知レーダーがJR東日本の自動運転化を可能にするのだ。

<参考文献>
日立オートモティブシステムズ株式会社(2017)「HITACHI HP」2018年1月15日閲覧, http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2017/10/1003.html
JR東日本(2015)「会社概要」2017年11月13日閲覧, http://www.jreast.co.jp/company/outline/
JR東日本(2017)「CSR報告書2017」2017年10月10日 閲覧, https://www.jreast.co.jp/eco/report/2017.html
大西孝弘 (2017)「交通プラットフォーマーへの野望 鉄道の自動運転 JR東日本が始動」『日経ビジネス』1908,10-14.
総務省(2014)「我が国の労働力人口における課題」2017年11月13日閲覧, http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc141210.html
ゆりかもめ(2017)「安全報告書2017」http://www.yurikamome.co.jp/wp-content/uploads/2017/09/d2bac930f163e70e3178e67736cd2dcc.pdf
ゆりかもめ(2017)「会社概要」2017年11月13日閲覧, https://www.yurikamome.co.jp/aboutus/overview-2/

まさや(2年)

CCCがさらに成長していくためには〜今後の実店舗の在り方〜

 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)は、DVDやCDなどのソフトレンタルショップ「TSUTAYA」をフランチャイズ中心に展開してきた。染原(2017)は、現在音楽CDやDVDレンタルは、音楽・映像配信サービスなどのネットビジネスの影響を直接受ける商品であり、従来のレンタル事業は縮小の危機にあると主張している。実際、CDレンタル店舗は1999年の4264店舗から2016年には2243店舗まで減少している(日本レコード協会2016)。
 
 このような背景から、CCCは「大型複合店」の出店という新たな事業を展開し始めた。ネット通販が全盛の時代でも存在意義がある店舗にするために『モノを売るのではなく、ライフスタイルを売るというビジネスモデルを展開していく』とCCCの増田社長は述べている(染原2017)。そのため、新店舗では既存店舗でも取り扱っていた書籍や音楽、既存の店舗では展開していなかったカフェやレストラン、ペットサービスや家電などを融合して展示し、生活に密着した店舗を展開している。

 私はCCCが行うライフスタイル提案を行う店舗の展開に、基本的に賛成である。消費者は以前に増して、「モノ」よりも「コト」に価値を大きく感じるようになっている。店舗ではモノを販売するだけではなく、その店舗でしか体験できないコトを提供することが重要になる(河合2014)。そこで、CCCが代官山にオープンした「代官山蔦屋書店」に実際行ってみた。TSUTAYAの既存店舗や一般的な書店では、「コミック」や「文庫」、「雑誌」など「モノ」を起点に棚が作られている。一方、代官山蔦屋書店では「旅行」「スポーツ」「料理」などライフスタイル別に独立した小部屋のような空間や棚づくりをしている。この店舗で提案されているものは、今の生活がほんの少しでも豊かになりさらに充実するためのアイディアである。つまりそれは少し手を伸ばせば掴み取れる憧れの生活だ。CCCは、来店した顧客がこのアイディアの中から自分の求めているものを選択し、購買につなげるための店舗づくりを行っている。私が行った際には、「料理」のコーナーでは「パンのある生活」が特集されていた。そこではパンの作り方の書籍、都内のパン屋の特集本、サンドイッチ専門店の書籍に加え、パンに関する雑貨、パンを載せるお皿、バターナイフ、ジャムなども、実際にパンを食べるときのように展示されている。また、それぞれのコーナーには手書きでコンシェルジュによるコメントが添えられており、それを読むことで興味をもってもらえる工夫もされていた。顧客はこのディスプレイから新たなパンへの興味や、今の自分の生活にはないが取り入れたらもっと生活が豊かになるものを発見し、書籍や雑貨を購入するのである。このように、書籍を読んだ先にある価値観や生活感、新たな興味や知識などを「コト」として提案する店舗が作られていた。そのため、私はライフスタイルを提供する店舗には賛成である。
 
 一方で、2017年6月現在既存店舗は全国に1461店ある。レンタル事業の縮小や書籍のデジタル化の影響は今後拡大していくため、既存の店舗でも大型新店舗で展開しているようにライフスタイルを提案していくべきである。しかし、私は既存の店舗では、大型新店舗のようなすべての人をターゲットにしたさまざまなライフスタイルの提案は、難しいと考える。なぜならば、既存店舗の売り場面積は大型新店舗に比べ狭いうえに、ライフスタイルは多様化しているため、幅広い顧客をターゲットにした提案は難しい。では、既存の店舗を活用してライフスタイルの提案をするためにはどうしたらよいのだろうか。

