少子化対策と託児推進の矛盾について

 現在日本の人口は約1億2000万人であるが、厚生労働省(2010)の推計から、2060年には9000万人に割りこむとされている。方野坂・青野(2017)によると、この人口減少で問題となるのが労働力不足の問題である。そのため様々な企業で労働力不足についての対策が迫られている。

 その1つの案として、青野氏は近年働く女性が増えていることから、女性が主に担うことの多い家事・育児は外部の力であるベビーシッターを活用すべきであると主張する。「男は仕事」という古い考えの人は今でも多く、青野氏はこの男性の意識の改革には時間がかかるという。それよりも、公費や補助金を投入し、安価な託児サービスを利用できるようにし、個人の利用負担を少なくすることで、家庭内の家事・育児が軽減され、少子化対策につながっていくのではないかと主張している。

 私は、少子化対策のためにベビーシッターのような外部の力を利用する、という青野氏の考えには賛成である。厚生労働省(2015)によると、有配偶女性(25〜44歳)の就業率は年々増加しており、平成26年には60%以上の有配偶女性が就業している。不安定な所得のため共働きせざるを得なくなっている夫婦が増え出産に踏み切れないために、出生率が低下しているのだ(加地,2009)。しかし、ベビーシッターを利用することで、女性の家事・育児の負担を少しでも減らすことができれば、女性が子どもを産み育てる余裕が出て、そしてそれが出生率の増加へとつながる。また、女
性が外で働きやすくなるので、現在問題となっている労働力不足を補うこともできると私は考える。

 このように家事・育児に外部の力を活用するにはお金がかかる。しかし、すべての家庭に外部の力を利用するためのお金を出す余裕があるわけではない。そこで国や自治体など公益資金による援助が必要となってくる。その資金の投入先として、2つのパターンがある。1つ目は資金がサービスを利用する側に投入される場合であり、2つ目は資金がサービスを行う側の方に投入される場合である。

 1つ目のパターンは、児童手当のように、サービスの利用援助を目的とした利用者側への資金の投入である。実際内閣府の子育て支援制度では、ベビーシッターを利用する側の金銭的負担を減らすことができるよう、サービス利用時に使うことができる割引券を配布している。利用者は国が指定した託児サービス所ならば、この割引券を使用することができる。この場合、確かに利用者側の金銭的負担は少なくなるであろう。

 しかし、私はこの資金の投入の仕方では少子化を止められないと考える。なぜなら、今後女性の社会進出が進み、子どもを預けたいという親が今より増えた場合、子どもを預かる側の人手がさらに足りなくなると考えるからである。資金があっても子どもを預ける場所がなければ、結局親は子どもを預けることができず、こうした不安から少子化はさらに加速するのではないだろうか。現在でも託児サービスを行う人の数が十分に足りているわけではない。厚生労働省(2015)によると、平成27年4月時点の保育所(1)待機児童数は、23,167人である。これは現在国が確認できている待機児童数であり、実際託児サービスを受けられていない子どもはもっと多くいる。託児サービスが充実しないと女性が子どもを産んでも働こうと思ったときに預けることが難しく、こうした不安が少子化をより進むと考える。

 ではどのように資金を投入すれば少子化対策につながるのであろうか。私はベビーシッターの人数を増やすことが必要だと考える。女性が今後さらに社会進出し、子どもを預ける人が増え、新たにサービスを利用しようとしても、ベビーシッターおよび保育に従事する人の数が十分ではないので、結局働くことができない。そこで人数を増やすべく、ベビーシッターの賃金を上げるために資金を投入していくべきであると考える。賃金を上げることで、多くの人にこの業界の魅力を感じてもらうためだ。

 全国保育サービス協会(2015)によると、2015年における1時間あたりのベビーシッターの賃金の平均は1,332円である。これは、私たち大学生がしているアルバイトの自給とほとんど変わらない。ベビーシッターは小さな命を直接的に預かるという点で責任の重い仕事であるにもかかわらず、十分な給料がもらえていないのである。

 実際、保育者の賃金を上げることで人材の確保に成功した例もある。千葉県船橋市では、保育士の人数を確保するために、2016年より市から保育士に対する金銭的支援を行い始めた。そのメニューは、「月々の家賃補助」、「修学資金の貸付」、そして船橋市が独自で行っている「ふなばし手当」の3つである。このふなばし手当とは、船橋市内の私立保育園、認定こども園、小規模保育事務所に勤務すると、給与の上乗せとして月額32,110円、期末手当71,460円(年間計456,780円)の手当が受けられる。この支援制度を導入した結果、船橋市は今まで集められなかった保育士の人材を確保することに成功した。

 このことから、賃金を上げることは業界に人を集めることにおいて即効性があったと言える。このように賃金を上げることで保育に従事する人が増えれば、今でも十分に需要を満たせておらず、今後さらに足りなくなるであろう保育に従事する人が増える。親が確実に子どもを預けられるようになることで、女性は安心して子どもを産み育てていこうと思え、出生率は上がる。こうして少子化対策につながっていくのである。

 ただ、このようなベビーシッターの賃金上昇のための補助金には、多くの税金を投入しなければならないと考えられる。日本は高齢化問題など様々な問題を抱えており、資金を必ずしも子どもや子育てのためだけに使えるわけではない。しかし、こうした厳しい状況でも少子化対策のために資金を投入している地域はある。例えば、福井県は都市部に比べ高齢者も多く、様々な財政的問題を抱えているが、子どものために資金を投入することを強く進めている。その結果、厚生労働省(2014)によると現在出生率は他県に比べ高い。また、福井県は25〜44歳の育児をしている女性の都道府県別有業率が全国2位と、高水準を保っている(総務省統計局,2012)。この福井県の対策のように、日本全体でも少子化対策を最優先に資金を投入することが必要である。

 このように少子化対策には、賃金を上げ、ベビーシッターの人数を確保することが必要である。そしてそのためには、国や自治体などが資金を援助していくことが重要となってくる。保育に従事する人の数を確保し、子どもを預かる側の供給が増えることで、親が子どもを産み育てていくことができ、出生率は上がる。また、女性が外へ出て働く余裕ができるため、今ある労働力不足の問題にも即効性があるといえるであろう。未来を担っていく子どもを増やすこと、子どもを育てやすい且つ子どもが育ちやすい環境を形成していくこと、またそれを支えるための親の負担を減らす援助をしていくことは、喫緊の課題である。

 (1)ここでいう保育所とは、2015年4月に施行した「子ども・子育て支援新制度」において新たに位置づけられた幼保連携型認定こども園などの特定教育・保育施設(幼保連携型認定こども園、幼稚園型認定こども園、地方裁量型認定こども園)と特定地域型保育事業(小規模保育事業、家庭的保育事業、事業所内保育事業、居宅訪問型保育事業)(うち2号・3号認定)の数値を含んだものとなる。

 
【参考文献】
船橋市 (2017) 「ふなっしーも応援!船橋市内の保育園で働きませんか?」 2017年7月5日閲覧. http://www.city.funabashi.lg.jp/kodomo/hoiku/010/p027165.html
加地大輔 (2009) 「少子化社会に対する女性の社会進出の重要性」2017年6月12日閲覧.
http://fourier.ec.kagawa-u.ac.jp/~tetsuta/jeps/no5/Kaji.pdf
方野坂真哉・青野慶久 (2017) 「少子化対策、私はこう向き合う」 『日経ビジネス』 1890, 16-17.
厚生労働省 (2010) 「日本の人口の推移」 2017年6月12日閲覧.
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/dl/07.pdf
厚生労働省 (2014a) 「保育人材確保のための『魅力ある職場づくり』にむけて」 2017年6月26日閲覧. http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11601000-Shokugyouanteikyoku-Soumuka/0000057898.pdf
厚生労働省 (2014b) 「出生率の年次推移,出生順位別」 2017年8月23日閲覧. http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai14/dl/h9.pdf
厚生労働省 (2015) 「保育所等関連状況取りまとめ(平成 27 年4月1日)」 2017年6月12日閲覧. http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Hoikuka/0000098603.pdf
総務省統計局(2012) 「25〜44歳の育児をしている女性の都道府遠別有業率」 2017年8月23日閲覧. http://www.stat.go.jp/data/shugyou/topics/topi740.htm#ikuji 
全国保育サービス協会 (2015)「ベビーシッターアンケートデータ」 『データ集』 2017年6月12日閲覧. http://www.acsa.jp/images/babysitter-data2015.pdf

ふじさわ(2年)

8月7日「〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則」第11章 QUESTIONING/最終章 BEGINNING

〈第11章 QUESTIONING 要約〉
 現在、かつては不可能だと思われていたことが可能になってきている。ありえないことに満ちているこの状態は、まるで白日夢のようで、筆者はこの白日夢をインターネットと呼んでいる。いまこの瞬間にオンラインにいる人々のことを想像すると、すぐに答えを得たり、調べ物をしたり、応答したり、自分の考えを投稿したりと、生産的な方法で自分の考えに取り組んでいる。この新しいあり方は、結論のない一つの疑問に加わっていることとなっている。
 科学のパラドクスにおいて、より多くのツールでより多くの解答が得られると、いっそう多くの疑問が生じるように、われわれは発明することで、自分たちの無知の中を覗き見ることができる。そして回答が潤沢にあれば、新しい質問が増えていく。質問を生み出すものは、われわれ人類が絶え間なく探検する新しい分野を生み出す原動力となっていくだろう。質問することとは、答えることよりも力強いものになるのである。

〈最終章 BEGINNING 要約〉
 われわれの人生が乗っかっている新しいプラットフォームは、ホロス(全人類の集合的知能と全マシンの集合的行動が結び付いたもの)を使うことで強化されている。この新しいプラットフォーム上ではあらゆる所で相互接続がなされている。それは一見すると社会の自然な延長に見えるが、われわれは今、非連続性のエッジにいる。つまり〈始まっていく〉プロセスの中にいるのである。本書で述べられてきた12の法則への移行は〈なっていく〉プロセスの第一歩を踏み出したにすぎないのである。
 筆者は、超生命体が出現することで「シンギュラリティー(そこから先は未知のフロンティアが広がるその境界)」の強いものと弱いものが予想されるとしており、その2つのうち、弱いシンギュラリティーの方があり得る話だとしている。筆者の述べる弱いシンギュラリティーとは、われわれの創造物がわれわれをより良い人間にする領域であり、一方でわれわれ自身がその創造物なしでは生きられなくなる領域のことである。この相転移はすでに起こっているが、今よりもより移行は激しくなるだろう。〈始まっていく〉ことはまだ始まったばかりなのである。

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〈ディスカッション〉
テキストp.390には「本書で述べたテクノロジーの数々もすべてが合体し―つまり人間にマシンが加わって」「われわれをより良い人間にする」とあるが、その一方で「われわれ自身がその創造物なしでは生きられなくなる」ともある。今回は、本書の総括として今までの12の法則を考慮し、以下の手順でディスカッションを行った。(※ビカミング〈なっていく〉とビギニング〈始まっていく〉は未来のことなので考慮しない。)

〆2鵑離妊スカッションでは、「より良い」を「効率の良い」と置き換え、現時点で、われわれが創り出したマシン・創造物にはどのようなものがあるかを挙げる。
また、そのマシン・創造物にはどの法則が含まれているかも挙げる。

⊂綉の,乃鵑欧燭發里法△匹Δい辰新舛濃弔蠅遼‖Г鯤笋辰討い韻佗者の述べる「本書で述べたテクノロジーの数々もすべてが合体」することができるのだろうか。

 、┘ッコ内は含まれている法則
・メーリングリスト(シェアリング・アクセシング・スクリーニング・フローイング)
・Wikipedia(リミクシング・シェアリング・スクリーニング・アクセシング)
・SNS(シェアリング・アクセシング・スクリーニング・フローイング・トラッキング・フィルタリング)

⊂綉で挙げたものの中から、ゼミにおいても活用している「メーリングリスト」に残りの法則を補う。
・フィルタリング:さらに検索条件を綿密にする。レコメンドが行われるようにする。
・トラッキング:就職活動報告メールにおいて、今まで先輩方が受けてきた企業の情報をさらに詳しく追跡できるようにする。
・インタラクティング:課題を提出する時期をマシンが覚え、時期が近付いたら通知が来るようにする。
・リミクシング:就職活動報告メールにおいて、今まで先輩方が受けてきた企業ごとに区別されるようにする。
・クエスチョニング:レコメンドが出るようにする。(マシンから質問が来るという意味で)
・コグニファイング:どのようなタイプの人が、どういった企業に興味があるのか認知できるようにする。

 今回のディスカッションではメーリングリストについて筆者の述べる法則を補っていったが、よく考えると工夫すればできるところまで近づいていることが分かる。しかしまだ技術的に追いついておらず、実現できていないのが現状である。

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 もし今回のディスカッションで挙げられた残りの法則が実現すれば、われわれはそれなしでは生きていけなくなるのだろうか。本書で述べられてきたことは、すべてこれから起こりうることを筆者が楽観的に記しているものではあるが、実際に現実では本書で述べられていた法則は実施されている。外れてしまうこともあるだろうが、これから先、5〜10年の指標にはなるのではないだろうか。

いいむら(3年)



8月7日 「<インターネット>の次に来るもの―未来を決める12の法則」 第10章 TRACKING


【要約】

自己測定という言葉を耳にしたことはあるだろうか。これは、温度計や心拍計、動作追跡脳は検出などを用いて自己を測定することだ。はっきりとしない自分の隠れた性格の仮面を外すべく、一部の人たちの間でこうした崇高な探求が始まった。かつては、様々な面でコストがかかったこの自己測定も簡単になってきているという。

個人を測定することは例えば医学の世界では非常に有益なものである。個人にフォーカスした、個人の基準値を長期的な測定で割り出すことができるのだ。その結果は、その他多くの人には効果的でないかもしれないが、自分にとっては最高の効果が見込めるものとなる。このように他の多くのことを長期的に自己定量化することで、自分の数値が確立されそれが比較対象として有効的に機能するのだ。

自己を定量化することは健康分野のみならず、さらに応用が可能であると言われている。人生のすべてをトラッキングし、残すことが可能になるのだ。まさに、自分の電子版人生が作成されていく。そうしたデータは記憶を助け、他人のそれと混じり合うことで今では考えることのできない多くのことが可能になるだろう。

こうした意識的なトラッキングだけでなく、意識されることもなく活発でもないライフログというトラッキングも行われるようになる。ライフログは無意識的にトラッキングが行われるため、なんのバイアスもなく、一生涯記録される受け身型のトラッキングと言うことができる。ライフログの活用法としては、それが必要になったときに巻き戻して呼び戻し確認することができる。あくまで意識下にいないため、必要になったら呼び戻すのだ。

トラッキングはIOTによって、物の分野においてもトラッキングが行われていく。世の中には多くのデータが生み出され、トラッキングの流れを止めるものはない。こうして社会は相互にトラッキングされることで共感視され透明的な社会になっていく。現在であれば、誰に見られ誰を見るかなど決まりはなく、私と相手の関係性は曖昧で非対称であった。しかし、共感視によりそうした次元を超えていくことになる。すべてが透明になることが可能になる。人々もまたそうした世界を望んでいる。人はプライベートよりシェアして自分を開示していきたいのだ。

人や物、世界がトラッキングしていくことで、データはさらにあふれていく。そのデータをAIが処理し、原始的な単位まで分解し再構成することで新たな化合物を生み出す。そうした化合物の素材が世界中にシェアされ新規プロダクトや革新的サービスが世界に誕生していくのだ。


【ディスカッション】

テーマとしては、ゼミ生がすべてをシェアする透明化社会を受け入れるのかというテーマのもとディスカッションを行った。
技術的に世界が共感視され透明化社会になることが可能になることは理解できた。しかし、それを物理的世界で生きている人間が受け入れるのかに疑問を覚えこのディスカッションを行った。
具体的には、すべてをシェアすることを受け入れる派か、プライベートな部分は持っていたい派に分かれてそれぞれ意見を言うことで進めた。

シェア派の意見として、友人の予定を知ることができる。相手の暇な日を知ることができる。リアルタイムで何をしているか分かるなどが挙げられた。一方、プライベート派は予定を知られたくない。今の状態で満足。常に見られているため行動が制限される。過去や現在の見られたくない部分も知られてしまうなどの意見が挙げられた。

意見から分かることは、シェアに対する個人の価値観で意見がぶれてしまったことだ。これは筆者がシェアの制限をし、その場合のメリットデメリットなどを指定しなかったため、個人のイメージによった回答になってしまったと考えられる。

この議論に対する筆者からの一つの提言としては、プライベート派の方々!とは言うもののトラッキングを可能にする世界を作っていますよね。という言葉をお送りしたい。例えば、ツイッター、インスタグラムなどで情報をばらまくことは、トラッキングの材料になるという意識はないかもしれないが、確実にトラッキングを可能にするデータを蓄積していることになる。本の著者であるケリーが言っている人間がシェアを望むとはこのことだろう。無意識的にシェアをしているのだ。多くのツールが誕生したことで。

今後世界がトラッキングされていく中で課題としては、トラッキングをどの程度まで行うのかであろう。今回のディスカッションからも、トラッキングに対する個人の考え方でシェア派かプライベート派かに分かれてしまった。この問題はゼミ生から世界にレイアを上げた時も課題として存在する。技術的に可能になっていくトラッキングを、どんな新しい社会規範で制御していくのか。トラッキングの将来像はこの部分に起因して形を変えたものになっているだろう。

ちば(3年)

7月28日 「<インターネット>の次に来るもの−未来を決める12の法則」 第9章 INTERACTING

【要約】

 仮想現実(VR)は作り物の世界だが、完全に本物のように感じ、まったく違う世界に没入する。それこそがVRの目指しているもの現在のVRは3DのIMAX映画とホロデックの疑似体験の間にある。しかし、VRは均等に行き渡らず消えていった。現実に十分近いと言われていたが、常に十分ではないためだった。そして、スマートフォンの成功により、スクリーンの品質が向上し、安価で使用可能で、VRのスクリーンが頭や手や体の位置を検出するのに使用された。現在のVRの急速な進歩には、プレゼンスとインタラクションが関係している。そのため、現在のVRはよりリアルになってきている。しかし、プレゼンスがウリになるとしても、VRの効果はインタラクティブから生まれる。VRの中では、そこに出てくる他人との関わりが持てることで、 他人に興味を持ち深いプレゼンスを感じる。こうした目標のために、トラッキングセンサーを利用し、目の動きを追うことで両世界の視線をシンクロさせる。そうして視線が集まった時間をトラッキングすることで、注目された場所を解析できる。
 現在、アナログからデジタルへの急変化が起きている。楽器にマイクやカメラ加速度センサーを埋め込めば、少々身体的なインタクラションができる。そうして、私たちの皮膚の上に乗るものはウェアラブル(Wearable)と呼んでいる。例えば、グーグルグラス、アップルウオッチが挙げられ、情報を読んだり、健康管理したりしたことができる。これから10年で、インタラクションできるものはますます増え続ける。その動きは次の3つに牽引されていく1)より多くの感覚 2) 親密さを増す 3) 没入感を増す。
 近年、最大限のインタラクションに最大限のプレゼンスが加わったものとして、野放しのテレビゲームユーザーとのエンゲージメントがシナリオに織り込まれた古典的なシューティングゲームが挙げられる。それらは、複数用意されたオープンエンドのアーキテクチャーである。これらの世界は、論理的な思考では本当の世界ではないとわかっているのに、理性以外の部分は信じている。このリアリズムが次に目指すのはVRのインタラクションによって完全に没入し、我々がインタラクションに強く求める者は際限がないこうした大規模なビデオゲームは、新しいインタラクションの草分けである。
 VRの世界では、そこで起こることすべてが例外なくトラッキングされる 未来のVRの生活では、音響やリアルタイムのにおいまでリアルな体験ができる。さらにVRは、作り出す強いプレゼンスによってお互いに矛盾する2つの特徴が増幅され、嘘の世界を本当のものだとみなすといったもう一つの恩恵をもたらす。しかし、問題点も挙げられ、オンラインの他人が本当のリアルな人物なのか特定することが難しくなっている。それを防ぐためには、自分の特徴をVRに溜め込み、自分自身がパスワードになることが大切である。つまり、我々のインタラクションがパスワードになっていくのだ。インタラクションの程度は向上してきて今後ますますその傾向が強まり、インタラクティブなものは社会でますます価値を高める。

【DP】 
本書で未来のVRのセキュリティーに関しての問題点が挙げられていた。そこで現在人々から使われているVR・ARの問題点が無いのかを見つけ出し、それらとより良いインタラクションしていくためには何が大切か議論を進めていった。(誰もが1度はやったこと・見たことがあるだろうAR「ポケモンGO」を事例に)
AR(ポケモンGO)の長所・面白さを挙げる 
ゲーム内 ・ゲームの世界に入り込める ・実際に手に持っているように感じられる ・スマホで手軽にできる ・ポケモンの反応が楽しめる 
社会的 ・外に出る人が増える ・経済効果 ・知らない人とのコミュニケーション など
短所・問題点を挙げる
ゲーム内 ・ストーリー性が無い ・同じキャラクターしか出ない ・単純作業 ・ユーザーとの相互作用がそもそも少ない 
社会的 ・歩きスマホ ・地域格差 ・個人情報
その問題中で最も改善すべきものは、そしてその問題を解決するために必要なもの・システムとは
「ポケモンGO」は現在配信当初の2割の人しかやっていない→ゲーム内の問題が大きい。さらにゼミ生は、ストーリー性が無い・単純作業・同じキャラクターしか出ない、そもそもユーザーとの相互作用(インタラクション)が無いことでやめてしまった。では、どのように改善すればまた、もともとのユーザーを獲得できるのかを議論した。アイデアとしては問題点の解決策にもなる、捕まえる上でのストーリー性の重視・通信機能の搭載、キャラクターの種類を定期的に増やす、ターゲットを明確にし取る際に工夫を促す機能を搭載する、ユーザー各々に合わせたストーリーやキャラクターの搭載が挙げられた。これらのシステムを搭載することで少しでもユーザーを獲得でき、より良いユーザーとのインタラクションができるのではないかという結論が出た。

これらより、現在でもインタラクションしていくものに多くの問題点があることが分かった。今後価値を増すインタラクションがより良いものにする為に、改めて現状を見つめ直すことも大切だろう。

ほそだ(3年)

7月14日 「〈インターネット〉の次に来るものー未来を決める12の法則」 第8章 REMIXING

【要約】
 リミックスするとは、既存のものを組み合わせて新たなものを生み出すということである。さらに、リミックスによって生み出されたものを再びリミックスし、さらに新たなものを生み出すことで、可能な組み合わせは幾何学的に増加していくのであるという。
 そんな中、現代は新しいメディアの黄金期にあるという。これまでは、古い分野のメディア同士を掛け合わせ、新たな分野のメディアを生み出してきた。しかし、時代が進みデジタルテクノロジーが進化したことで、現在は新たなやり方で組み合わせができるようになったのである。それが、リスティクルやTwitterである。メディアの選択肢が増加し、リミックスできる幅が広がったことで、ジャンルやサブジャンルが爆発的に多様化してきたのである。今後、もっと大規模なリミクシングが進んでいくという。
 安価でどこにでもある創造のツールの影響でメディアの非対称な構造が変化してきているという。筆者はこれを動物界と映像界を例に使っている。動物界の象徴はトラだと思われがちである。しかし、統計的に考えるとバッタこそが動物界の王様なのである。それと同様に映像界では、ハリウッド映画が象徴のように思える。しかしながら、実際はYouTubeやインディーズ映画のほうが、リミックスによって製作が簡単になり、われわれの文化の中心(アテンションの総量で評価)になっているのだという。
 伝統的な撮影は、シーンごとに撮影され、山ほどの撮影シーンから1本の映画を組み上げてきた。しかし、技術が進歩し、デジタルテクノロジーでは、画面が流動的に扱えるようになった。そうすることで、映画のシーンはいくらでも変えられるものとなった。シーンは撮られるものではなく、文章のように組み上げられるものとなったのである。ジョージ・ルーカスのスターウォーズもこのようにして作られ、最終的に手を加えられていないコマは一つもなかったという。
 イメージ作成の巨大な集合精神(ハイブマインド=SF世界の言葉、個性や自我が失われた状態、自ら思考することなく、手段生活を営む)で言えば、写真の世界では近いものが起きているという。想像できるものは何でも写っており、探すイメージが無くて困るということがないという。自分の動画や映画に同じようなイメージを使いたいとき、新たに撮影する必要がないという。そこから使いたいイメージを探し出せばよいのである。映画の撮影方法も変わってくるという。しかし、映画が簡単にできるようになっただけでは十分ではないという。真のリテラシーを得るには、イノベーションとテクニックの積み重ねが必要であるという。
 そもそもリテラシーとは、知識を活用して問題を解決することである。文章のリテラシーとは、文章を構文解析して操作するものである。今後は、動画でも同じようなことができるようになるという。そして、視覚的リテラシーとは、映画に出てくるどんなシーンでも注を付けられるようになることである。視覚リテラシーにとっての聖杯(かくことのできないもの)は、発見可能性である。このような発見可能性に加えて、現在メディアの中で起きている革命的な動きと言えば「巻き戻し可能性」である。
 今後、組み替えることこそがイノベーションの唯一の源泉であるという。ただのコピーではなく、オリジナルから何かが変わったということでる。これから30年間で生まれる最も重要な文化的作品は、最もリミックスされたものである。

【ディスカッション】
本章で「スクロールして戻ることが確実になり、深い体験ができるようになれば、未来の生活観が変わるだろう。」とある。私たちはここから、一回しかできないからこそ経験できるものがあるのではないかと考えた。では、中野ゼミでは『やり直し巻き戻し可能性』について肯定なのか、否定なのかを議論していく。
 ディスカッション前は肯定:17人、否定:4人という結果になった。

➀一回しかできないこと、やり直し巻き戻しができることの違いを話し合う。
一回:やり直しができない分緊張感を持つことができる、その時その時を全力で生きる、やり直しや巻き戻しにかける時間を短縮できるということが挙げられた。
やり直し:何回もできる分理解が深まる、一回目とは違った観点から物事を見ることができる、気づかなかったことに気づけるということが挙げられた。

➁上の議論を踏まえた上で、日常的体験(大学生活)がどう変わるのか。
間違いをなくせる、もともと体験しようと思わなかったことも体験しようとするというメリットも出た。しかし、授業の質が落ちる、今を体験する時間が減るというデメリットも挙げられた。

上の議論を踏まえた上で、非日常的体験(旅行)がどう変わるのか。
昔の経験を思い出せる、とりあえず行ってみる、苦手を克服できるというメリットも挙げられた。しかし、同じ場所に行かなくなる、写真を撮らなくなるというデメリットも挙げられた。

 このディスカッションの結果から最終的に肯定:17否定:4となり、中野ゼミは『やり直し巻き戻し可能性』に対して肯定ということになった。肯定側の要因としては、好きな時に使える、思い出を振り返ることができる、理解がより深まるということが大きかったようだ。しかし、今という時間がおろそかになってしまうという懸念もあるということも忘れてはいけない。
筆者が述べているように『やり直し巻き戻し』は不可避である。今後、この流れを受け入れ、活用し、生きていくのだろう。

うすくら(3年)

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