 そこで私は、店舗ごとにそれぞれターゲットを徹底して絞った店舗の展開を提案する。なぜならば、ライフスタイルやニーズは、世代、性別、地域によって多様化しており、ライフスタイル提案を既存店舗の限られている狭いスペースで行うためにはターゲットを絞る必要があると考えるからである。

 ターゲットを絞った例として20代30代の女性をターゲットにした料理中心の店舗の展開を考えたい。20代30代の女性は新しい情報や感性に敏感である。また、女性の社会進出が進んでおり、趣味を持ち、自分自身に時間やお金をかける人が増えているため、市場の規模が大きく、消費性向も高い(片岡 2013)。そして、多くの女性の関心が高く、生活に密着している料理の提案を行うことで興味を持ち、来店してもらえると考える。

 この店舗では、料理の雑誌や書籍、調理器具、また、料理に関連するものなどを一緒に提案し、料理の専門家をコンシェルジュとしておく。そこで、この店舗で提案する様々な料理の特集について考えたい。例えば、「クッキングラム」というコーナーではインスタグラム映えするような色鮮やかなお皿、箸置き、キャラ弁のレシピや、オシャレな盛り付け方の雑誌、またオシャレな写真の撮り方の雑誌や、カメラ本体などもともに展示する。そこで、コンシェルジュが写真映えするテクニック、料理がおいしくきれいに見えるコツや方法、おすすめの雑誌や写真の撮り方などを紹介するのだ。また、「10分ごはん」というコーナーでは簡単にできるレシピ雑誌や、レンジのみで調理できるような調理器具、万能調味料などを一緒に展示する。そこでもコンシェルジュが実際に簡単にできる調理器具の実践販売や、時短の料理テクニック、またおすすめの書籍を紹介することも考えることができるだろう。
 
 つまり、この店舗では、漠然と何かを探しに来ている顧客には普段の「食生活」や「料理」の新しい楽しみや暮らし方のアイディア、目的があって来店した顧客にはそれぞれのニーズに合わせたサービスを提供する。いままで料理にこだわりを持っていなかった人や、自分の料理を少しでもおいしく見せ、SNSに投稿したいと思っている人、料理はしたいが時間がない人など、さまざまなライフスタイルを持っている人々が新たな暮らし方を発見することができるのだ。また、コンシェルジュによるサービスやアドバイスから、雑誌・調理器具をともに購買してもらえるきっかけを作る。このように狭小な既存の店舗を活用してライフスタイルを提案するためには、ターゲットやコンセプトを明確にすることで、実店舗の強みを活かした取り組みを行っていくべきであると考える。

 近年、消費者の価値を感じるものが「モノ」の所有から「コト」の経験に変化している。また、ネットビジネスの影響により、様々な小売店が売り上げ低迷や店舗縮小の危機にある。その中で、CCCはスペースが限られている既存店舗でもターゲットやコンセプトをより明確にし、顧客に新しい価値観や生活感、新たな興味や知識を提供する店舗を造っていくことで、事業をさらに拡大していけると考える。つまり、今後の小売店の勝敗を決定するのは、その店舗でしかすることのできない買い物体験の提供や、顧客が商品を購入した先にあるライフスタイルの提供ではないか。

【参考文献】
一般社団法人日本レコード協会「CDレンタル店調査」
http://www.riaj.or.jp/f/report/rental/2016.html 2017年5月28日閲覧.
河合政尚(2014)「モノ消費だけでなくコト消費の時代へ」『Nikkei BP』
http://www.nikkeibp.co.jp/article/matome/20140220/384639/ 2017年7月4日閲覧.
片岡敏彦(2013)「増える働く女性、高い消費性向 女性市場が注目される3つの理由」『ダイヤモンドオンライン』
http://diamond.jp/articles/-/32571 2017月8月8日閲覧.
下原口徹(2016)「ネットに勝る「快適」磨く CCC・増田社長の胸の内」
『日本経済新聞』 2017年5月28日閲覧
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXMZO98996230Z20C16A3H11A00/
2017年5月28日閲覧.
染原睦美(2017)「脱レンタル店の実像」『日経ビジネス』1892,52-60.
CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)HP「TSUTAYAの歴史」
https://www.ccc.co.jp/showcase/sc_004049.html?cat=tsutaya2017年6月21日閲覧.

よこせき(2年)

calendar
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< July 2019 >>
selected entries
categories
archives
links
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM